読書

2008年05月12日

頭をクールダウンさせる

先日茂木健一郎のこんな本を読みました。

脳を活かす勉強法

ピアノを教えるにあたって、
ずっと考え続けてきたことや、
試行錯誤し続けてきたことが、
ここにまとめて書いてある・・・そんな感じの本でした。
で、ほうほう・・・と思ったコト。

本を読むということは、
脳をクールダウンさせるということ。

・・・なのです。
え?本って脳を使うんじゃないの?と思った私。
人と会って会話をすると、
脳のいろんな部分が反応するそうです。
でも、本を読むときは、脳の一部分が活動しているだけだそうな。

でね、これを体感したのですヨ。
ここのところ、とにかく忙しくて忙しくて。
心に余裕が持てないほどに忙しくて。
で、読みたくなっちゃった本。

気づいたのが、本を読むと気持ちが落ち着く・・・ということ。
わずらわしい音を遮断して、ただひたすら本を読む。
すごく気持ちがイイ!!
どうやら読書は気分転換になるみたい。
とにかく心が疲労してきていたので、即行効き目を感じました。

で、今読んでいる本がコレ。

ホメロス オデュッセイア〈上〉 (岩波文庫)

『イリアス』を読んだ直後に購入したまま、
ずっと読めずにいた本。
これが面白い。
『イリアス』よりサクサク読み進めることができます。
『イリアス』で慣れたというのもあるかもしれないけれど、
『オデュッセイア』は物語なんですよね。
民話というか、神話というか。

『イリアス』のほうが、幾分文体が堅くて、
文芸作品というか・・・重みを感じる文体なのですが、
こちらは「で、どうなるの?」という展開を楽しめるので、
どんどん読み進みます。

風邪を引いてしまったこともあり、
今日病院で薬をもらってきた後、
ずっと読書してマシタ。
かなぁり脳がクールダウンした気がします。
あれやこれや、と頭をフル回転させたときは、
こうやって静かに1点集中できる読書がいいのですね〜。

で、茂木健一郎のこの本ですが、
ピアノ講師の方々にお勧めの本です。
ピアノ講師といわず、指導者には使える知識かも・・・と思いマス。


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2008年02月11日

手塚治虫『ネオ・ファウスト』

一気に読んでしまいマシタ。マンガなので・・・。



本ばかり読んで頭がどっかに行っちゃいそうですが、(^_^;)
どうにもこうにも止まらない衝動があるんですね〜。
だから、もうしばらくこんな自分に付き合おうと思ってイマス。

手塚治虫は、生涯に渡りファウストに関わり続けました。
20歳の頃の作品『ファウスト』、
42歳の頃の作品『百物語』、
そして今回私が読んだ『ネオ・ファウスト』は、
第2部の冒頭が描かれたまま未完に終わっている作品です。

全作品を読んで感じたコト。
『ファウスト』『百物語』と 『ネオ・ファウスト』の間には、
大きな隔たりを感じるということです。
前2作は「罪」という言葉よりも、
「努力」という前向きな言葉に重きが置かれ、
暗い影をあまり感じない暖かさのある作品なのですが、
『ネオ・ファウスト』からは厳しさを感じるのです。

啓蒙思想をバックに国家の理想論、
人間の自由と宗教や倫理観について議論されていた時代の
ゲーテによるファウスト。
一方啓蒙思想により文明化が推し進められ、
神の創りたもうた世界を一瞬にして破壊してしまうほどの威力を持つ、
核を生み出した時代に生まれた、
手塚治虫によるファウスト。

こうなってくると不思議と思い出されるのが、
先日読んだドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』。



ここには自由とは何か?というテーマも内在していたように思うからです。
いつの時代も人間は知的好奇心が旺盛で、
知らないことを究明したいと望むもの。
そして、それが生きる活力となっているのでしょう。
18世紀、人々は権力からの物理的な自由だけでなく、
知識欲を満たし文明を推進させる、宗教からの精神的自由をも求めました。

それ以降、人間は自由と倫理観・宗教観を天秤にかけ、
その狭間でゆれ続けているように見えます。
どこまでが倫理的な自由で、どこからが欲望という人間の業なのか。
私が手塚治虫の現代ファウストを厳しい作品だと感じた要因は、
そんなところにあるのでしょう。

それにしても手塚治虫の『ファウスト』が、
第2部の冒頭で未完に終わっていること、
本当に残念でなりません!
生前手塚治虫が語った構想では、
ゲーテに見られた「救済」をこの作品に取り込むかどうかで、
悩んでいたとのこと。

