読譜

2013年04月29日

(4)読譜 〜リズムと拍子感〜

自分の頭を整理する意味合いも含め、
読譜について考えてみようと始めたブログ記事です。
文章最後に私が普段生徒さんに指導している方法をまとめた、
読譜教材を添付していけたらと考えています。

今構想中の内容は以下の通りです。

(1)読譜の準備 〜音の並び〜
(2)読譜の準備 〜音の並びと音の高低の一致〜
(3)読譜 〜図形の把握〜
(4)読譜 〜リズムと拍子感〜
(5)読譜と演奏 〜鍵盤把握と読譜の一致〜
(6)読譜と演奏 〜奏法と読譜の一致〜 

読譜教材の添付は、 銑い發靴はイ泙任鮃佑┐討い泙后
途中で流れが変わってしまったらごめんなさい。(^_^;)

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(4)読譜 〜リズムと拍子感〜

幼児にとって五線に描かれた音符の判別は難しくても、
リズムの判別は容易なものです。
白と黒、休符の形など、見た目に判別しやすいからでしょう。
そのため私は、五線に触れる前に、リズムの指導をしています。

そのとき注意しているのは、理論的に指導しないということです。
論理的思考がまだ未熟な幼児にとって、
8分音符は4分音符を2分割したものと、
リンゴを2つに割った絵などを描き指導したところで、
理解してもらうことはできません。
(リンゴと音符は見た目に全くの別物であり、
音符と違うものを用いて説明したところで、
幼児はリンゴと音符が一致せずに、混乱するだけではと思います。)

また、リズムとは一定の時間軸を分割したものなので、
目に見える紙面で論理的に理解できたとしても、
それを目に見えない時間軸に置き換えるのは、
容易なことではありません。
論理的思考ができる大人でも、
8分音符と3連符が隣り合わせにくると、
紙面上の理解だけでは、正しく時間軸を分割できないものです。

必要なのはその感覚を体験するということ。
時間軸を分割するとはどういう感覚のことをいうのか?
紙面上で理解を求めたところで、
感覚を経験をしなければ、体現できるようにはなりません。

このとき重要なのは、拍子感という一定の時間軸の流れと思います。
4分音符60の時間軸と、4分音符100の時間軸とでは、
同じ4分音符でも長さが異なるということです。
音楽には”ノリ”というものがあり、
この”ノリ”が安定した時間軸を生み出します。

ロックやジャズは裏拍に重さがきますね。
この重さの変化によって、音に方向性が生まれるのでしょう。
 私はすべての拍を同じ重さで演奏する生徒さんに出会うと、
「1拍子の演奏になっているよ」と言います。
1拍子の演奏には音の方向性がありません。
 ”ノリ”がないのです。

ロックのノリ、ジャズのノリ、
各民族音楽のノリ、クラシックのノリと、
重さの変化はジャンルによって様々ありますが、
ここではクラシックのノリである拍子感について、
話を進めていこうと思います。

私はリズムを指導する前に、
拍子というものを体感してもらうことにしています。
一定の安定した時間軸(ノリを伴った時間軸)を経験してもらうのです。
一番単純なのは2拍子。
体感する方法は以下の通りです。

 ・1拍目を膝打ち
・2拍目を手拍子(手拍子は膝打ちより軽く)

私が使用しているピアノ教材は冒頭、
五線のない4分音符の楽曲が何曲が続きますが、
この間私は、リズムのアプローチはせず、
拍子打ちをしながら、その楽曲の歌詞を歌うというアプローチに徹しています。
その後、この教材に2分音符が出てきたとき、
4分音符と2分音符を比較することで、
リズムを「見た目」で把握してもらう働きかけをします。

論理的思考が未熟な幼児にとって、
効果的なアプローチは視覚的なアプローチだからです。
4分音符だけだと、
他に比べるべき時間軸を示す視覚的材料がないので理解に繋がりません。
2分音符と比較させることで、
譜面上にリズムというものが表記されているのだ、
ということが理解できるようになるのです。

