フォルテピアノ・アカデミーSACLA

2018年06月22日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(6)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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このアカデミーをプロデュースしているフォルテピアノ奏者の小倉貴久子さんは、クラヴィコードでの練習を強く勧めていらっしゃいます。クラヴィコードの単純な機構は、指の動きがそのままハンマーに伝わり音に反映されるため、指(タッチ)を育んでくれるからです。

特に第1関節と手のひら。手のひらとしか上手く表現できないのですが、指の付け根部分から第2関節あたりの動きですね。クラヴィコードは、この部分が意識できていないといい音がしません。そのうえ、この部分と第1関節の連携が保たれていないと、これまた上手くいかないのです。

J.S.バッハの次男、C.P.E.バッハはクラヴィコードについて、以下のように述べています。

「よいクラヴィコードは、音が弱いということを除いては、 音の美しさではピアノフォルテに劣らないし、 ベーブンクやポルタートをつけることができる点で、 ピアノフォルテよりも優れている。」

「よいクラヴィコード」という言葉が印象的ですが、モダンピアノにも質のよいピアノとそうでないピアノがあるように、ピリオド楽器にも質の違いがあるものです。もちろんアカデミーで使用されるクラヴィコードは、フォルテピアノ第一人者の小倉さんに選び抜かれたクラヴィコード。コンサートでは、エマヌエル・バッハが述べているような演奏が堪能できることでしょう。

このクラヴィコード、書物に初めて現れるのは1404年のこと。15世紀半ばには楽器の図面が記録されます。現存している一番古いものは1543年製のもので、3オクターブ半ほどの音域があるそうです。ルネサンス期になるとヨーロッパ各地に普及するのですが、このころ日本へ初めてヨーロッパ船が到着しました。1542年のことです。そして、フランシスコ・ザビエルがその7年後に上陸。ザビエルの持ち物にはクラヴィコードがあったようで、当時の文書には「十三ノ琴ノ糸ヒカザルニ五調子ヲ吟ズ」とあります。

クラヴィコードは小型なため持ち運びしやすく、旅行ばかりしていたモーツァルトは、その中でも極めて小型のクラヴィコードを愛用していました。クラヴィコードには脚のないものも多く、容易に持ち運びができるだけでなく、机の上に置いて弾くこともできたんですよ。現代のキーボードのような手軽さですね。

《塚田 聡さんのミニコラム》

打楽器は叩いたら即座にバチを発音体から離すのが基本です。叩いたその場に留まれば、叩いたバチが消音材となってしまうからです(お能の太鼓のように意識的に消音して効果を出す場合もあります)。

ピアノ(打弦楽器)のハンマーも弦を叩くやいなや即座に弦から離れ落ち、その後は弦が振動するままに任せます。 ところがこのクラヴィコードという楽器、弦にタンジェントという金属片が触れている間だけ音が鳴り続ける、という逆発想からなる楽器になります。

タンジェントはそのかわり非常に小さく、弦との接地面は、面というよりほとんど線。その金属の線が金属の弦に触れている間だけ音が出るのです。 この逆発想の発音機構は、非常に音が小さいという条件下のみに許される仕組みです。

しかし、弦に接地したタンジェントを揺らせばヴィブラートがかかるという副産物も。 ピアノを弾きながら、キーを揺らして歌いたい衝動にかられた方は少なくないはず。その指を揺らしてヴィブラートをかけるという欲求を満たしてくれるのです。

この小さな音しかでないクラヴィコードですが、小さいながらも大変な世界をもっていて、その虜になった作曲家は数知れず。 心の機微の襞の中まで描き切るという感じでしょうか。クラヴィコードの世界に暮らすと、次第にこのミクロコスモスの世界だけで心が満たされるようになってゆくから不思議なものです。


