発達障碍

2012年06月28日

障碍あるなしの分け隔てを持たない理由

今日私がツィッターにツィートした文章です。


私はレッスンをしていて、発達障碍と定型発達の分け隔てというものを一切感じません。発達障碍児だからこの物差しでこのアプローチ、定型発達児だからこの物差しでこのアプローチという使い分けがないということです。定型発達児にだって落ち着きのない子や理解力のつたない子はいます。(続


続き)落ち着きはないけれど理解力がすごく高い子だっているし、理解力はあるけれど体の使い方が不器用な子だっています。体の使い方は得意なのに理解力がつたなかったり。本当に人それぞれ。定型発達児だからといってこうアプローチすればいいという答えはないんですよね。(続


続き)自閉症スペクトラムの子にしたって、障碍名というカテゴリ分けは色々とあるけれど、特徴の組み合わせや強度の度合いは人それぞれ。この障碍名だからこう接すればいい、なんて簡単に答えが出せるわけではありません。こうしてみると、障碍のあるなしなんて関係ないんですよね。(続


続き)ということは、障碍がある子だからと気負う必要はないというコト。障碍のある子だから特別な視点でレッスンしなきゃいけないのかというと、そんな必要はないんですよね。障碍のあるなしに関わらず、レッスンの第一歩はその生徒さんを知ろうと思うことなのではと思います。(続


続き)生徒さんを知ることができれば、その生徒さんに応じたアプローチ方法を見出すことができます。障碍のある子のレッスンでは、その生徒さんをよく知ろうと強く意識するようになります。そして、その「知ろう」という視点を障碍のない子に用いると、障碍のない子へのレッスンもよくなるんですよネ。


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2012年06月19日

セミナー内容の詳細「あきらめないで!ピアノ・レッスン」発達障害児に学ぶ効果的レッスンアプローチ

【ネットでセミナー公開中/無料動画配信】

どんな子にも自在にレッスン!
悩みを解消するための3つの視点

発達障碍児から得た指導法は、障碍のない生徒さん、経験値のある大人の生徒さんにも使える引き出しばかり。アプローチを生み出すための”視点”の持ち方さえわかれば、どんな子がやってきても自在に対応することができるようになります。

http://musestown.livedoor.biz/archives/cat_50036917.html




※以下は、全国へ赴いてお話させていただいたときの内容です。現在は無料動画配信、『ネットでセミナー』という形に変え、全国へ赴いてのセミナーは開いていません。m(__)m


あきらめないで!ピアノ・レッスン

≪発達障害児に学ぶ効果的レッスンアプローチ≫ 打てば響く3つの視点
〜個性を知る・理解力を知る・身体能力を知る〜


【ピアノレッスンのスタンス】

・障碍名に固執しない
例えば自閉症には知的障碍を伴った自閉症もあれば、知的障碍を伴わない自閉症もある。また、自閉症といえば言語の発達に遅れがみられるのが特徴だが、中には遅れがみられないアスペルガー症候群などもある。これらをひっくるめて自閉症スペクトラムと呼ぶが、その中には自閉症の特徴を少しずつかいつまんでもらっている広汎性発達障碍という障碍名もある。また、当日お配りしたレジュメには自閉症の特徴をずらりと箇条書きにしているが、これらの特徴すべてを併せ持つ子はそうそうおらず、ほとんどの子はその中のいくつかの特徴がみられるという子ばかり。しかも、この特徴は強くみられるが、この特徴は少ししかみられないなど、その特徴の度合いはそれぞれ異なる。10人いたら10通りの個性があり、障碍名について知ろうと思ったところで良いレッスンはできない。障碍名を知ろうと思うのではなく、その子と向き合い、その子自身を知ろうと思うことが、レッスンの第一歩だと考えている。

・音楽療法ではない
音楽療法は発達を促すために音楽を利用する“療法”である。「うちの子の発達を促してください」とやってくるお母様は1人もいない。音楽が大好きな子どもにとってピアノが人生の支えになってくれたらと願い、みなさんピアノ教室へやってくる。そのため、私の指導スタンスは障碍のない定型発達の生徒さんと全く同じ立ち位置である。