その後、4拍子の体感を覚えてもらいます。
発達障碍の子へはさらに簡単な4拍子打ちを用意しているのですが、
定型発達の子には、最初から通常通りの4拍子打ちをしてもらっています。

〈発達障碍の子用、簡単バージョンの4拍子打ち〉
・1拍目を膝打ち
・2,3,4拍目を手拍子

〈通常バージョンの4拍子打ち〉
・1拍目を膝打ち
・2拍目を軽く指先で膝打ち
・3拍目を手拍子
・4拍目を軽く指先で手拍子(左右の指先同士を当てるだけ)

これら2種類のノリと、
4分音符2分音符に慣れてきた頃、
歌詞で歌うというアプローチに加え、
拍子打ちをしながら、リズムを唱えるというアプローチを加えます。
リズム読譜への働きかけです。

そのとき一定の時間軸が見た目でわかるよう、
「これは何拍子?」と拍子記号を見て答えてもらった後、
1234,1234というように、一定の時間軸が視覚的にわかる、
拍子の数字をリズムに合わせて楽譜に記入します。
この拍子の書き込みは、
ブルグミュラーなどリズムが複雑になってきた頃、
再びリズムがあやしくなる子に重宝する方法です。

子どもがリズムの読み間違いをするときの最大の原因は、
リズムそのものが読めていないのではなく、
一定の時間軸を失っていることにあります。
16分音符が続く音楽の後、
2分音符や4分音符の音楽に切り替わったとき、
2分音符や4分音符の長さが短くなってしまう現象は、
よく見られる現象なのではと思います。

その部分部分だけを取り上げたらリズムは合っている。
しかし、16分音符の長さと2分音符の長さを比べると、
まるで別の楽曲のようにテンポが異なってしまう。
これは一定の時間軸を失っているから起こる現象です。
また、8分休符などが入りリズムが複雑になってくると、
頭が混乱してリズムがわからなくなってしまうことがありますが、
これも休符に惑わされて一定の時間軸を失ってしまうことが原因です。

時間軸というのは目に見えない感覚的なものなので、
経験不足の子どもや大人の初心者の方にとって、
このような現象は楽曲が難しくなるたびに起こる現象ではと思います。
このようなとき、「この曲は何拍子?その拍子の数字を楽譜に正しく記入できるかな?」
と問いかけてみると、正しい位置に数字を記入できないことが多々あります。
一定の時間軸を失っている証拠です。

 一定の時間軸と楽譜の音符の関係が一致すると、
一つ一つのリズム譜は読めるのですから、
私がわざわざそこに書かれたリズムを体現しなくても、
生徒さんは自らの力でリズムの間違いを訂正してくれます。

このようにリズムは、テンポという一定の時間軸と、
拍子によるノリという土台の上で成立するものです。
単体のリズムひとつひとつだけを取り上げたところで、
理解にはつながらないと感じています。
そのため、私は常に拍子感とともに、リズムを指導しています。

読譜教材【リズムと拍子感】
http://musestown.livedoor.biz/dokuhu-rhythm.pdf


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2013年04月23日

読譜・鍵盤把握・身体アプローチの兼ね合い

読譜教材の段階を示すのって、実は難しいデス。
私はこれらを身体アプローチや鍵盤把握と
入り乱れさせながら指導しているからです。
全てのバランスを保った上で、段階を持たせているので、
読譜だけを取り上げてしまうと、歪みが生じてしまうんですよね。

例えば、(1)音の並び と、 
(2)音の並びと音の高低の一致 というアプローチの間に、
私は「鍵盤把握」のためのアプローチを挿入しています。
2つと3つの黒鍵を把握してもらい、
そこから、ドレミ・ファソラシという鍵盤のまとまりを見つけてもらい、
さらにそこから、1つ1つの独立した鍵盤を把握してもらう、
という段階を持たせたアプローチです。

