音楽

2011年09月16日

音楽バカは教養人

”音楽バカにはならないで!”


これまで何度も耳にしてきたこの言葉。
私はとてもとても違和感を覚えるんです。
ここでいう「音楽バカ」というのは、
言葉を変えれば「練習バカ」ということなのでしょう。
そう考えればしっくりきます。

だって、真の音楽バカはとてつもない教養人なんですヨ。
音楽を追求すればするほど、
歴史を知らなきゃいけない。
美術史を知らなきゃいけない。
文学を知らなきゃいけない。
建築史を知らなきゃいけない。
政治を知らなきゃいけない。

近代史を知らずして、20世紀の作曲家の楽譜を紐解くことができますか?
20世紀の作曲家には、時代に翻弄された苦しみがあるものです。
第1次世界大戦、第2次世界大戦、この時代の政治を知らずして、
近代の作曲家を演奏することなどできないのではないでしょうか。

バッハを演奏するのに、
キリスト教についての知識が全くなくて良いものでしょうか?
イコンを見た人と見てない人とでは、
演奏の深みに大きな違いが出てくるでしょうし、
なにより演奏者の楽曲へ向かう想像力に大きな違いが出てくることでしょう。

西洋文学に親しむことは、作曲家の世界に触れることでもあります。
シューマンを演奏したいなら文学に親しむべきでしょうし、
ギリシャ神話を想像できる人とできない人とでは、
演奏に必要な想像力に大きな差が出てくることでしょう。

印象派を知る上で、
当時の画家が何を目指していたのかを知ることは、
演奏の際の大きなヒントになります。

また、作曲家も建築家も画家も、
影響を受けた思想というものがあるものです。
西洋思想について知ることは、
作曲家に近づく一歩となるでしょう。

こういったことを学び始めると、
では日本人である私はどう表現すべきなのだろう?という壁にぶち当たり、
逆に日本文化に興味が湧いてくるものです。

キリスト教について学んだ人は、
イスラム教やユダヤ教についても知りたくなるでしょうし、
ギリシャ神話に触れた人は、
ギリシャ文学やそれにまつわる絵画に興味を持ち始めるでしょう。
思想について学んだ人は、
思想が社会や政治、文化を形作っているのだということに気づかされます。

こうしてみると、
政治も思想も、文学も絵画も、建築も宗教も、
すべてが繋がりをもって歴史は流れているのだ、ということに気づかされます。
音楽はその中の一部分であり、
クラシック音楽はこういった広範囲な歴史と深く関わり合っているのです。

ね?音楽バカって、すんごい教養人だと思いません?
だから、私は生徒さんに、どんどん音楽バカになってもらいたいと思うし、
私も真の音楽バカを目指したいと思うのですヨ。
でもね、あまりにも広範囲なので、
記憶力の悪い私は、なかなか真の音楽バカになれずにいます。(^-^;
真の音楽バカへの道のりは厳しい〜!!


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emksan at 21:01|PermalinkTrackBack(0)

2011年09月15日

音大に進んでもつぶしがきかない?なんて思っている人にお勧めの1冊

先日出版社の担当の方が家へいらして、
面白い本のゲラをいただいたと、
本を紹介するブログ記事を書きました。
http://musestown.livedoor.biz/archives/51964367.html

実は、もう1冊いただいた本があったのですヨ。
こちらはゲラではなく、もう発売中の本です。
これがね、面白いんだなぁ〜。
ピアノ業界に身を置く人間にとっては、
とてもとってもとぉ〜っても興味深い内容なのではと思います。


音大生のための就職徹底ガイド ~こんなにある、音楽の知識と経験が生かせる仕事~音大生のための就職徹底ガイド ~こんなにある、音楽の知識と経験が生かせる仕事~
著者:新村 昌子
ヤマハミュージックメディア(2011-08-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


音大生のための〜と書かれていますが、
これ、読み物としても充分に楽しめます。
著者の文章が面白いんですヨ。
その上、著者の経歴の面白いことったら。
(人様の経歴を面白いだなんて・・・ゴメンナサイ!)