何をしても神に祈りさえすれば、
神を信じさえすれば許しが得られ救済されるのか?
現代社会はあまりに文明が発達しすぎてしまい、
人間模様も精神性も以前とは比べ物にならないほど複雑。
自由を求めすぎ、何が善で何が悪なのかその境目があいまいになり、
科学は人類を豊かにする一方で、人類破滅への道にも通じているのです。

マンガなのに、とってもとっても奥が深い!
考えれば考えるほど迷路に迷い込んでしまう。
だから、私の感想ブログも、
こんなに乱文なのですネ。(^_^;)お許しを!
これ以上自分の気持ちをまとめ切れない・・・とほほっ。


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2008年02月10日

ホメロス『イリアス』を読んで・・・

ホメロスの『イリアス』を読み終えました。




ホメロスは紀元前8世紀頃の人だと言われています。
それまで語り継がれてきたことを引用しながら、
ホメロスが創作したと言われているのがコレ。
ギリシャ叙事詩最古のものだそうです。

戦いの様子や、当時の習慣など、
興味をそそられる箇所がたくさんありました。
これら戦闘のあり方や、武器の種類など、
ホメロスの時代のものなのか、
それとも当時すでに語り継がれていた、
ずっとずっと以前のものなのか・・・まではわかりませんが、
どちらにしろ、私にとっては想像を絶するほど昔のものです。
 ・・・・これが史実だとするなら、紀元前1250年頃のことだと言われています。

これだけ想像を絶する昔にあって、
これだけ豊かな語彙を使い、
あらゆる事柄を比喩する想像力と発想力には、
本当に本当に驚かされます。

『この激戦の喧噪には、
吹き荒ぶ北風に煽られて沸き立つ波が、
沖合いから陸に向かって吼え立てる響きも及ばぬほど、
また山峡に火事が起こって、
木立を焼かんとする時、燃えさかる火の立てる轟音も、
あるいはまた、猛り狂ってこの上もなく激しく鳴りわたる風が、
梢の高い樫に吹き当たるその唸り声も、かほどとは思えぬ』

トロイエ勢とアカイア勢(ギリシャ軍)が、
互いに突き進むときのわめきたてる声を比喩したものです。
騒々しい叫び声と、すさまじい両軍の熱気、
五感を刺激されるすごい比喩ですよね。
こういった文章に、私は音楽を感じ取りました。
この感性の豊かさと、
自然界への眼差しとその深い観察力。
これが紀元前8世紀に詠まれたものだとは!!

ところで、このイリアス。
最初読み始めたとき、あれれ?と思ったことがひとつ。
物語が途中から始まっているのですヨ。
当時の人たちにとって、トロイヤ戦争は誰もが知っているもので、
その戦争のきっかけをわざわざ詠む必要などなかったのかもしれませんね。
『イリアス』はトロイヤ戦争10年目のお話なんです。

Rubens.bmp

この絵は、ルーベンス作(1577-1640)『パリスの審判』です。
描かれている女性3人は、ギリシャ神のアテナ、ヘラ、アフロディテ。

エギナ島の王ペレウス(人間)と海の女神テティスとの結婚式に、
争いの女神エリスは招待されませんでした。
怒ったエリスは「最も美しい者に送る」と書いた金のリンゴを宴席に投げ込みます。
 ・・・・神々の中に争いをもたらすことで怒りをあらわしたのですね。
そして、全能の神ゼウスの妃ヘラ、知恵と戦の女神アテナ、
愛と美の女神アフロディテ(ヴィ−ナス)が争うことになるのです。

ゼウスから審判をまかされたトロイの王子パリス(人間)に,
ヘラは世界の支配権を、アテナは戦での勝利を、
アフロディテはもっとも美しい妻を与えるとそれぞれがパリスに約束しました。
パリスはアフロディテを選び、世界一の美女スパルタ王妃ヘレネを得ます。

Giordano.bmp
ジョルダーノ作(1680-1683年頃)『ヘレンの略奪』

そして、王妃ヘレネを奪われたスパルタ王メネラオスは、
兄のミケーネ王アガメムノンと共に、
全ギリシャの英雄を集めトロイへ向かったのでした。

これがトロイヤ戦争の発端です。
このメネラオスとパリスの関係がわからないと、
文章に『ヘレネ』という女性の名前があらわれても、
なんのことだかさっぱり・・・ってなワケなのです。
また、戦いの場ではアテナとヘレが共謀し、
アフロディテを争いの場から追いやろうと画策します。
これら神々の敵対関係も、ことの発端がわからないと「?」ですよね。

