2012年11月16日

論理的思考が未熟な幼児には体感から(拍子感その1)

これまで幼児の世界について書いてきました。
(詳細はこちら・・・http://www.terra.dti.ne.jp/~emikosan/tosyokann.html
では、論理的思考が未熟な幼児に、
どのような形で拍子というものを伝えたらよいのでしょうか?
今日は、私の指導法をご紹介しようと思います。

これまでお話してきたように、
論理的思考を持たない幼児に、
1小節に4分音符が何個と記譜法、
もしくは読譜について指導したところで、
本当の意味で理解してもらうことは困難です。

このような論理的なアプローチは、
論理的思考ができるようになってくる7,8歳からが
適しているのではないかと思います。
そこで私はまず、体験してもらうというアプローチをしています。
拍子”感”そのものを体感してもらうのです。

このアプローチに使用しているのが、
拍子打ちというものです。
1拍目と2拍目の重さの違いを感じてもらいます。


【2拍子】

次の動画は、2拍子を体感するための動きです。



1拍目には重みがあり、2拍目は1拍目より軽いですね。
私は拍子感のない拍子、
拍子の数字を唱えるだけといった拍子を1拍子と呼んでいます。
次の動画は、1拍子のノリの2拍子(1)です。



次の動画は、動きは最初のものと同じですが、
2拍目が1拍目と同じ重さで叩いているので、
体感は1拍子になってしまっている、という動画です。



【3拍子】

次の動画は、3拍子を体感するための動きです。



【4拍子】

次の動画は、4拍子を体感するための動きです。



私は導入期、5線譜のない教材を使用しています。
そして、小節線も拍子記号もない段階から、
楽譜の横に4分の2、4分の3、といった拍子記号を書き足します。
そして、分母ではなく、分子の数字に幼児の焦点を定めます。

「上の数字を見てね」

この上の数字に着眼できるよう、
毎回の楽曲で生徒さんの視点を分子の数字に誘導し、

「この曲は何拍子?」

という質問をします。
分子に3とあれば、その曲は3拍子ですし、
分子に4とあれば、その曲は4拍子です。

論理的思考への訴えかけは一切せず、
楽譜から何拍子かを読みとれるよう導き、
拍子を体感する→拍子を表現できる、と指導を進めていきます。

私が使用している教材には歌詞がついているので、
拍子打ちをしながら歌詞で歌うというアプローチを、
毎回の楽曲で必ずやっています。


次回は、読譜ができるようになってきた幼児への
拍子感のアプローチについて書きたいと思います。


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emksan at 09:00│TrackBack(0) ピアノ/レッスン | 障碍&幼児

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