【観察】

幼児教育では子どもを観察し、子どもたちがどのような発達段階にあるのかを分析し、それに応じた環境を整えるという考え方がある。私はその視点をピアノ教育に応用している。

・できることを教える
私が一方的にこの子ならできそうと思うことではダメで、生徒さん自身に「僕、それならできそう!」と思ってもらえることをレッスンアプローチとして提示していく。生徒さん自身に「それならできそう!」と思ってもらえることは何なのか?それを知るために生徒さんを観察する。そのための3つの視点が個性、理解力、身体能力を知る、である。

・個性を知る
時間にこだわりを見せる自閉症の生徒さんが、レッスンが時間通りに終わるか不安でちらちら時計を見ることに対し、「時計ばかり見ていないでレッスンに集中しなさい!」などという声かけを私がしてしまったら、この子と私の信頼関係は築けなくなってしまう。この人は自分を理解してくれない、信頼できない人だと思われてしまったら、生徒さんの私の声かけに対する受け入れ口はあっという間に閉ざされてしまう。そうなると、私がどんなに心を尽くして声かけしたところで、すべて跳ね返されてしまい、レッスンがうんでもないすんでもないと、一歩も前へ進まなくなってしまう。生徒さんの私の声かけに対する受け入れ口を広げるため、私はその子自身を知ろうと思う。個性を知るという視点はレッスンの第一歩、生徒さんの受け入れ口を広げることである。生徒さんが抱えるバックグラウンドを理解してあげた上で声かけするのと、全くそういうものを見ようともせずに一方的にレッスンするのでは、定型発達の子でも私の声かけに対する受け入れ口は変わってくる。打っても響かないなどということはなく、私の声かけ次第で打てば必ず響くと私は信じている。

・理解力を知る
ピアノ指導する上で知っておきたい生徒さんの理解力。文字はどの程度読めるのか?ひらがなしか読めない子にカタカナを交えて説明しても理解してはもらえない。数字に出会ったことのない子に、突然指番号を教えたところで生徒さんはチンプンカンプン。発達障碍の子には記憶力の弱い子というのがいるが、暗譜ができない子に対し発表会があるからと無理やり暗譜させようとすることに意味があるのか?また、生徒さんの注意力がどの程度あるのかを知らずに、生徒さんの注意をひくレッスンは不可能である。発達障碍の子の中には図形が弱く、線上と線間の音符の区別がつかない子がいる。こういう子に5線のドレミファソを教えたところで、原点である線上と線間の区別がつかないので生徒さんはわけがわからないだけである。このように図形の弱い子は鍵盤把握も苦手である。私たちが88鍵盤からドの鍵盤を導くことができるのは、2つの黒鍵と3つの黒鍵の不平等があるからだが、この区別がつかない子にドの鍵盤を探し出すことはできない。線上線間の音符にしても、鍵盤の把握にしても、それぞれの区別がつくまでに成長してからアプローチすればよいことと私は思う。また、発達障碍の子は焦点を定めるのが苦手である。そのため、私は生徒さんの目の動きを観察しながらレッスンする癖がついた。生徒さんの焦点を一点に絞ってあげただけで、今までできなかったことができるようになる、ということが山ほどある。そのため、私は生徒さんがどの程度焦点を定めることができるのか、また、その焦点を導くためにどういうアプローチが可能なのかを常に探るようにしている。

・身体能力を知る
子どもは体の中心から外側に向かって発達していく。肩の関節が使えるようになると点を描き、肘の関節が使えるようになると直線を描き、手首が使えるようになると曲線を描く。最終的に曲線の描き始めと描き終わりが繋がり、円が描けるようになる。これは指が使えるようになったということである。この子どもの体の発達の最後にくる指を使う楽器がピアノである。そのため、定型発達の3,4歳の子がお教室へやってきたとき、その子がどの程度の体の発達段階にあるのか実験をすることにしている。テーブルの上にパーの手を載せてもらい、指の少し上を指して「この指動くかな?」と聞く。そうすると発達がまだ進んでいない子は他の指が動く。こういう子がピアノに向かうと何が起こるか?その子は3の指を使ってミを弾こうと思った。しかし実際に動いた指はその子の意に反して2の指で、鳴った音はレだった、ということになりかねない。また、自閉症の子の中には鉛筆が持てないほど筋力の弱い子というのがいる。ダウン症の子は筋力が弱いのが特徴で、ダウン症の子用のリコーダーが開発されているほどである。


