音階

2010年03月05日

音程&音階のお話

このブログで私お気に入りの教材ミュージックツリーに興味を持ち、
私にメールをくださった方がいらっしゃいました。
その方があまりに熱心なので、私もつい夢中になってしまって。(笑)
なによりお気に入りの教材に興味を持ってくださったことが嬉しくて嬉しくて。
一度大阪という遠いところからレッスンに来てくださったこともありました。

そんな関係で、この方から質問のメールがくると、
私も面白くて夢中になって返信してしまうのです。
今日久々に、面白い質問のメールがきました。
日々当たり前と思っていることが、
新しく勉強する人にとっては当たり前ではなく(当然!)、
こういう方に説明することは、
私にとっては「わかりやすい指導」を手に入れるチャンスともなっています。

今回、この質問って結構面白いかも!と思ったので、
その方に返信したメールを、そのままコピーして、
ブログにアップすることにしました。



line-tamablue



Q.完全5度というのは、全音3つと半音1つの組み合わせのことでしょうか。


A.そういう風に考えると、間違いが生じるかもしれません。
 例えば、シ-ファ♯は完全五度ですが、
 同じ音でもシ−ソ♭となると、これは減6度という違う音程になってしまうのです。
 こういうのを異名同音というのですが、
 シとファという呼び方は、シドレミファで5度系ですが、
 シとソという呼び方は、シドレミファソで6度系になっちゃう。
 だから、単純に全音3つと〜なんて考え方では間違いが生じてしまうのです。

 ということで、まずは体で完全5度を覚えてしまうことをお勧めします。
 簡単ですよ。
 基本は、音階の1番目の音と5番目の音の関係なのです。
 ハ短調もハ長調も、1番目の音は「ド」で、5番目の音は「ソ」ですね。
 だから、短調・長調は関係ありません。
 とにかく音階の1番目と5番目の音の関係が完全5度ということです。

 で、これらを机の上にかじりついて勉強するのはアホラシイ(笑)ので、
 ピアノで弾きながら覚えてしまいましょう。
 かなぁりラクチンなのでご安心を!!
 ルールは、この音程を親指と小指だけで弾くこと。
 その方が覚えやすいです。
 だって、1番の指と5番の指なんだもの!(笑)

 基本的に、白鍵-白鍵、黒鍵-黒鍵、という関係です。
 ド−ソは白鍵同士だし、ド♯-ソ♯は黒鍵同士です。
 ド−ソ、ド♯-ソ♯、レ-ラ、レ♯-ラ♯、ミ-シ、ファ−ド〜という風にして、
 どんどん鍵盤を上へのぼっていくと、
 どうしても白鍵同士、黒鍵同士ではいかなくなる音同士が出てきます。
 その音さえ覚えればイイ!(笑)
 だってそれ以外は、白鍵同士、黒鍵同士で考える必要なんてないんだもの。

 その白-黒、黒-白、という関係になる完全五度は、
 たったの2つです。

 シ♭-ファ、シ-ファ♯

 これだけです。

 あとは、ド-ソから完全五度でどんどんのぼっていく練習をしていけば、
 完全五度の響きと感覚的な指の位置を覚えて、
 悩まなくなりますヨ。




Q.全音というのは、テキストAでいうところの2度の音のことでしょうか。
  (テキストA→ミュージック・ツリーテキストA)


A.基本的にはそういうことです。
 でも、実は半音も2度なのです。(笑)
 先ほど5度系、6度系と言いましたが、
 2度にもいろいろあるんですよ。
 短2度、長2度、減2度、増2度と・・・。
 で、全音の2度は、長2度というタイプの2度です。
 そして、半音は短2度になります。