そのため、私の生徒さんたちは、
すでに鍵盤把握と音の並びが一致している状態で、
(2)の音の並びと音の高低一致 というアプローチに取り掛かります。
この(2)は、音の並びと音の高低一致と書いていますが、
実際には、3つの要素の一致作業を目的としたものです。
「音の並び」「音の高低」「鍵盤把握」を一致させていくというアプローチなんですよね。

でも、今回は読譜へ焦点を当てたブログ記事だったので、
鍵盤把握の方法論や、それを読譜とどのような兼ね合いを持たせ、
どこに挿入するのか・・・といったところまでは言及できなかったのでした。

 さらに、ここには身体アプローチが一切ありません
。この後、この記事は「読譜と演奏」という話に進んでいくわけですが、
そこへ至るには基本的な身体アプローチが
ある程度成り立っていなければなりませんよね。
ということは、読譜作業と同時に、
読譜とは別ラインで身体アプローチをしているということなんです。

 私はここまでアップしてきた読譜の準備、
読譜へのアプローチと同時進行で、
読譜を必要としない身体アプローチをレッスンしています。
読譜ができていなくてもピアノを弾くことはできますから。

その際、親指は一切使っていません。
2・3・4指だけを使用して、指・手の形を安定させることに焦点を当てています。
使用している教材は、ミュージックツリーのタイム・トゥ・ビギンという教材で、
絶版になっているものです。
私はこれをコピーするか、Amazonで中古を購入してもらうかして使用しています。

この教材の利点は、親指を一切使わず、
2・3・4指の安定を図ることに重点を置いているという点と、
「ドレミ」という音名の読譜以前に、
フォルテやピアノ、スラーなどが出てくるということです。
また、伴奏もどれも美しく、
メロディにはアウフタクトの難しい呼吸の楽曲まであります。
リズムでいうと、5拍子まであるんですよ。
とにかく音楽的に楽しい曲ばかり。

私はこの教材を終えるまでの間に、
人気の呉暁さんのソルフェージュ教材も併用しながら、
ト音記号・ヘ音記号ともに、ドレミファソラシドまで読める状態にしています。
その後、この教材の2冊目へ進みます。

この教材の2冊目は、独自の方法で読譜を進める教材ですが、
この独自の方法論がこれまでの私の生徒さんには合わなかったため、
私はこのピアノ教材での読譜指導はしていません。
2冊目を利用するのは、身体アプローチが優れている点と、
スタカートやレガートなど、楽譜に表現記号が表示されており、
楽譜から音楽を読み取れるようになっているからです。
これからお話する「読譜と演奏」の一致が提示された教材ということです。

また、2冊目からは、親指が導入されます。
この親指導入は、そのまま教材通り導入するのではなく、
私のこだわりの3つの黒鍵ポジションを用いた上で導入させますが、
それ以降はこの教材通りに進めています。
白鍵で正しく親指が扱えるようになるのは、
この2冊目の3分の1ほど進んだあたりのことです。
そこで、オルガンピアノ1巻をその3分の2くらいのページから併用し始めます。
オルガンピアノ1巻の3分の2までは、
手の形も安定して弾けるようになっているうえ、
読譜もできるようになっているからです。
 
ちょっと長くなってしまいましたが・・・。
このように、鍵盤把握、読譜、身体アプローチというのは、
どれか一つに焦点を当てて提示したところで、中途半端なんですよね・・・。
進めていくためには、それぞれの要素の絡み合いというものがあり、
その絡み合いをどのような段階を持たせて絡ませていくのかということが、
とても大切な気がしています。
とはいえ、今回は読譜だけに焦点を当てると決めたブログ記事なので、
このような絡み合いは除いて、読譜教材だけをご紹介させていただいています。
参考にしていただけましたら幸いです。

