クラシック
2011年09月15日
音大に進んでもつぶしがきかない?なんて思っている人にお勧めの1冊
面白い本のゲラをいただいたと、
本を紹介するブログ記事を書きました。
http://musestown.livedoor.biz/archives/51964367.html
実は、もう1冊いただいた本があったのですヨ。
こちらはゲラではなく、もう発売中の本です。
これがね、面白いんだなぁ〜。
ピアノ業界に身を置く人間にとっては、
とてもとってもとぉ〜っても興味深い内容なのではと思います。

著者:新村 昌子
ヤマハミュージックメディア(2011-08-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
音大生のための〜と書かれていますが、
これ、読み物としても充分に楽しめます。
著者の文章が面白いんですヨ。
その上、著者の経歴の面白いことったら。
(人様の経歴を面白いだなんて・・・ゴメンナサイ!)
そもそも私は、
もし音大に合格してもプロの演奏家としてやっていくことは無理だろうし、
どんなレベルであれ演奏を仕事にできるような才能はないな、
と割と早い時期から自分の能力は見切っていました。
さらに漠然とですがなんでもいいからバリバリに
「仕事」がしたいとも思っていました。
そういうわけで、念願の武蔵野音楽大学ピアノ科に入学したものの、
実は入学したときからあまりピアノの練習をしなくなっていました。
大学では、ピアノの練習や授業をサボって図書館で本を読み漁り、
オーディオ室で手当たり次第にレコードを聴きまくる毎日でした。
早稲田大学の多重録音芸術研究会という音楽サークルに入って、
夜中までシンセサイザーをいじりまわしたり、
進研ゼミの小論文添削(通称赤ペン先生)のアルバイトに没頭したりしていました。
ピアノ科にまで進み、かなりの変わり種。(笑)
そんな著者の経歴。
就職活動に熱を入れるも、数十社すべて不採用。
↓
音楽教室の講師
↓
ピアノを教えながら、中途採用試験を受けまくる
↓
日本フィルハーモニー交響楽団事務局にアルバイト待遇で採用される
↓
ポリドール・レコード(現ユニバーサルミュージック)の中途採用試験に合格。
ドイツ・グラモフォン・レーベルを担当し、その後日本人アーティストのディレクターとなる。
↓
結婚退職し、フリーで日本コロムビアなどのレコーディング現場のアシスタント・ディレクターをする。
↓
ネットワークレコード(洋楽系インディーズ・レコード会社)の契約社員となる。
↓
高嶋音楽事務所でマネジメントの仕事を手伝う。
近藤嘉宏さん、青柳晋さん、幸田さと子さん、加羽沢美濃さんなど、
アーティストの活動をサポート。
この経歴に惹かれないわけがないでしょ?
でもね、音楽業界で転職というのは珍しいことではなく、
こんな風に転職を重ねている人は当たり前にいるようです。
ご自身の経験談を交えながら、
クラシック音楽業界についての紹介や、
音大生が狙い目の仕事は何なのか、
就職後に役立つ知識などが語られていきます。
また、業界へのアプローチ方法なんてのも面白かったですヨ♪
この本の有意義なところは、
実際に現場で働いている音楽大学出身の方々のインタビューが載っていること。
いやぁ、すごい経歴の方だらけなんですよぉ〜。
考えてみれば、私の書籍担当の方もそのお1人。
小さな街のピアノ教室だって業界を支える大切な土台ですが、
こういう方々が、日本の音楽界を支えてくださっているんだなぁ、
なんて感慨深いものがありました。
ちなみに、この本で語られている音楽業界の仕事はこんな感じ。
・オーケストラ事務局
・レコード会社
・音楽事務所
・パブリシスト
・ホールスタッフ
・ステージディレクター
・放送局
・出版社
・ピアノ講師
・楽器店販売
・CDショップ
・エンジニア
・写譜
レコード会社や音楽事務所などは、
もっと細分化されて詳しく紹介されています。
第3章の希望の仕事にめぐり合うための自分の磨き方は、
耳が痛いというか、
私もこんな風に自分を磨いていきたいな〜と思えるような内容で、
最後まで面白く楽しく読んだのでした。
音大に行ってどうなるの?