【分析】

このように3つの視点を通して生徒さんを観察しても、すぐに生徒さんにできそうと思ってもらえることを提示できるわけではない。この大きな円を教えたいと思ったとき、3つの視点からまだこれは生徒さんに無理だと判断することになっても、私は“できない”と諦めるのではなく、この大きな円を分析し細分化した一部分を生徒さんに提示している。

できることを教える図

(この大きな円は、1つの楽曲、読譜、音の並びの把握、鍵盤の把握、リズムの把握、手の形、指の筋力、指のコントロール、あらゆる円が考えられるが、私はあらゆる円を分析し細分化して生徒さんに提示する。)


 ・指の強化の分析と細分化例
(『あきらめないで!ピアノ・レッスン〜発達障害児に学ぶ効果的レッスンアプローチ〜』ヤマハミュージックメディア、第3章133〜140ページ、148〜149ページ)

 ・指のコントロールの分析と細分化例
(同上、第3章140〜145ページ、149〜152ページ)


【時期を見極める】

小学2年生で線上線間の区別がつかなかった子がいた。この子が高校生になった頃、この区別がつくようになっていたので読譜へのアプローチを導入したが、5線を数えることができていないことがわかった。音符が何本目に刺さり、何本目に載っているのかが判別できなかったのである。そのため、読譜へのアプローチは時期尚早と判断し、その時点での読譜アプローチはすぐにやめた。その後、社会人になってこの区別がつくようになっていることがわかった。そこで、それまで時期尚早とやらずにいた色音符表と楽譜を見比べ、自分の力で色音符の楽譜を作成するという読譜へのアプローチを開始した。理解できることに喜びを覚え、色音符の楽譜を作成する楽しみに目覚めたこの子は、今では細かな音符、加線の音符がたくさん出てくる自分が弾く楽曲の楽譜を、お母さんの手を借りずに自分1人で色音符の楽譜に作成できるようになっている。現時点で無理でも、無理とあきらめるのではなく時期がくるのを待つ。丁度良い時期に丁度良いアプローチをするということが大切と思う。


【生徒さんの紹介VTR】

(1)げんちゃん
重度知的障碍を持った子。自閉傾向がある。発語がないためコミュニケーションがとりづらい。新曲への拒否反応が強く見られ、レッスン中よく寝ころぶ子だった。
 2003年/2004年/2005年/2006年/2007年

(2)りつくん
自閉症で、本に書いた自閉症スペクトラムの様々な特徴を持っている子。時間へのこだわりが強く、思春期には自傷行為が激しかった。
 2005年/2006年/2008年/(2009年)/2010年
  ※( )は、セミナー時間によってはカットの場合あり

(3)Sちゃん
通常学級に通っている、知的障碍を伴わない自閉症スペクトラムの男の子。感覚異常が強く見られた。饒舌な子だったので、自閉症の子の理解の仕方や物の見え方といったことを知る手掛かりをくれた子。
 2005年/2006年/2007年/(2008年)/2010年

(4)しょうくん
広汎性発達障碍の子。なんでも聴いた曲を耳コピーできるタイプの子で作曲をする。音量の概念は数値で理解し、音色や構成という概念は数年かけて少しずつ理解してくれた。(自閉症の子は、音量や音色という漠然としたものを理解するのが苦手なため。)
 2002年/2003年/(2005年)/2008年/2009年/2010年

(5)なっちゃん
軽度知的障碍の子。(小学3年生〜中学3年生までは中度と診断されていた)線上と線間の区別がつかない子だったので色音符でレッスンしている。小学生時代は嫌なことがフラッシュバックしやすく、数ヶ月前のことでもさっき起こったかのようにぐずりだし、一度ぐずるとなかなか気分を切り替えることができない子だった。
 2002年/2003年/(2004年)/2005年/2006年/2009年