イリアスを詠みきることができるか不安だったので、
オディッセウスは購入していなかったのですが、
興味は薄れるどころか高まるばかり!
ってことで、早速購入する予定デス♪

ところで、何故こんなにもギリシャ神話や文学に、
突然興味を持ったのか?
実は突然ってほどじゃないのですが・・・。
この本がきっかけだったのですヨ。

リヒテルは語る―人とピアノ、芸術と夢

何年か前に読んだんですが。
書いてあることの半分も理解できない自分がいて、
そりゃ〜ショックを受けたものです。
リヒテルの造詣の深さたるや!
ギリシャ神話や文学に驚くほど精通しているんです。
そして、ロシアピアノ教育では、それが当たり前なのだと感じたのでした。

私が中学の頃、キーシンが神童として日本にやってきました。
1学年違うくらいじゃなかったかな。
年がほとんど同じなんですよ。
そのキーシンが、愛読書はトルストイ・・・なぁんて答えてるぢゃぁありませんか。

中学生でトルストイ?!
あの頃の私にとっては、かなりの衝撃。
やっぱり本って読まなきゃなんだな〜と実感し、
中学生の私はトルストイを購入したのです。
でもね、途中で挫折。(笑)
本に慣れない中学生の私には、
とてもとても読める代物ではなかったのです。
購入したトルストイを最後まで読みきったのは、
高校に入ってからのコト。

リヒテルの本を読んで、このことを思い出し、
大して中学の頃と変わっていない自分を実感。
文学と音楽をどのように結びつけるのかすらわからない始末。
その上、読書は好きだけど、
読んだほうがいいと思われる本にはどうしても興味が向かない。(^_^;)

そんなこんなで、いまさらブームがやってきたんですね〜。
イリアスは、本当に読んでよかった。
ホメロスの文章は日本語に訳されているとはいえ、非常に音楽的。
それは、先ほどの比喩の例でもおわかりいただける通りなのデス。
私の中で、文学と音楽が近づいた瞬間。
でも、道のりはまだまだ遠い!
もっとイロイロ読まないとネ。


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オデュッセウスの世界
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2008年02月05日

ホメロス『イリアス』

bookクラシックに足を踏み入れて30年余り。
ずっと知っていたほうがいいだろう・・・と思いつつ、
なかなかその気になれなかったコト。
それが西洋の文学でした。

読書は好きなんですヨ。
でもね、西洋文学ってどうも・・・ね。
トルストイの『戦争と平和』や、
サガンの『悲しみよこんにちは』、
カフカの『変身』あたりは10代に読んだことがあるんです。
あとは文芸作品というよりも、お楽しみ系の本ばかりで。<(;~▽~)
サスペンスだったり、ノンフィクションだったり、ミステリーだったりネ。

でも、音楽する上で読んでおいた方がいい本は、
『文芸作品』なわけで・・・。
これが、なかなか読む気になれなかったのですよ。
なんかね、言い回しとかがね・・・私に合わない・・・。

とはいえ、必要性はすごく感じていたのデス。
指導者としても演奏する人間としても、
音楽を言葉にできるということは、
とてもとても重要なことだと考えているから。
漠然としていたものが、
言葉にした瞬間に具体的なものに変わるんだもの!
だから、言葉ってすごく大切だなぁと思うのです。

やっと思い腰があがったのが、つい最近のコト。
この本がきっかけでした。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

ロシア文学って読みやすい・・・気がする。(^_^;)
特にこの本は読みやすかった。
まぁ、直接音楽に関わるか・・・というと、
私が求めている西洋文化とはちょっと異質だとも思うのだけれど、
きっかけとしては上々だったのでは〜と。
この本のおかげで、ファウストを読む気になったのだから。

もちろん言い回しも世界観も、全く違うんですが。
これまで文学からは離れていたので、
文学系の本を読む気になった・・・という感じかな。
読みやすい訳のファウストに出会えたのも、かなぁり大きかった。

ファウスト〈第1部〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)


で、今読んでいるのはホメロスの『イリアス』なのデス。

イリアス〈上〉 (岩波文庫)

ギリシャ神話もずっと興味があったコト。
西洋世界を知るにあたって、
聖書を知るということも大切だと思っていたのですが、
実はキリスト教って私にとってはそれほど遠い世界ではなく・・・。