(1)読譜の準備 〜音の並び〜
(2)読譜の準備 〜音の並びと音の高低の一致〜
(3)読譜 〜図形の把握〜


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2013年04月22日

(3)読譜〜図形の把握〜

自分の頭を整理する意味合いも含め、
読譜について考えてみようと始めたブログ記事です。
文章最後に私が普段生徒さんに指導している方法をまとめた、
読譜教材を添付していけたらと考えています。

今構想中の内容は以下の通りです。

(1)読譜の準備 〜音の並び〜
(2)読譜の準備 〜音の並びと音の高低の一致〜
(3)読譜 〜図形の把握〜
(4)読譜 〜リズムと拍子感〜
(5)読譜と演奏 〜鍵盤把握と読譜の一致〜
(6)読譜と演奏 〜奏法と読譜の一致〜 

読譜教材の添付は、 銑い發靴はイ泙任鮃佑┐討い泙后
途中で流れが変わってしまったらごめんなさい。(^_^;)

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(3)読譜 〜図形の把握〜

読譜の指導を思考錯誤していると、
楽譜って独特の視点でできてるなぁと思わされます。
丸・三角・四角のように、
形の違いで名称が与えられているわけでもなく、
赤・白・黄のように、
色の違いで名称が与えられているわけでもありません。


丸が置かれる位置によって音名が異なってくるのです。
そこに白黒、棒の形の違いなどが加わることでリズムが表現されます。

導入期のレッスンでは、このような独特の仕組みに、
混乱をきたす子を多く見受けます。
全音符で音名を答えられるようになった子が、
4分音符で読めなくなるという現象はよくある現象ですよね。
色が変わったので音名も変わるはずという思い込みから、
その音符が何者なのかがわからなくなり混乱してしまうのです。

音の並びと楽譜の関係がわからなくなり、
混乱をきたす子もいます。
音の並び通りに、楽譜も左から右にドレミファソと、
一方通行だと思い込んでいるのです。

これらの誤解は頑なことが多く、
繰り返し経験してもらう必要が出てきます。
大人からすると、
何本目の線にささっているのか、はさまっているのか、
それさえわかれば読めるようになるでしょ!といったところですが、
子どもにしてみれば、
このような頑なな誤解が生じているわけで、
それらを払しょくしないことには前に進めないんですよね。

今日ご紹介する私のアプローチ方法は、
このような誤解があることを前提としたもので、
以下のような段階を踏みます。


(1)音の階段と音符の一致

まずは音符の全体像を見せてあげます。
「楽譜も音の階段と一緒」という視点を与えることで、
視覚的に理解してもらえるうよう働きかけます。
論理的思考がまだ育まれていない幼児期においては、
このような視覚的アプローチが効果的です。

また、全体像を見せることで、
これから自分が何を学ぶのかということがはっきりしてきます。
全体像を知らないということは、
自分が学んでいるものが何者なのか?ということが
あいまいなままだということです。

この点をあいまいにしたままだと、
学んだひとつひとつの音符情報を自力で繋げていくしかなく、
器用な子は学んでいくひとつひとつの音符が、
「音の並びと一緒だ!」と思いつくことができますが、
そうでない子は混乱してしまうだけです。


(2)比較させる

音符は色や形に特徴がなくすべて同じに見えてしまいますね。
置かれている位置が違うという情報だけだと、
子どもには理解してもらいづらいので、
私は一つ一つの音符を比較させるというアプローチをすることにしています。

また、見えている音符と名称が一致しないまま、
ただなんとなく「ドレ」と声に出している生徒さんの状態を
きちんと把握した上で指導するため、、
生徒さんがその音符と音名を一致させて思考せざる得ないよう、
こちらが指さした方の音名を答えてもらうことにしています。