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2012年05月23日

mixi「発達障害とピアノ」のコミュニティ〜レッスン報告トピック〜

仙台のかおる先生が立ち上げてくださった、
mixiの「発達障害とピアノ」というコミュニティ。
2010年12月に開設し、現在167名のメンバーが登録しています。
非公開制のピアノ指導者限定コミュニティなので、
気兼ねなく悩みを打ち明け合える環境です。
また、ハンドル名ではなく実名でのやりとりになるので、
ネットにありがちな場が荒れるということもありません。


・未就学児の生徒さん。
 レッスン計画を立ててレッスンに臨むものの、
 レッスンに集中してもらえない。
 (自閉症児とダウン症児)

・発語がなくていつもニコニコ顔の、人懐っこい生徒さん。
 ピアノのハンマーを確認するのが大好きで、
 レッスン中もしょっちゅうピアノを覗き込む。

・ダウン症の未就学児の生徒さん。
 レッスン中構ってもらえる嬉しさから遊び始める。
 自由にならないと頑なに拒否するので、
 毎回同じことの繰り返しになってしまう。
 教材を工夫すると全く違う遊びに持っていってしまう。

・小学5年生の生徒さん。
 真面目で一生懸命練習しているが、ものすごく不器用。
 弾き方もぎこちなく、いつもガチガチに固まっている。
 両手が一緒の動きをするものは弾けるが、
 メロディと伴奏になる両手奏が苦手で、
 思ったように指が動かせず、
 頭からの指令が上手く指先に伝えられていないように感じる。


こういったトピックがたくさん立てられています。
自分以外にも思考錯誤しながら頑張っている先生がいるのだと、
勇気づけられたというメンバーもいらっしゃいます。
1人では解決できないことも、
みんなでアイディアを出し合えば、
そこから光が差し込んでくるのでは〜と思います。

悩みから脱出し、生徒さんとの関わりを心から楽しめるようになる。
このコミュニティはそんなコミュニティです。
管理人は仙台のかおる先生です。
ご興味のある方は、こちらへどうぞ♪

mixiのコミュニティ
「発達障害とピアノ」
ピアノ講師限定、非公開制
mixiは招待されなくても
登録できます。
http://mixi.jp/



*** 最近私が「レッスン報告トピック」に投稿した文章 ***

こんにちは。中嶋です。

何度かここに出てきている自傷行為のある子。
ここのところ思春期を乗り越え、少しずつ落ち着いてきて、
レッスンらしいレッスンができるようになってきました。

今日はとても落ち着いていたので、
音量についてのレッスンをしました。
実は、音量についてレッスンするのは2,3年振りのこと。
ここ2,3年は思春期に振り回されて、
自傷行為が激しかったので、
そういったレッスンはできなかったのです。

2,3年前にした音量の変化は、
フォルテとピアノにとどまったものでした。
(クレッシェンド・デクレッシェンドは経験していませんでした。)
ただ、この子の場合音量の概念がすぐに伝わり、
音の大きさの変化を理解できない、ということはありませんでした。
大きな音、小さな音、という変化を楽しんでくれていたのです。

そして、今日。
久々に音量変化のレッスンをするにあたり、
理解力も増していたので、
楽譜からそれぞれの記号を読みとるところからレッスンを始めました。
楽譜に書かれたフォルテやピアノの記号をチェックし、
それぞれの意味をノートに書き、
実際に半ページ弾いて見せました。

この子は弾けるようになると、
「繋がった!!」と部分練習をしたがらないタイプの子です。
この時も、音量の変化についてすぐ理解できたため、
最初から最後まで弾きたがり、
説明した半ページを通り越して、最後まで弾き続けました。

そこで、こりゃ音量について一気に最後まで説明しないと、
納得してもらえないな、と思い、
一気に2ページ分楽譜をチェックしながら、
音量の変化について説明しました。

ここからがすごいんですよ。
半ページ以降は、私は弾かずに説明したんです。
でも、この子は楽譜にチェックしながら説明したものを、
すべてその1回の説明で理解し、記憶しちゃったんですよね。

その後、暗譜したまま最初から最後まで、
1つも見落とすことなく、
音量に変化をつけて弾いてくれました。
今回は、2,3年前には経験しなかった、
初めて経験するクレッシェンドとデクレッシェンドもあったのですが、
これも見落とすことなく変化を付けて弾いてくれました。