新クラヴィコード2

《会期中のコンサート》
2018年7月20日(金)11:00開演(1時間)
会場:さいたま市プラザウエスト内 多目的ルーム
入場料:2,000円
使用楽器:A.ヴァルター、J.L.デュルケン、クラヴィコード 


《フォルテピアノ(ピアノ指導者限定)》
FBに非公開グループを作成しています。小倉貴久子さんもメンバーに加わってくださっている、とても贅沢なグループです。フォルテピアノについてよく知らないという方も大歓迎。投稿を読むだけでも面白いグループなので、どうぞお気軽にメンバーリクエストしてくださいね♪
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2018年06月19日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(5)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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前回ほんの少し触れたスクエアピアノ。このアカデミーでは、1814年製ブロードウッドのスクエアピアノが使用されます。ブロードウッドはイギリスを代表する製作家です。当時イギリスではスクエアピアノが大流行しました。何故これほどまでにイギリスでピアノが流行したのでしょう?

18世紀半ばまで鍵盤楽器の製作といえばドイツが主流で、19世紀後半の研究が世間に広まるまで、そこで活躍していたジルバーマンがピアノの発明家だと誤解されていたほどでした。このジルバ―マンのもとで多くの技術者が育ったのですが、ジルバーマンが亡くなった直後、プロイセンとオーストリアの間に7年戦争が起こります。ジルバーマンの技術を受け継ぐ弟子たちは、1760年に集団でイギリスへ渡りました。

弟子たちのリーダーだったツンペは、1761年に自分のアトリエを持ち、そこでスクエアピアノを製作します。現存している最も古いスクエアピアノは1766年製のもの。ツンペのスクエアピアノは、ジャックがハンマーレヴァーの根本を突き上げるという、イギリス式シンプル・アクションと呼ばれるものでした。スクエアピアノは小型で経済的だったため、イギリスで爆発的な人気を得ます。なんと1770年代には1年に何百台も製作されたそうですよ。

先日、この楽器を修復なさった太田垣至さんの工房にお邪魔させていただき、なんとみなさんより一足先にこの楽器を弾いてきてしまいました。あまりの美しい響きに感激! 深さのある箱型ならではの響きに、私は海を感じました。浅瀬、中くらいの深さ、深海。これらを弾き分けられる感覚が得られたからです。これはフリューゲル型(グランドピアノのような)のフォルテピアノにはない感覚でした。
  
ヴァルターに比べるとかなり弾きやすかったのですが、シンプルなアクションとはいえイギリス式だからでしょうか? ほんの少し弾いただけなので、思い返してみると大きな音では弾いていません。ヴァルターは大きな音を響かせるのが難しく、抑揚の幅がどうしても狭くなってしまう私ですが、果たしてこの楽器はどうなのか? アカデミーで試してみなければ!

《塚田 聡さんのミニコラム》

1814年に作られたオリジナルのスクエア・ピアノの登場です。ブロードウッドは、ベートーヴェンに絶賛されたピアノ・メーカー。ベートーヴェンは送られてきたフリューゲル(グランド)型の音域の広くなったピアノに感激して、あの低音和音連打で始まる 〈ヴァルトシュタイン・ソナタ〉を書きました。

まさに時代は産業革命の槌の音が響き始めていた頃。ピアノ自体は強固なつくりを備え音域が広がり、家庭的工房では製作が難しくなってゆきます。 そして一般市民が力をつけ裕福に、生活の時間にも余裕が生まれてきた時代。

彼らの需要に応えたのが、家庭にも置けるこういったスクエア・ピアノだったのです。 飛ぶように売れたこのタイプのピアノは、子女に弾かれることが多かったのでしょう。作曲家は、愛好家向けにソナチネを書いてその要望に応えました。