私はクリスチャンではないのですが、母がクリスチャンなのです。
小さい頃から日曜教会などに通い、
キリスト教の世界を垣間見る機会が豊富にありました。

それは15歳ころまで続いたので、
全く知らない世界・・・というわけでもないんですよね。
私なりのキリスト教の見方が持てる程度には知っているのデス。

でもでも、ギリシャ神話というと全く未知の世界。
いろぉんな神様がいて、ワケがわからない!
どの本から手をつけたらよいのかもわからないし・・・。
で、最初のうちは手をつけやすい本ばかり選んでいたのでした。

図説 ギリシャ神話「神々の世界」篇 (ふくろうの本)

面白いほどよくわかるギリシャ神話―天地創造からヘラクレスまで、壮大な神話世界のすべて (学校で教えない教科書)

ギリシャ神話をテーマにした絵画はよく目にします。
私の大好きなマイセンの磁器にすら登場してたり。
だから、情景はなぁんとなく思い浮かぶんですヨ。
でもね、やっぱりわからんちんなのです。
こういう本は導入としてはいいかもしれないけれど、
やっぱり「説明」でしかない。
生き生きとした神々が思い浮かばないんですよね〜。

ホメロスのイリアスには、
ゼウス、ヘレ、アポロン、アテネ、アレスなどが、
生き生きとした描写で登場してきます。
人間との関係もよ〜くわかる。
今まで見えなかったことが見えてくるというか・・・。
やっぱり「説明」じゃ何も感じられないものなんだな〜と。

でもね、最初読むのにかなぁり苦労したんですヨ。(^_^;)
3分の1くらい読み進めて、やっぱりダメだ!と。
そこで、ある方法を思いつき、また1から読み直しました。
何がダメだったのかというと、登場人物が多い!というコト。
誰がギリシャ軍で、誰がトロイエ軍なのかがわからなくなっちゃう。(笑)
ギリシャ神の名前も、それほど記憶していたわけではなかったので、
人間なのか神なのか・・・といったあたりまでわからなくなってくる始末。

で、1からメモしながら再読し始めたのです。
いやぁ、読み進むのが早い早い。
最初からやっときゃよかったって感じです。
頭も整理できるし、楽しさ倍増!!

言い回しや表現も、日本文学にはない感覚で面白いです。
ファウストと似てるかな。
なんだろ、やっぱりオペラとの関連性が強い気がします。
オペラの題材になることの多いギリシャ神話ですが、
題材になるのもうなずけるなぁといった感じ。

絵画を見ても、音楽を聴いても、オペラを観てもわからなかったこと。
それが言葉にはある。
いろんなことが具体的になる。
きっとここを乗り越えたら、絵画を見る目も、
オペラを聴く耳も変わってくるんだろうな〜。

西洋の人たちは、
私たちが民話や昔話を身近に聞いているように、
身近にギリシャ神話を感じていて、
特にホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』は、
小学生の頃、暗誦させられるほどだとか。

これまで手付かずだった世界に、
やっとこさ足を踏み入れた私。
読まなきゃ!ではなく、
読んでみたい・・・という気持ちが高まったことで、
気持ちよく楽しく読める自分がいます。
こういうのって無理がなくて好き♪
自然体で読めるときが、一番の読み時ですネ。

それにしてもホメロスの時代の人たちは、
この長い文章を暗誦して詠んでいたんだから驚きですね〜。
こんな量を暗誦できるはずがないといわれていた20世紀初頭、
ある学者がどこだったか・・・暗誦で歴史を伝える文化を持つ民族を調べてみたら、
この本と同じくらいの長さを朗詠していた・・・という・・・。
歌にすると、こんなに長く感じないんだそうな。
 ・・・・細かなことを覚えてなくてごめんなさい。<(;~▽~)
    私の記憶力ってこんなもんです。とほほっ
    ヒストリーチャンネルのトロイ遺跡に関する番組で観たんですが、
    その番組名すら覚えてない私。(_ _;)



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2008年01月29日

手塚治虫のファウスト

手塚治虫のファウストが届きました♪
マンガなのでスラスラと一気に読んでしまいました。

ファウスト

小説を最初に読んでいてよかった〜。
ちなみに、先日お勧めした散文体で訳された
読みやすいファウストはコレ↓。

ファウスト〈第1部〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

手塚治虫ってほんとすごいですね。
ゲーテのファウスト第1部と第2部を合体させちゃってるんですよ。(笑)
グレートフェン(マルガレーテ)がお姫様で登場。
悪魔からファウストを守るため、神に遣わされたってことになってます。
なんだろうなぁ〜。
手塚治虫のファウストからは、
手塚治虫の優しさを感じるんですよね〜。