この子は昔からこういうところがあるんですよね。
パズルのピースがはまったかのように、理解がスパッとはまるときがある。
そういうときは一発でできちゃうんです。
理解できても、技術的に難しくてできないことが多々あるのですが、
この音量変化については技術的にそれほど難しくなかったのでしょう。
クレッシェンドなど難しいかなと思ったのですが、
理解が即感覚に結びつき、弾けたようです。

それにしても、なんて羨ましい記憶力!!(笑)
たった1回の説明で全て見落とさずに弾けるだなんて。
きっとこの子にとって、
音量の変化というのはとても魅力的なものなのだろうと思います。
自閉症の子全てが、音量の概念を理解しにくいわけではないのだと、
この子を教えていると思います。
自閉症スペクトラムの子にもイロイロですね♪


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2012年03月22日

mixi「発達障害とピアノ」のコミュへのススメ

mixiに「発達障害とピアノ」というコミュがあります。
私はここで副管理人をしています。
仙台のピアノ指導者かおるさんが発起人で管理人です。
現在152名のピアノ指導者がメンバーです。
ピアノ指導者であれば誰でも登録可能。
内容は非公開なので、投稿しやすく暖かな雰囲気のコミュですよ。
 ※ただし、ネット特有の場が荒れることを防ぐため、
 メンバー登録には本名・住所の明記が必要です。
 (登録に必要なだけで他用はしません。
  この管理は管理人だけが行っています。


最近私が書き込んだ投稿、両手奏が苦手な子のレッスンについて。
ユニゾンでは弾けるし、楽譜も読める。
だけど、左右バラバラに動く両手奏が苦手、という生徒さんへのアプローチについてです。



【歌詞を用いる】

右と左のドレミが別々。これが混乱の元と感じています。特に、自閉症の子はこれで混乱しがちな気がしています。例えば、私は両手奏前に必ず左手を弾きながら右のメロディを歌ってもらう、というワンクッションを入れるのですが、自閉症の子の中には混乱する子がいるんです。左手で弾くドレミと、歌うドレミが違うからです。そのため、こういう子には歌詞を付けることにしています。

歌詞を付けるルールは2点。
・1音に1文字。
・歌いやすいメロディに合った日本語高低アクセントで歌詞を付ける。

左手を弾きながら、歌詞でメロディを歌います。その際、目で具体的に理解できるよう楽譜を指してあげると理解に結びつきやすいです。

・歌に合わせて、左手の楽譜を指す。
・左手のリズムに合わせて、楽譜を指している指を動かしてみせる。

アプローチの段階は2つに分けています。

〆玄螢螢坤爐鮹,ながら、歌詞で歌う。
∈玄蠅鮹討ながら、歌詞で歌う。

これと同時進行で、

・右手を弾きながら、歌詞で歌う

にも挑戦してもらいます。

多分、,虜献螢坤爐鮹,ながら歌うだけでも混乱するのではと思います。まずは、一緒にやってあげること。もしくは、一度やってみせることがお勧めです。何度も何度も見せてあげることで、理解が深まっていきます。

いずれのアプローチも、必ず楽譜を指で追ってあげてください。楽譜とリズム、楽譜と音の兼ね合いというものが、見た目で理解しやすくなるので、必要なアプローチと思います♪


【ドレミで左右同時に読む】

ほとんどの生徒さんは、前述の方法で両手奏へのアプローチをしていますが、1人だけそれでは無理な生徒さんがいました。この子には、両手同時にドレミで歌う、というアプローチが理解しやすく、以下の方法で両手奏ができるようになりました。

(例)
右 ドレミー、ドレミー、ソミレド、レミレー
左 ドーーー、ドーーー、ドーーー、ソーーー

このような楽曲があったとき、弾く前にドレミで歌ってもらいます。歌う方法は、左→右の音名を歌います。

ド(左)ド(右)レミー、
ド(左)ド(右)レミー、
ド(左)ソ(右)ミレド、
ソ(左)レ(右)ミレー

といった具合です。
このとき、歌いながら必ず楽譜の音符を指してあげます。
両手奏のとき、私は両手の兼ね合いがわかるように、
必ず2本の指で楽譜を指してあげるようにしています。

左手で楽譜を指してあげる場合、
人差し指は左手のリズムを、
中指は右手のリズムで動かします。
このことで、楽譜とリズムの兼ね合いというものを理解しやすくなります。