そもそも私は、
もし音大に合格してもプロの演奏家としてやっていくことは無理だろうし、
どんなレベルであれ演奏を仕事にできるような才能はないな、
と割と早い時期から自分の能力は見切っていました。
さらに漠然とですがなんでもいいからバリバリに
「仕事」がしたいとも思っていました。
そういうわけで、念願の武蔵野音楽大学ピアノ科に入学したものの、
実は入学したときからあまりピアノの練習をしなくなっていました。
大学では、ピアノの練習や授業をサボって図書館で本を読み漁り、
オーディオ室で手当たり次第にレコードを聴きまくる毎日でした。
早稲田大学の多重録音芸術研究会という音楽サークルに入って、
夜中までシンセサイザーをいじりまわしたり、
進研ゼミの小論文添削(通称赤ペン先生)のアルバイトに没頭したりしていました。


ピアノ科にまで進み、かなりの変わり種。(笑)
そんな著者の経歴。

就職活動に熱を入れるも、数十社すべて不採用。

音楽教室の講師

ピアノを教えながら、中途採用試験を受けまくる

日本フィルハーモニー交響楽団事務局にアルバイト待遇で採用される

ポリドール・レコード(現ユニバーサルミュージック)の中途採用試験に合格。
ドイツ・グラモフォン・レーベルを担当し、その後日本人アーティストのディレクターとなる。

結婚退職し、フリーで日本コロムビアなどのレコーディング現場のアシスタント・ディレクターをする。

ネットワークレコード(洋楽系インディーズ・レコード会社)の契約社員となる。

高嶋音楽事務所でマネジメントの仕事を手伝う。
近藤嘉宏さん、青柳晋さん、幸田さと子さん、加羽沢美濃さんなど、
アーティストの活動をサポート。


この経歴に惹かれないわけがないでしょ?
でもね、音楽業界で転職というのは珍しいことではなく、
こんな風に転職を重ねている人は当たり前にいるようです。

ご自身の経験談を交えながら、
クラシック音楽業界についての紹介や、
音大生が狙い目の仕事は何なのか、
就職後に役立つ知識などが語られていきます。
また、業界へのアプローチ方法なんてのも面白かったですヨ♪

この本の有意義なところは、
実際に現場で働いている音楽大学出身の方々のインタビューが載っていること。
いやぁ、すごい経歴の方だらけなんですよぉ〜。
考えてみれば、私の書籍担当の方もそのお1人。
小さな街のピアノ教室だって業界を支える大切な土台ですが、
こういう方々が、日本の音楽界を支えてくださっているんだなぁ、
なんて感慨深いものがありました。

ちなみに、この本で語られている音楽業界の仕事はこんな感じ。


・オーケストラ事務局
・レコード会社
・音楽事務所
・パブリシスト
・ホールスタッフ
・ステージディレクター
・放送局
・出版社
・ピアノ講師
・楽器店販売
・CDショップ
・エンジニア
・写譜


レコード会社や音楽事務所などは、
もっと細分化されて詳しく紹介されています。

第3章の希望の仕事にめぐり合うための自分の磨き方は、
耳が痛いというか、
私もこんな風に自分を磨いていきたいな〜と思えるような内容で、
最後まで面白く楽しく読んだのでした。

音大に行ってどうなるの?
つぶしなんてきかないでしょ。
と心配している親御さんに勧めるのもいいかも。
実際私のお教室で1人、この本を勧めた親御さんがいらっしゃいます。
お父さんに読ませたい!とお母さんが息巻いてました。(笑)



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emksan at 20:50|PermalinkTrackBack(0)

2007年01月15日

音楽のある環境作り(ピアノ指導において)

某音楽教室をやめて、
自分のお教室を開いたときの私の夢は、
「音楽のある生活」でした。

幼児教育を専門に大学で勉強した私。
何度かここでも話題にしていますが、
幼児教育でのキーワードは「環境作り」でした。
子どもの発達を観察分析→それに合わせた環境を作る。
これが自由保育の流れです。

これをピアノ教育に応用したかった。
そして、西洋に見られる生活に根付いた音楽を目指したかった。
家の中の誰かがピアノを弾き始めると他の誰かが歌い始める。
家族で合奏をして遊ぶ、友達同士で合奏して遊ぶ。
そんな生活に根付いた音楽。