心を楽に、気軽にかしこまらずに弾くと、活気づいた19世紀初頭の響きが立ち現れるかもしれませんね。


新スクエアピアノ

《会期中のコンサート》
2018年7月21日(土)13:15開演(30分間)
会場:さいたま市プラザウエスト内 多目的ルーム
入場無料 使用楽器:スクエアピアノ 


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2018年06月15日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(4)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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今回ご紹介するアカデミー使用の楽器は、デュルケンとヴァルター。どちらも1795年製の復元楽器です。のちほど登場するスクエアピアノはイギリスで大流行した楽器なので、たくさん現存しているのですが、18世紀のフリューゲル型フォルテピアノ(グランドピアノのような)はそうはいきません。現存する楽器が少ない上に、劣化も激しい。

私は18世紀のフォルテピアノについては、現存する楽器より復元楽器の方がよい音色がすると感じています。実際、当時は劣化した音ではなく、劣化する前の音が響いていたわけで、復元楽器の方が当時の音色に近いのではないか?と想像したり。アカデミーで使用されるデュルケンは太田垣至さんが製作したもので、受講生は毎日の練習で弾くことができます。ヴァルターは小倉貴久子さんご所有の楽器でマーネによる製作です。

これら2台とも、ダンパーペダルは足ではなく膝にあるのですが、これが試してみるととても難しい! タイミング通りにできたとしても、指に影響が出てしまう。モダンピアノのペダルのように足先を動かすだけとは異なり、太もも全体を持ち上げることになるわけで、動きが大きく結構な運動量なのです。そのうえ、弾いている鍵盤の真裏でそれが行われるわけで。

当時のフォルテピアノは簡単に大きな音が出せるわけではなく、何度かレッスンを受けている私には、まだつかめずにいるコツのようなものがあります。指だけですら思い通りの音色や音の抑揚にならないのに、それに加えて膝レバーというのは、かなりハードルが高い。

アカデミーの受講生は、会期中フォルテピアノで練習ができます。連続3日間フォルテピアノで練習できるというのは、本当にありがたいこと。私のようにモダンピアノしか持っていない人は、フォルテピアノで練習できる機会がないのです。第一スタジオがない。チェンバロのスタジオはあっても、18世紀のフォルテピアノが置かれたスタジオはありません。

私がこのアカデミーに飛びついた理由はここにあります。毎日フォルテピアノで練習できるのですから、膝レバーに挑戦するつもり。聴講生に定員はありませんが、受講生は定員8名。今年は定員いっぱいになってしまいましたが、フォルテピアノで練習してみたい方は、ぜひ来年挑戦してみてくださいね!

《塚田 聡さんのミニコラム》

この2台のフォルテピアノは、モーツァルトとベートーヴェンに愛奏されたことで知られるウィーン式アクションの楽器です。

ウィーン式アクションとは別名、跳ね上げ式とも呼ばれ、原理がとてもシンプルで、キーを押すと奥にあるハンマーが跳ね上がって打弦するというもの。 アクションが軽く複雑性がないということは、指の細やかな動き・表現をダイレクトに弦に伝えることができることを意味しています。

特にデュルケンは軽やかに転がるモーツァルトの音楽そのもののような楽器です。ヴァルター・モデルの楽器は、ベートーヴェンがウィーンで最初に手にしたピアノに近いもので、デュルケンより音がしっかりとしてきます。作品2のソナタ集のような細かく動き回る音楽は、このような楽器を前にして書かれたのか、と納得するはず!5オクターブしか音域がありませんが、なんと作品31までのソナタはこの楽器で演奏することができるのですよ!

ウィーン式アクションをものにするには、相応しいタッチを身につける必要があります。抜けの良いダイナミックな表現から、静かに歌うテクニックまで、このふたつの楽器と向き合ってウィーン古典派の音を追求してみてください!作品が生命力をもって蘇る姿を見ることができるはず!