前述の方法にしても、後述の方法にしても、目で見てわかりやすくする、がコツなのかもしれません。指が不器用という以上に、この両手の兼ね合いというものを理解していないのだと感じるからです。というのも、指が不器用であれば、左右別々の指が動くユニゾンは無理と思うんですよね。ユニゾンができるということは、左右別々に指が動くということ。本来、右1の指を動かすとき、動かしやすいのは左1の指です。しかし、ユニゾンは右1の指を動かすとき、左5の指を動かさなきゃいけない。それができるということは、運動機能が弱いというよりも、理解力の問題という気がするんですよ。

コツは、いかに理解してもらうか!というアプローチと思います。両手奏というのは、

・左右違うドレミを弾く

ということが理解できていないと混乱してしまいます。右がソで左がドの場合、メロディは「ソ」なのに、なんで「ド」なの?!から抜け出せなくなってしまい、混乱しちゃうんです。

ところで、最初の方法が身についたら、左を弾きながら右メロディをドレミで歌うに挑戦するのもありかな、と思います。ただ、これで混乱してしまう可能性も高いです。混乱してしまうようでしたら、しばらくはすべての楽曲に歌詞を付けてあげる、というのがよいのでは〜と思いますヨ。



補足です。左を弾きながら歌詞で歌う感覚が、わからないときがあります。とっかかりですね。そのとき、導入として以下の道程をたどることにしています。

〆玄蠅鮹討ながら歌ってみせる
弾いてみせる左手に、生徒さんの左手を載せてもらい、
 その状態で左手を弾きながら歌ってみせる。

「1人でやってみる?」という声かけへの反応が悪いうちは、しばらく△鬚笋辰討△欧泙后2薪戮やってあげるうちに、「やってみる」という反応が返ってくるのでは〜と思います。そういうときは、かなりの確率で出来る状態になっているときです。

これと同じ方法を、両手で弾くことに挑戦するときもやります。

[昭蠅撚里い覆ら弾いてみせる。
弾いてみせる両手に、生徒さんの両手を載せてもらい、
 (指導者の右手に生徒さんの右手、指導者の左手の生徒さんの左手)
 その状態で両手で弾いてみせる。

これも「1人でやってみる?」という声かけをしてみます。何度やっても無理そうな場合は、1小節だけ,鉢△鬚笋辰討澆擦泙后この程度なら記憶できるので、「1人でやってみる」に繋げやすいです。

手を載せるコツですが、指導者の親指の上には生徒さんの親指を、指導者の人差し指の上には生徒さんの人差し指を載せます。指の動きがわかりやすいように、わざと大げさに指を動かして弾いてあげます。

やっているうちに、生徒さんの指が反応するのを手に感じるはずです。生徒さんの指の反応が、曲の動きに合っていると感じることができるはずと思います。そのときが、「1人でやってみる?」という声かけのタイミングです♪

この「感覚」と「理解」へ訴えかける両手奏アプローチ方法ですが、これは楽譜が読めない生徒さんにも可能ですヨ。使用楽譜は色音符です。音符に色がついていようがいまいが、

・理解を求める

は必要なことと感じています。色音符や色の付いていない音符を通じて、音の動きを理解してもらうということです。それと同時に感覚へも訴えていきます。感覚と理解のリンクが大切と感じます。


※色音符作成法
楽譜の音符を色鉛筆で丸く囲むだけです。ドは赤、レはピンクなど、生徒さんに色を決めてもらうと記憶に繋がりやすく楽しいですヨ♪ 次にやる曲の楽譜を、事前にお母様に色で囲んできてもらいます。


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2012年01月14日

SYOTAの部屋更新『安らぐ冬』

広汎性発達障碍の高校生の男の子。
SYOTAくんの作品をアップしているSYOTAの部屋を更新しました。
昨年クリスマス会のための作曲してくれた曲です。





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2012年01月12日

友達の刺激を受けて伸びる自閉症スペクトラムの女の子♪

レッスンでイヤイヤ虫がつきやすいタイプの女の子。
習い始めの頃は、イヤイヤ虫だらけで、
なかなかレッスンを前へ進めることができなかった子です。
ところが、お教室の行事に参加するたび成長してくれるのです。