もちろん家族全員が楽器を演奏できる家庭は少ないわけで、
これを完全に形にすることなんて無理なわけだけれど、
それに近づくことはできるはず。

ピアノという楽器はとても孤独な楽器です。
たった一人でピアノに向かい練習をすることがほとんど。
刺激が少ない。

バレエを習っている子は、あんなに辛い練習にも関わらず、
練習しようという意欲に燃えます。
野球もサッカーも!
それは何故?
とても身近に「ああなりたい!」と思える憧れの存在がいるからです。

今教えている子の10年後を想像し、
今どうあるべきなのかを考え、
ピアノ教室のカリキュラムを作成する。
そうやって自分の理想に近づけていく・・・。
私はこの7年間、そうやって過ごしてきたような気がします。

自由保育のピアノ教育への応用は、
とてもとても難しく、どこでどう折り合いをつけたものか悩んだものでした。
幼稚園には教えなければならないことがない。
ピアノ教育には教えなければならないことが山ほどあります。
それは学校教育と同じ悩みなのだろうと感じます。

まず、生活に根付いた音楽を目指すべく、
月に1回のペースで弾きっこ大会を催すことにしました。
運良く近所にスポーツセンターなる安い施設があり、
グランドピアノが置いてあったのです。
健康体育室という名の広いスペースにグランドピアノ、
お菓子を食べながらの演奏会。
気楽に参加できるようにとプログラムは作らず、
弾きたい曲を弾く、というスタンスでやり始めました。

生徒さん同士の交流は、
ピアノの練習の励みになってきたように思います。
私のお教室は発達障害のお子さんが多いのですが、
そういったお子さんのお母さま同士の交流や、
大人の生徒さん同士の交流。
多くの交流がここで生まれた気がします。
月に1回あるということでピアノのある生活が身近になる上、
「あこがれ」の人や曲に出会うきっかけ作りにもなりました。

しかし、身近な憧れと同時にもっと上の憧れの存在も必要です。
サッカーや野球は、しょっちゅうテレビで放映されていますし、
みなさん気楽に試合へ行きます。
でもピアノとなるとそうはいかない。
ピアノを習っていても演奏会へ足を運ぶ人は少数です。

理由は子ども。
弟や妹などの兄弟がいると演奏会へ行きづらい。
未就学児OKの演奏会も少ない。
その上ご両親が演奏会の良さを知らない。

そこで、気軽に聴きに来られる近所の演奏会
ピアノ講師で作っちゃおうと思うに至りました。
それがLa Musique du Soleilです。
この団体のお陰で、私自身多くの実りをいただきました。
すばらしい先生方との出会いに恵まれたからです。

たった1年に1回の演奏会ですが、
生徒さんたちに根付いてくれました。
今まで演奏会へ行こうと思わなかった親御さんが、
「生演奏って楽しいですね!」という感想を持ち、
「演奏会へ行きたい!」と言ってくれるようになりました。
La Musique du Soleilは、演奏会へ足を運ぶためのきっかけ。

お教室の発表会も「ホームコンサート」という名で、
とにかく楽しいものにしたいと思いました。
演奏会そのものを楽しむ。
そして自主性を育みたいとも考えていました。

生徒さん同士でステージ名を考え、
ステージごとに曲順を考えてもらい、
ステージごとにMCを考えてもらう。
私はただ演奏そのものの質を高めるべくレッスンに精を出し、
それ以外の部分は、生徒さんたちに作り上げてもらうようにしました。

また、ブラボーという掛け声を入れることで、
演奏を聴く側にも「楽しさ」が倍増したように思います。
メッセージカードに1人1枚は書くことが根付いたことで、
他の人の演奏を聴く習慣も身に付いたように感じています。
あんな風に弾けるようになりたいとか、
作曲家の名前、曲名など、
自主的に情報が生徒さんたちの内側に取り込まれるようになりました。

お教室内だけでは刺激の足りない子は、
コンクールの参加も経験しました。
これは私にとってもすごい励みになりました。
生徒さんたちの目を開かせるということは、
私自身の目が開かれることでもあるんですよね。