《デュルケン》
新デュルケン2

《ヴァルター》
新ヴァルター2

《会期中のコンサート》
2018年7月20日(金)11:00開演(1時間)
会場:さいたま市プラザウエスト内 多目的ルーム
入場料:2,000円
使用楽器:A.ヴァルター、J.L.デュルケン、クラヴィコード

  
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2018年06月11日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(3)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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今回ご紹介する楽器は、タンゲンテンフリューゲルという楽器です。実はこの楽器、私は見たことも聴いたこともありません。アカデミー公式サイトの紹介ページにある写真は楽器内部だけ。(※写真使用のご許可を得ています。) なんとも当日がワクワクと楽しみになる楽器なのです。

1717年にドイツでシュレーターという人が考案した楽器で、シュレーターは「我こそはピアノの発明者」と主張していました。なんと、あのモーツァルトもウィーン移住前のザルツブルクで、シュペート製作のタンゲンテンフリューゲルを愛用していたそうですよ。これは弾いてみたい&聴いてみたい!
  
ところで、発音の仕組みについてですが、これがとっても変わっているんです。

キーの後方の加速レバーにのった木片を飛ばして弦を打ち、自然落下させる。

写真の手前に見える四角いものが木片でしょうか。これを「弦が打つ」ということのようです。音色はチェンバロに似ていて、タッチによって音の強弱がつけられるため「表情豊かなチェンバロ」として18世紀ドイツで愛用されていたそうです。

《塚田 聡さんのミニコラム》

モーツァルトのザルツブルク時代に身近にあったタンゲンテンフリューゲル。日本には上野学園の楽器博物館で現物を見ることができますが、なかなか演奏会場に持ち出すことの難しい楽器です。

その楽器とはまた異なる、シュレーターの考案したアクションによる復元楽器が今年、久保田彰さんの工房で完成しました。 機構はいたってシンプルなもので、キーの後方が木片を飛ばし、自然落下させるというものです。

跳ねた木片がまた弦に当たり2度打ちをしないの?
ダンパー(消音装置)はついているの?

様々な疑問を抱きながら久保田さんの工房を訪れ弾いてみると、消音はよく利き、タンジェントが2度打ちすることもありません。製作者に尋ねても、「どうしてでしょうね?」という肩透かしをくらうような返答。

音色はやはりチェンバロを思わせる上品なもの。しかし強弱がつくというすばらしい楽器です。 この楽器を近くで覗ける・聴けるチャンスをお見逃しなく!
7月21日17:30からのコンサートでは、久保田彰さんのトークもありますので、こちらもお楽しみに!


新タンゲンテンフリューゲル

《会期中のコンサート》
小倉貴久子コンサート(久保田彰とともに)
2018年7月21日(土)17:30開演(1時間)
会場:さいたま市プラザウエスト内 多目的ルーム
入場料:2,000円
使用楽器:クリストーフォリ、タンゲンテンフリューゲル 、クラヴィシンバルム



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2018年06月08日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(2)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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(1)では、ピアノを発明したクリストーフォリの復元楽器をご紹介しましたが、アカデミーで使用する楽器はこれだけではありません。これからそのすべてをご紹介していきましょう!

まずは、前回写真だけの紹介となったクリストーフォリ。クリストーフォリがピアノを考案したのは1700年頃のこと。この頃、バッハとヘンデルは15歳くらいですね。クリストーフォリのピアノには、ひとつの鍵盤に対して弦が2本張られています。現代は3本の弦が張られていますが、発明されたばかりの頃は2本。箱はチェンバロの箱を借りたものでしたし、弦も細く、ハンマーは親指大の羊皮紙を中が空洞のシリンダー(円筒)状に固めたものでした。聴くとモダンピアノの音色より、チェンバロの音色に近いです。それくらい繊細な音色なんですね。
  
「ピアノもフォルテも出せるチェンバロ」として発明されたこのピアノは、「小さなハンマーのついたチェンバロ」と呼ばれたこともあったそうです。そのため「クラヴィチェンバロのための」と書かれた曲でも、一概にチェンバロのためとは言い切れません。チェンバロで弾く人もいれば、新しい楽器のピアノで弾く人もいた時代なのですね。


《塚田 聡さんのミニコラム》

ピアノ第1号はイタリア、フィレンツェで産まれました。世界最初の発明品と聞くと、なんとなく不完全な試行作のようなイメージをもたれるかもしれませんが、クリストーフォリの発明は本格的なもので、その複雑なアクションに驚かされます。中間レバー、エスケープメント・ジャック、バック・チェックまで備えられていて、そこには現代ピアノに引き継がれてゆく基本的構造がすでに組み込まれているのです!