(3)左から右に読む

このアプローチは左から右に音符を読む際、
音の並びはドレミファソの一方通行だ、
という誤解を回避するためのアプローチです。

というのも、ドとレを覚える際、
一つ一つは覚えて答えられるようになったのに、
ドとレがランダムに並んだ楽譜を、
並んでいる順に読もうとすると、
理解できていたはずの「ド」と「レ」が読めなくなることがあるからです。
このアプローチを挿入することで、
この現象を解消することができます。

私はこのアプローチへ入る前に、
必ずワンクッション入れることにしています。
それは、ランダムに置かれた音符の中から、
「ドだけを探す」「レだけを探す」という
アプローチをするということです。

このアプローチによって、
ランダムに置かれた音符は、
ドレミファソという一方通行で置かれているわけではなく、
ドとレがランダムに入り混じっているのだと理解することができます。

このワンクッションをした後、
左から右に順に音符を読んでいくと、
それまで混乱していた子は、
混乱が解消しスラスラと読んでくれるようになります。

※この問題は、読むことに対する「難しい」「面倒」という
やる気を損なわせる要因を減らすため、
音の並びをヒントとして取り組めるようにしています。
そのため、跳躍進行は含ませず、順次進行のみの問題にしています。


前回までは読譜に入るための準備でしたが、
今回は読譜そのものへのアプローチのため、
ご紹介する教材の分量が多くなりました。
ステップ1〜13までと、間に時々復習問題を挟んでいます。
全22ページになります。


読譜教材【図形の把握】
http://musestown.livedoor.biz/dokuhu-zukei-1.pdf


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布団の中で「音の高低」について考えてみた〜読譜指導において〜

昨日「音の並びと音の高低の一致」についてブログ記事にした後、
布団の中でふと考えたコト。
音の高低って、記憶や反射にすごく影響を与えるんだろうなぁというコト。

布団の中で、「かきくけこ」という言葉の並びを可逆的に行き来してみました。
かきか、くきく、けくけ〜  かくか、きけき〜
・・・・なかなか反射的に反応できません。
ところが、「かきくけこ 」にドレミファソの音の高低を付けると、
この可逆的な動きが反射的になりやすいのですよ 。

音の高低感覚が良い子というのは、
あっという間に楽曲をドレミで歌えるようになりますし、
ブルグミュラーなどの速いパッセージも、
その場で早口言葉のようにサササッとドレミで歌えます。
しかし、音の高低感覚が少し鈍いタイプの子は、
かなり練習を積まないとそれができるようにならないので、
「ドレミで歌う」を宿題に出さなきゃいけなくなってしまうんですよね。
ちょっと複雑なパッセージやハーモニーになると覚えられない子って、
耳でその音の並びが鳴っていないんだなぁと感じます。

生徒さんを教えていると、器用な子はいいなぁ〜とつくづく思います。
器用な子は最初の段階で、「音の並び」「音の高低」「鍵盤把握」が一致します。
教えなくても一致しちゃうんですよね。耳がよいから。
でも、すべての生徒さんがそういうわけではなく、
それぞれを別々に指導しないと、
理解したり、その理解を反射に 繋げるのに苦労する子もいます。

私はどっちだったんだろう?
耳はよかったと思いますが、理解は悪かったと思ふ。
小学生のとき算数ですごく苦労したし、
(多分、数の概念を理解することが難しかったのでしょう)
図形にしたって、いつまでたっても「あ」と「め」を書く とき、
一画目の縦線を右下に向けて書くのか、左下に向けて書くのかで、
毎度毎度悩んでいた気がします。

非可逆的な思考しか持たない、方位知覚が未発達、
しかも視野が狭い・・・という子どもの特徴を私はずっと持ち続けていて、
周りの子どもたちより発達が遅かったのではと感じます。
それにも関らず、私が小学1年生でブルグミュラーを譜読みできていたのは何故?
まずは、読譜第一歩目である音の並びに対して、
反応が良かったということがあると思います。
数の概念は理解力の疎い私には難しかったですが、
音感があるということで、音の並びの概念は感覚的に入ってきたのでしょう。
要するに、理解力が未発達でも、音感覚があれば理解の助けになるということですね 。