La Musique du Soleil、ホームコンサート、コンクール、
クリスマス会、弾きっこ大会、お教室で貸してあげるCDや本。

すべてが環境作りの一貫でした。
よく「行事が多いって大変でしょう?」と言われるのですが、
そんな大変ではないんです。
それよりも生徒のやる気が芽生えてレッスンしやすくなる利点の方が大きい。
そして、私自身その時々で目が開かれ、
新たな気持ちでレッスンに取り組むきっかけができるので、
いつも新鮮な気持ちでレッスンすることができます。

あれから7年。
毎回弾きっこのたびに工夫を重ね、
毎回ホームコンサートのたびに工夫を重ね、
毎回La Musique du Soleilのたびに工夫を重ね、
ここ2,3年すごく落ち着いたなぁと感じています。
落ち着きどころを見つけたというか。(笑)

7年も経つと、生徒さんたちの生活環境も変化してきます。
これからはそういったことに柔軟に対応していける、
そんな環境作りを目指していかないと、
新鮮さを保つのは無理だろうと感じています。

時は流れている・・・。
無常であることに背を向けずに生きていきたい。
時の流れを感じるって、とても面白い。

今年から弾きっこ大会を年に2回に減らしました。
これでお教室行事が3か月に1回のペースとなります。
3月と9月に弾きっこ。6月にホームコンサート。
12月にクリスマス会。
いいペースだなぁと感じています。

年2回に減らした分自由参加ではなく、
基本的に全員参加という形になりましたが、
強い縛りを設けない気楽なままのスタンスで、
「聴いてコーナー」(人前で演奏する)を充実させていけたら・・・。

今年は周りの様々な変化に、
柔軟に対応していける自分でありたい。

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CD絵本を読んでもらって感想を書いてもらう・・・なんてことをやっています。



【私のお教室にある本やCDを一部ご紹介】
のだめカンタービレ 1~12巻セット
ショパン―「ピアノの詩人」とよばれた天才作曲家 学習漫画 世界の伝記
モーツァルト―神童とよばれた天才作曲家
ベートーベン―楽聖とよばれた大作曲家
クララ・シューマン―愛をつらぬいた女性ピアニスト
ブラームス
CD絵本 バッハ
CD絵本モーツァルト
CD付絵本 モーツァルトへようこそ
CD絵本 シューベルト
CD絵本 ベートーヴェン
フランス宮廷の華バロック・ダンスへの招待[DVD]―舞曲のルーツをさぐる
バッハとバロック音楽
ブルーナのすこやかクラシック



emksan at 16:15|PermalinkTrackBack(0)

2006年11月21日

自分専用図書館みたい

先日ミューズ資料館とミューズホールを一体化して、
リニューアルしました。
Amazonのサービスなんだけれど、
自分専用の図書館ができたみたいで、
すっごくすっごくす〜〜っごく楽しい。(笑)

こんな本もあるのねぇ、そんな本もあるのぉ?・・・みたいな。

音楽漫画も探すとこんなにあるもんなんですね〜。
音楽にまつわる絵本も意外に多いし。
オペラの漫画を里中満知子が描いてたりして。
里中満知子のギリシャ神話も欲しいんだよなぁ〜。

ヨーロッパ史なんか、あれもこれも欲しいのだらけ。
メディチ家やハプスブルク家って文字を見つけただけで、
読んでみたくなっちゃうのは何故?
国ごとに分けたのもよかったみたい。
イギリスなんて、思いのほか面白い本が見つかったりして・・・。

先月と今月は、本を買いまくってしまいました。(_ _;)
まだ読んでない本ばっかり。読まなくては!

あぁ、私は自分の家に図書館が欲しい!(笑)




・・・・・私のお勧め音楽本・CD・DVDはこちら


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emksan at 11:52|PermalinkTrackBack(0)

2006年08月30日

発達障害児レッスン記録の更新

全員分とは、まだまだいきませんが・・・。
ひまわりの丘に「発達障害児のレッスン記録」を置きました。
まだ3名分・・・・。

試行錯誤だったものが当たり前になっているので、
思い出すのが思っていた以上に大変です。
今ではほとんど意識せずにやっていることが、
以前は必死になって考えていたことだったりするんですよね。