下からハンマーで叩いても弦が浮かないように弦止めの板が上部に備え付けられていたり、ハンマーが筒状だったり細かいところまで工夫が凝らされています。

外観はチェンバロと同じサイズですが、アクションが複雑なのでタッチは意外と重く感じられると思います。 音色はピアノというよりもチェンバロのような華やかな音色で、まさに命名の通り、「グラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(弱音と強音をもつチェンバロ)」というのを実感されることでしょう。


新クリストーフォリ

《会期中のコンサート》
小倉貴久子コンサート(久保田彰とともに)
2018年7月21日(土)17:30開演(1時間)
会場:さいたま市プラザウエスト内 多目的ルーム
入場料:2,000円
使用楽器:クリストーフォリ、タンゲンテンフリューゲル 、クラヴィシンバルム


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2018年06月05日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(1)

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今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

生まれも育ちもアクションの仕組みもさまざまな総勢7台の楽器が、さいたま市のプラザウエストに参集します。日本の音楽界の将来のためにぜひ!と、チェンバロづくりの第一人者の久保田彰さんの工房、そしてフォルテピアノづくりに生涯を捧げようという太田垣至さんの大きな協力を得て、これら個性豊かな7台のフォルテピアノが出揃いました!(塚田さん)

みなさん、フォルテピアノってご存知ですか? 作曲家が生きた時代のピアノで、現代のピアノとは様々な点で違いがあります。このアカデミーで取り上げる古典派時代のフォルテピアノは、ハンマーの大きさがなんと親指大。現代のハンマーはフェルトですが、当時のハンマーは革でできていました。弦の太さも違います。イギリス産業革命以前は弦の張力を支える鉄鋼などありませんでしたから、すべて木製。弦は木で支えられる程度の張力で張られ、弦の素材も太さも現代とは異なります。

私がフォルテピアノの響きに出会ったのは10年以上前のこと。その頃、チェンバロの演奏会は探せばありましたが、フォルテピアノの演奏会はほとんどなかったんです。ところが最近、フォルテピアノの演奏会がどんどんと増えてきて、この音色が身近になってきました。これは、フォルテピアノ奏者で第一人者の小倉貴久子さんと、メヌエット・デア・フリューゲルのご活躍によるものといっても過言ではないでしょう。

そしてとうとう今年、フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されることになりました。これだけの楽器が一堂に会するのは奇跡的!フォルテピアノだけでなく、クラヴィコードや、私がまだ見たことも触れたこともない鍵盤楽器も揃っています。古典派時代は、様々な鍵盤楽器が共存していた時代なのです。

アカデミーの開催を知った私は、即座に受講の申込みをしました。受講生は定員8名。なんとこの定員、たった1日で埋まってしまいました。でも大丈夫! 聴講生の定員はありませんし、期間中毎日あるコンサートを聴きに来るだけでもOKという、堅苦しさのない誰にでも開かれたアカデミーです。この機会に様々なフォルテピアノ、当時の鍵盤楽器の音色に触れてみませんか?

ピアノを発明したクリストーフォリの楽器を複製したもの。博物館に置かれているような楽器を、なんと体験コーナーで触ることができるんですヨ♪(1日10名限定)
新クリストーフォリ


(2)以降で、アカデミーで使用される楽器の紹介をしていきます♪

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