つぶしなんてきかないでしょ。
と心配している親御さんに勧めるのもいいかも。
実際私のお教室で1人、この本を勧めた親御さんがいらっしゃいます。
お父さんに読ませたい!とお母さんが息巻いてました。(笑)
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2010年09月13日
浴びることで自由になる
浴びるほど聴く・・・なのですヨ。
こういう時期を持つって、すごく重要だなぁと。
とにかく数を聴く!です。
しかも、ピアノ曲に限らない。←ココ重要かも。
言葉にはできない感覚的なものを学ぶには、
これしかない!と思うんです。
特に様式感。
こればっかりは弾くだけじゃぁどうしようもない。
浴びるほど聴くことで感覚的に身に付く
・・・そう感じます。
例えばインベンション。
この曲ばかり聴いたって、う〜ん、あんまりね。(笑)
この曲ってバロック時代にあってちょっと特殊なんですよね〜。
でも、器楽曲なんかをしっかと聴いていると、
ダンスなのか、ソナタなのか、アリアなのか・・・そこいら辺が見えてくる。
それからバロック独特の終始のカデンツによる句読点。
そこいら辺が感覚的に見えてきて楽しさが倍増します。
初めて浴びるほど聴くときって、
どんな風に聴けばよいのかなんてわからないものですネ。
だから、とにかく浴びるほど聴くしかない。
広い範囲でピアノという楽器にとどまらずに、
同時代の様々な楽曲を聴くとあっては、
範囲が広すぎて聴いたものをどう自分の演奏に活かせばいいかなんて、
最初のうちはわかりっこないのですヨ。
でもね、聴きまくっているうちに自分なりの聴き方がわかってきて、
それをどう自分の演奏に活かせばよいのかが見えてくるんです。
とにかく、聴きまくる。浴びまくる。
最初は楽しくないかもしれないし、わけがわからないかもしれない。
それでも、聴きまくる。浴びまくる。
そうしていくうちに楽しくなる。わけがわかってくる。
人間の脳みそって不思議デス。
私は古楽が大好き。
古楽に目覚めたこと、とても感謝しています。
バロックの世界がぐぐんと広がりました。そしたらね、
他の時代も見えてきたんですヨ。
やっぱりバロックって基本なのかなぁ。
バロックが見えてくると、
これまで見えてこなかった近現代、
ロマン派、古典派が見えてくる。
わからないことほどつまらないことはないと、こういうとき思います。
わかるまでは辛かったりするんだけれど、
わかりはじめると楽しくてたまらなくなる。
いろぉんなことが見えてきて発見することが多くなって。
わからないことだらけのときの発見頻度より、
わかるようになってからの発見頻度の方が高いような気がします。
発見できることが多いってほんっとうに楽しい。
とても新鮮で感動的。
ところで、この浴びるほど聴くの”浴びる”は、
聴くだけに使えるものではありません。
”浴びる”というのは焦点がない分最初はわかりづらいけれど、
多面的に立体的に広範囲を享受することができるので、
真似ではなく応用に発展させることができるんですよね。
例えば、公開レッスン。
1曲1曲のレッスンを1つ1つ事細かにメモしていたって、
応用できるはずがないんですよね〜。
その先生のその楽曲に関する解釈がわかるだけ。
その上、そのレッスンを受けている生徒さんに合わせた情報しか入ってこない。
だから、その情報がそのまま自分の練習や自分の生徒さんに使えるかというと、
全く同じ楽曲で、全く同じタイプの生徒さんにしか通用しないということになり兼ねないのデスヨ。
”浴びる”というのはそういう視点で聴講することではなく、
公開レッスン全体を眺める・・・ということ。
公開レッスンを聴講するとき、
自分の興味のある楽曲だけ1人2人聴講するんじゃぁ、
正直聴講の意味などないだろうと、私は思うのですヨ。
続けてババババ〜ッと全ての生徒さんのレッスンを聴講する。
これが”浴びる聴講”。
そうすることで全体の共通項が見えてくるんですよね。
私はその共通項が見えてきたとき初めて、
「いただきますっ!」とありがたく享受したものを実感することができるのデス。
”浴びるほど弾く”こういう時期も大切。
ちょっと変な言い回しですが。(^_^;)
例えば、ドビュッシーを練習しているのだとしたら、
浴びるほどドビュッシーのいろぉんな楽曲を弾きまくる。
とことん仕上げる必要なんてないんです。
ただ浴びるほど弾くことが大切。
そうすると1曲弾いただけでは見えなかったことが見えてくる。
聴くにしても、弾くにしても、勉強するにしても、
”浴びる”っていうのは、数をこなすってことですネ。
数をこなさないと見えてこないことというのは、
言葉で説明したところでどうしたって伝わらないことで、
とても個人的なとても感覚的な学びだと感じます。
でも、この感覚的なことがとってもとっても重要なことで、
これがないとたぶん・・・自由にはなれないんだろうなぁと思うのデスヨ。
ってことで、今私はベートーヴェン月間。
ベートーヴェンを浴びるほど聴こう♪
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2006年08月27日
練習方法(時間について)
最近、自分の練習で気をつけているコト。
それが「時間」の使い方です。
一気に練習しようと思えば、
確かに3時間くらいガガァ〜とできちゃうものです。
でもね、その間の集中力はどうなのか?
たぶん1時間半後には半分の集中力になっているはず・・・。
ってことは、残りの1時間半無駄にしてるってことなんですよね。
時間が過ぎていくほど、流れ作業のような練習になってしまう。
そこで、まだまだ集中が続きそう!と思っても、
1時間ほどしたら休憩を入れるんです。
たった5分でもいいので、
コーヒーやお茶を飲んで過ごします。
その後改めて練習に向うと、
再び集中力が高まるんですよね〜。
集中力が高まると、無駄な練習にならなくてイイ!
惰性で指が動いているだけの練習ほど怖いものはありません。
こういう練習を続けていると、
本番絶対不安になる・・・と経験済みなので・・・。<(;~▽~)
3時間の間に、5分休憩を2回入れるだけで、
休憩を入れない練習の数倍練習した気になります。
脳がクリアな状態で練習できているからかな?
あ〜ぁ〜、それにしても私って、なぁんて不器用!!!
バッハやってると指も脳も、なぁんて不器用!!!
地道さだけが私を救う?!
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