でね、もっともっと衝撃的だったというか、
こりゃ面白い!と思ったのが、
ファウストに着想を得た日本のファウスト『百物語』。
ハルツ山のワルプルギスの晩が、
恐山の魔性のお祭りの日になってたり。

ストーリーも手塚治虫独自の世界になってマス。
悪魔が女性なんですよね。
主人公と悪魔のやりとりが、
ゲーテのファウストより人間らしく身近に感じるかも。
終わり方も・・・ネタばれになるのでこれ以上書けませんが、
ゲーテのファウストより胸にくるんですよねぇ。

やっぱり世界観が日本寄りだからかなぁ。
ゲーテのファウストよりしっくりくるんですよね〜。(^_^;)
ところで、ゲーテのファウストに着想を得て独自のファウストを書いたのは、
手塚治虫だけではないようです。

・北村透谷『蓬莱曲』 
・森鴎外『玉篋両浦嶼』
・中島敦『悟浄歎異』『悟浄出世』

でもって、手塚治虫は近未来にもファウストを出現させました。
それがネオ・ファウストという作品。

ネオ・ファウスト (1) (手塚治虫漫画全集 (368))

う〜む。こうなると気になりますねぇ〜。
その上、この本が手塚治虫の遺著だというじゃぁないですか。
今度Amazonで何か購入するときに、一緒に注文しちゃおっ。


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2008年01月25日

『ファウスト』を読みました

ゲーテの『ファウスト』を読みました。
いつか読まねば・・・と思いつつ、手が伸びなかった本。
本屋へ行ってパラパラと本をめくると、
数行で「こんなの無理!」と思ってしまう。(笑)
そんな本。

でね、いいのを見つけちゃったのですヨ。
こんな私にも読めそうな訳。

ファウスト〈第1部〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

読みやすい散文体で書かれているのデス。
ファウストの詩そのものを堪能するなら、
ドイツ語なのでしょう。
その韻をふんだ響きから得られる感触が、
ファウストそのものなのだろうから・・・。

詩から得られる響きというものを、
日本語に生かすことは無理。
ということで、訳されたのがこの本。
ファウストの”響き”ではなく、
ファウストの”内容”を・・・・という訳なのです。

興味深かったのは第2部。
第1部に比べ、色とりどりの景色が見られます。
ギリシャ神話の登場人物、天国と地獄、
西洋文化のあらゆる景色をここに感じることができる。

ゲーテがそこで言いたかったことは・・・、
というところまでは皆目検討がつかない私ですが、
ここにはいろんな視点、いろんな視野、
いろんな景色がつまっている・・・と感じたんですヨ。

そんな雑多ないろんなものを、
そのまま素直に受け止めること。
今の私にできるのはそれくらいなもので・・・。

ただ、面白いなぁと感じたことがひとつ。
ベートーヴェンは汎神論を持ちつつのクリスチャンだったそうな。
この第2部は汎神論の神々と一神教の神、
その両方が出てくる不思議な世界なのですヨ。
 ・・・・とはいえ、ベートーヴェンの生存中、
    ファウストは第1部しか出版されておらず、
    第2部はベートーヴェンの死後出版されたらしいのですが。


以前からずっと不思議に思っていたこと。
ギリシャの神々と、キリスト教という一神教が、
ヨーロッパにはあるのだ・・・ということ。
あれだけ根強い一神教にありながら、
ギリシャ神話が愛され続けているということ。
ずっとずっと不思議だったのです。
ヨーロッパって、どういう精神世界を持ってるんだろうって。

この相容れそうもない2つが、
この第2部では共存しているんですよね〜。
そして、ベートーヴェン自身もそういう人だった。
ここには当たり前のようにギリシャの神々が登場し、
それと同時に当たり前のように罪だとか赦しだとかいう言葉が出てくるのです。

この相容れないものを、
自分の中にどのようにして同時に内在させるのか・・・、
といったところまでは未だにわからないのですが、
この本から見えた景色そのものが、
ヨーロッパ人に内在している景色なんだろうな〜と。

ファウストがちょっとだけ身近になったので、
こんなものを購入してみました。
早く届かないかな〜♪

ファウスト

グノー:歌劇「ファウスト」全曲


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「ファウスト第1部」を読む
「ファウスト第2部」を読む
ファウスト神話と音楽
絵本 ファウスト
ゲーテ、その愛―「野ばら」から『ファウスト』の「グレートヒェン悲劇」まで

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