 
要するに、ミファと言葉だけだと単純に2度ですが、
 ミファにはいろんなミファがあって、
 そのまま白鍵隣同士のミファもあれば、
 ミ-ファ♯なんてものもある。
 ミ−ファ♯だと間に一つ鍵盤がありますよね。
 本当の隣同士ぢゃぁない。
 これを長2度というのです。いわゆる全音です。
 短2度は、本当の隣同士。
 鍵盤上で間に鍵盤を挟まない2度のことです。
 ド−レの間には、黒鍵が一つ挟まっているので、
 これは長2度。
 でも、ド-レ♭となると、間に鍵盤がなくなるので短2度となるのデス。



Q.半音が入る位置は長調と短調で決まっていて(それぞれ3度と4度、2度と3度)、
 
1度と2度とか、4度と5度の間というのはないのでしょうか。


A.音階は、これら全音と半音のという不公平な音程が集まることによって、
 成り立っているものです。
 全部が全音、全部が半音だとどこに落ち着いたらいいものかわからなくなるんですヨ。

 ハ長調は、やっぱりドに落ち着きたくなるし、
 ト短調は、やっぱりソに落ち着きたくなる。
 これは、音階の音程に不公平があるからなんですよね。

 そして、短調の音階は、
 1-2度間が全音、2-3度間が半音、3-4度間が全音〜
 短調の音階は、
 1-2度間が全音、2-3度間が全音、3-4度間が半音〜

 という風に決まっているのです。
 この決められた音程どうりに音を並べていけば、
 誰でも音階が作れる・・・という仕組みです。

 例えばニ長調を作りなさいと言われたら、
 「レ」の音から、長調の決められた音程を並べていけばいい。
 そうすれば、ニ長調が出来上がります。
 ハ短調を作りなさいと言われたら、
 「ド」の音から、短調の決められた音程を並べていけばいいのです。

 〜補足〜

1-2度間に半音が入ったら、どんな音階が出来上がるのか面白いですね〜。
音階って面白い。
こうして考えてみると、西洋音楽の音階なんて、結構単純かも。
世の中にはいろぉんな音階があるんですもの。

例えば、ヨナ抜き音階というものがあります。
ドレミソラドです。(4番目と7番目のファ・シが抜けていますよね。)
この音だけで適当にメロディを作ってみると、
あらあら不思議。懐かしいメロディになりませんか?
日本の音階です。
また、ラシドミファラなんてのもあって、
これは陰旋律といいます。
私は結構この音階も好きです。
雰囲気があるもの。

また、「ドレミファソラシド」という西洋の音階から、
レとラを抜いて、適当に弾いてみてください。
これまた聞いたことのある雰囲気になると思いますヨ。
レとラを抜くと「ドミファソシド」になりますが、沖縄の音階です。
これは、私が以前行ったバリでも聞いた音階です。

インドの音階なんてのもあって、これは難しくて私にはチンプンカンプンですが、
インドは旋法が多いという話を聞いたことがあります。
例えば、ド-レ-ミ-ファ#-ソ-ラ-シ-ド。

このようにそれぞれの音程が西洋音楽の音階とは違ううえ、
西洋音楽は7音で音階が成り立ちますが、
その音の数すらも違う音階がこの世の中にはワンサとあるんですよね。
5音音階なんて言葉があるほどですから。
実は西洋音楽にも中世に親しまれた音階(教会旋法)というものがあって、
これまた雰囲気抜群で、今のものとは全く違うんですヨ。
是非機会があったら「グレゴリオ聖歌」を聴いてみてください。
違いがはっきりわかると思います。

こうしてみると、自分でルールを設けて、
自分の音階を作ってみるのも面白そうですネ。(笑)
自作の音階から、どんな音楽が生まれるでしょう?

一言に音階といっても、世界各国いろんな音階があって、
その上、音程そのものも西洋では12音しかないですが、
日本の音楽などは、ドとレの間にも音があるような気がしませんか?
12音と使う音を限定しなければ、音階は無限に広がりそうです。
西洋音楽は世界の音楽の一端でしかなくて、
ハ長調とかいう音階も、その一端でしかないんですヨ。
ただ、クラシック音楽はそのルールにのっとって作曲されている、というだけなんですよネ。



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