読書
2012年01月24日
太宰治
・ヴィヨンの妻
・桜桃
・斜陽
・人間失格
・女生徒
人間失格を読んで以来、封印してきた太宰。
自己への罪意識がとても高い太宰の作品は、
罪意識の強かった思春期の私に、
深く入り込むもので、
その世界観から抜けきれなくなってしまう恐怖があったのです。
あれから20数年。
自分を律することを覚え、
自分の精神をコントロールすることを覚え、
必要以上に自分に罪意識を感じることがなくなり、
生きることがそれほど苦痛でなくなった今、
改めて太宰を読む気になったのでした。
私には無償の愛との出会いがありました。
自己への罪意識から逃れるためには、
無償の愛が必要と思います。
太宰には、そういう出会いがなかったのでしょうか。
共に入水自殺を図った山崎富栄は、
確かに太宰を愛していましたが、
はたしてそれを無償の愛と呼べるのか。
自己憐憫、自己陶酔愛ではなかったか。
私は太宰を越えた
思春期を通り過ぎた頃、こう思ったことがありました。
太宰が越えれなかった壁を越えたと感じたからです。
自己憐憫、自己への罪意識、
それから、本当の意味で素直に生きるということが、
建て前と本音の横行する社会では通用しないという、
社会と自分との摩擦。
すべては無償の愛さえ経験すれば解消することと、今なら思えます。
共鳴し、共感し、太宰を自分の内に感じ、内に籠り、
そこから抜け出ることのできなかった私が、
あれから20数年経って、冷静に太宰の作品を読んでいるなんて、
とても不思議な気持ち。
あの繊細な感性が、自分の内から消えてしまったことを悲しむべきなのか、
あの地獄のような苦しみから抜け出たことを喜ぶべきなのか。
芸術家としては悲しむべきことなのかもしれませんが、
私は抜け出られたことに喜びを感じます。
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2007年06月21日
久々の読書 フランス革命
ソレイユやらホームコンサートやらで、
買ったまま放置してあった本。
啓蒙思想への興味から、
フランス革命をもっと知りたいと思うようになり・・・。
読んだ本がコレ。
二都物語 (上巻) 二都物語 (下巻)
ディケンズ(1812-1870)の小説です。
フランス革命当時の生々しさが描かれており、
へぇ〜〜な感じで面白く読んだ本。
私が知ってるフランス革命なんて、
遠藤周作が書いた「王妃マリー・アントワネット」くらいだったので、
こういう民衆側から描かれたものってお初だったんですよね。(^-^;
王妃マリー・アントワネット (上巻)
二都物語を読み終え、
「あぁ〜面白かったぁ〜」と満足げに巻末の解説に目を通したら、
『一応フランス革命を舞台にはしているが、
さりとて社会史的な史眼などを
この作品に求めたら、
おそらく大失望であろう。』の一文。
えぇ〜そうなのぉ〜?!とちょっと悲しくなる私。
で、小説としてではなく、
史実として書かれた本を求め本屋で見つけたのがコレ。
フランス革命史〈上〉
興味深いのが、著者ミシュレの生まれた年代。
1798年パリの下町に生まれたミシュレ。
父親はナポレオン三世に反対して公職を奪われた人。
ミシュレが生まれた9年前に三部会が開催され、
バスチーユの一件があるのです。
なんと、ミシュレが生まれる数年前まで、
恐怖政治の時代だったのだから!!
ということで、ミシュレは生き証人たちから、
様々な情報を仕入れ、
この本を書き上げています。
私がウキウキしてしまうのは、
こういった生きた歴史を読んでいるというほか、
150年以上も前に書かれた本を読んでいる、
というタイムトリップ感が持てるコト。
教科書で見た、
またはうっすら聞いたことのある歴史上の人物が、
そこに生きて活動した人として描かれていることのワクワク感。
もうたまんない〜っ!
でもね、まだ上巻の終わりの方。
まだまだ下巻が残っているのです。
早く恐怖政治のあたりも読みたいのだけれど。
・・・・・読んでいる分には、
客観的に「歴史」として面白く読めるけれど、
絶対にこの時代のこの場所は経験したくないなぁといった感じ。
かなぁり殺伐とした恐ろしい世界です。
それにしても無知だったことの多いことったらっ!
ルイ16世やマリー・アントワネット、
私はあっという間に捕まって、
あっという間に処刑されたのだと思ってマシタ。<(;~▽~)
いやいや、イロイロあったんですね〜。面白いっ!
・・・・・面白いなんて言っちゃっていいのだろうかと思うほど、
かなり残酷な側面を持った歴史だけれど、
それぞれの視点、それぞれの立場、
そして国内外から見たそれぞれの立場、なんてのがわかって、
やっぱり面白いんですよねぇ。
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フランス革命―歴史における劇薬
マリー・アントワネット―革命の犠牲になったフランス最後の王妃
アメリカとフランスの革命
死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男
世界の歴史〈15〉フランス革命
マリー・アントワネットとヴェルサイユ―華麗なる宮廷に渦巻く愛と革命のドラマ
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図説 フランス革命
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