【1年目発表会】

発表会でお友達の演奏を見て、
ピアノを弾く、ピアノを習うということがどういうことなのか理解してくれました。
そのことで、イヤイヤ虫が激減。


【2年目発表会】

1年目のときは、ドレスを着るのを頑として嫌がっていたはずなのに、
この年はピンクのかわいらしいドレスを着ていました。
前年お友達のドレスがうらやましかったようです。(笑)
他のお友達が2,3曲弾いていたのを見て、
「私も2曲弾く!」とやる気満々。


【3年目発表会】

頑として嫌がっていた連弾ですが、
他のお友達が連弾しているのを見て、
これまたうらやましかったようす。
「○○ちゃんと弾く!」と自らリクエストしてくれ、
お友達の自閉症の女の子との連弾が叶いました。
さすがに「練習しなきゃ」と思ってくれたようで、
連弾曲の仕上がりも早かった!

個人レッスンではイヤイヤ虫が出るような状況でも、
連弾のレッスンのときは一切そのような様子を見せずに、
緊張した面持ちながら、
楽しそうにレッスンを受けてくれたのが印象に残っています。


【3年目クリスマス会】

昨日は、クリスマス会後初のレッスンでした。
これまたぐんっ!と成長♪
私のお教室では「がんばったで賞」という賞を半年に1回あげています。
毎月目標をクリアするとゴールドシールがもらえます。
3枚以上ゴールドシールをためると”がんばったで賞”がもらえ、
6枚すべてためると”パーフェクト賞”がもらえるのです。

がんばったで賞にもパーフェクト賞にも賞品がつきます。
パーフェクト賞の子はがんばったで賞の賞品とパーフェクト賞の賞品、
合計2つの賞品がもらえるんです。
でね、パーフェクト賞がとてもうらやましかったらしくて。(笑)

普段家での練習がなかなかできない子で、
今は週に3日決まった曜日に練習しているのですが、
気分が乗らない週は1日しかできなかったり・・・という子なのです。
なので、冬休みは練習していないだろうな〜と思っていたんですヨ。

ところがところが、予定していた6日間しっかり練習していたのです。
「すごいじゃぁ〜ん!!」
と私が驚いていると、
「パーフェクトもらうから。この間もらえなかったから。」
とのこと。

どうやら何が何でもパーフェクト賞が欲しいらしい。(笑)
ようやく、この賞状と目標の意味をわかってくれたようで、
これからは毎月集めるゴールドシールが、
この子を上達へ導いてくれることと思います。

最近は弾きたい曲が出てきて、
もう小学5年生だし、教材曲だけじゃなくてもいいか・・・と、
この子が弾きたい曲の楽譜を探して、練習し始めています。
ポピュラーの楽譜って意外と難しいですよね。
バイエル中級くらいの子なので、
簡単にアレンジされていても、やっぱり難しい。

先日のレッスンで、
「これ難しいよぉ〜」と弱音をはいたので、
「自分で選んだ曲じゃん〜!
弾けるようになりたいんだったら、やるしかないヨ。」と私が笑いながら答えると、
一切イヤイヤ虫を見せることなく、
私の言葉に笑いながら、
「そうだよね〜」と答え、レッスンに挑戦してくれたのです。


以前のこの子であれば、
イヤイヤ虫がついちゃって、
やっぱりやめる・・・と、この曲への挑戦をあきらめていたところです。
なのに、今はもう挑戦できるんですよね。

先生の声かけなんてたいしたことないんだよなぁと、
この子の成長に出会うたび思います。
一番威力があるのは、
同じ年頃の子との付き合いだと思うからです。
うちのお教室には小学4年生の定型発達の女の子が2人いて、
この子はその子たちとすごく仲良くなったんです。
それがこの子を飛躍させてくれている気がします。

また、同じ自閉症の中学生の女の子との連弾の経験も、
この子にとっては大きな経験でした。
そういったいろんなお友達との出会いが、
この子を伸ばしてくれているんですよね。

この子に限らず、
障碍のあるなしにかかわらず、お友達の存在って大きい!
お教室の雰囲気作りも指導の一環と、
しみじみ思わされます。


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