そこで、レッスンで使用しているレッスンノートを、
生徒さんからお借りしようと思い立ち・・・。
すごいですね〜〜。
お母さん方って、ちゃぁんと残していてくれてるんです。

お母さんが残しておいてくれた過去のレッスンノートと、
私の書き込みがある過去使用した教材。
この2つをお借りして、思い出し作業再開です。

はぁ。なんでちゃんと記録にしておかなかったかなぁ。
何度か記録に残すといいよ、
というアドヴァイスをいただいたことあったんですよねぇ。(;´▽`A``
でも、生徒を研究材料にするのは嫌!!と、
拒否反応の方が先にきてしまい、記録できなかった・・・。
なんとも融通の利かない性格だなぁ。(_ _;)

考えてみると、記録=研究・・・じゃないですよねぇ。
なんで、そんな図式ができちゃってたんだろう?

ま、過ぎてしまったことは仕方がない。
これからコツコツと記録していこうと思います。とほほっ
がんばって思い出さねばっ!

俺ルール!―自閉は急に止まれない 自閉っ子、こういう風にできてます!
自閉っ子、深読みしなけりゃうまくいく アスペルガー的人生
私の障害、私の個性。 
発達と障害を考える本〈2〉ふしぎだね!?アスペルガー症候群(高機能自閉症)のおともだち
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2006年08月29日

発達障害児へレッスンを振り返って

今、一番最初に出会った発達障害の子たちのレッスンを振り返りながら、
レッスン記録をつけています。
なんだか感慨にふけってしまう自分がいます。
ここまできたんだなぁ〜と。
振り返ると、本当にいろんなことがありました。

今では当たり前のことも、
あの時は悩んだり試行錯誤したり・・・。
発達障害の子へのレッスンスタンスそのものから、
悩んだものでした。

私は音楽療法士になりたいわけではなく、
ピアノ講師として発達障害のお子さんと付き合っていきたかった。
発達を促すためにピアノがあるのではなく、
生活の潤いのためにピアノを用いたかった。
第一私にできることは、それしかなかったもの。
私は医者ぢゃないので。(笑)

でも、だからこそ悩むことも多くあったのです。
果たして自分のレッスンは、
ピアノレッスンとして成り立っているのだろうか?
お月謝をいただくような内容になっているのだろうか?と。

子どもたちとのコミュニケーションは、それはそれは楽しいもので、
だからこそ責任を感じたし、
なんとなく一緒に時間を過ごすのではなく、
きちんとレッスンしたい・・・と思っていました。

でもね、「教えよう」としてできるもんぢゃないんです。
そういう意識でいると、失敗するだけ。
まずは、子どもを「知ろう」と思うことから始まったんです。
そこが出発点だったからこそ、
今の私がいるのだなぁとも思います。

生徒さんの親御さんから、たくさんのことを教わりました。
ひまわり勉強会の先生方から、たくさんの発想をいただきました。


4,5年前の私は、
本当に1つ1つのことを試行錯誤しながら歩んでいたように思います。
今思うと、驚くくらい単純なことで試行錯誤してた。
「発想」のきっかけがなかったので、
引き出し1つ作るのに、時間がかかったんですよね。

今は、「発想」の地盤がしっかりしてきているので、
レッスンの場でこれまでの引き出しがスイスイ出てくるし、
その場で新たな発想が生み出されることも多々あります。
あの頃は、その場で発想が生まれるなんて考えられなかったこと。

今こうして楽しく引き出しを増やしていけるのは、
あの頃悩みながら試行錯誤していた私がいたから。
そして、それを支えてくれた親御さんや、
ひまわり勉強会の先生方がいらしてくれたお陰です。

たった4,5年だけれど、密度の濃い時間を過ごしてきたんだなぁと実感。
記録を作成しようと思えるようになってよかった!
たまにこうやって振り返るのもいいものですネ。
なんかね、あぁ〜ここまできたんだなぁ〜って。
ちょっと嬉しかったりするんですヨ。


俺ルール!―自閉は急に止まれない 自閉っ子、こういう風にできてます!
自閉っ子、深読みしなけりゃうまくいく アスペルガー的人生
私の障害、私の個性。 
発達と障害を考える本〈2〉ふしぎだね!?アスペルガー症候群(高機能自閉症)のおともだち
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