また、方位知覚や視野の狭さなど発達の遅かった私が、
何故楽譜の図形を読めるようになったのか?
これはひとえに母の努力だった気がします。
先日「小学1年生なんて幼い時期に
なんで私は楽譜が読めるようになったのかな?」 と母に質問したところ、
「そりゃ、お母さんがんばったもん。 」 という答えが返ってきました。

図形認識の発達がかなり遅れていた私に対して、
音符を読む練習をさせるのは、そりゃぁ大変だったろうなぁと思います。
何度練習してもすぐ忘れる・・・という連続だったのではと。
ただ、そんな風に図形が弱かった私には音の高低感覚がありましたから、
楽譜を模様で読むことができたのだろうと思います。
1音1音を判別できるようになる前に、
音符の柄が上行していれば、その先の音符を音の並びで上行させればよいと、
感覚的に読めるようになっていったのでしょう。

私の生徒さんたちも、1音1音の判別がしっかりする前に、
このように見た目の柄で楽譜が読めるようになっていくと感じています。
なので、順次進行の部分はすらすらと初見で読めるくらいになるのですが、
跳躍進行が入ると一瞬戸惑います。

このように、音感が身につくと読譜の苦労が激減し、
譜読みが早くなると感じています。
音の高低感覚って大切なんだなぁと。
絶対音感の話ではありませんヨ。
(私は絶対音感を邪魔に感じ、20歳過ぎてから絶対音感を捨てた時期がありました。
今はなんちゃって絶対音感程度かと思います。)
絶対音感ではなく、あくまでも基本的な音の「高低」感覚のお話です。


 〜理解力の遅い子への寄り添い〜

このように私の理解力は、
周りの子たちに比べて発達がすごく遅かったように感じています。
とにかく苦労が多かった。
数の概念や方位知覚の発達が遅いということは、
学校の勉強すべてにおいて苦労したということです。

私の生徒さんで頭のいい子は、
学校の授業を聞けばその場で全部理解できると言います。
私にそんなことはほとんどありませんでした。
わからないことというのが必ずあり、
それは家に帰ってから親が教えてくれるわけでもないですし、
なによりも何がわからないのかすらわからなかったので、
質問することすらできなかったのではと思います。
そのため、わからないまま放置し続けるしかありませんでした。

算数は公文に通うことで追いつきました。
(大嫌いで、しょっちゅう宿題を溜め込んでいましたが。)
漢字は、「あ」と「め」の方位知覚で悩むくらいですから、
他の子に比べて覚えがすごく悪かったのではと思います。

頭のいい子って、何回か書くと覚えちゃうんですね。
私は生徒さんと接することでそのことを知りました。
頭のいい子ってお得なんだ!と、何度羨ましく思ったことか。
私はその子の何倍も練習しなければ、漢字を覚えることなどできなかったタイプです。
思考や知覚が未発達ということは、
発達している子より多くの経験を積まなければ、
理解や反射にまで至らないということです。

理解力の発達している子が2回書けば覚える漢字でも、
私は10回書いてようやく覚えるという具合。
しかも、すぐに忘れるので何日か持続させて書き続けなきゃいけない。
頭のいい子は覚えたことを、その翌日も、翌々日もしっかり覚えているんですよね。
これまた羨ましすぎる話。
たった数回書く練習をするだけで長期記憶に至るのですから。

こんな風に理解力の未発達に苦労してきた私は、
やはり私と同じように発達の遅い生徒さんの苦労が痛いほどよくわかります。
数回練習すれば漢字が書けるようになる、
数回練習すれば弾けるようになる子というのは、
そりゃ楽しいでしょう・・・と思ふ。(笑)

その何倍も練習しないとできるようにならないとなれば、
楽しいに至る前に苦労のほうが先にきてしまい、
ただ辛いという思いだけにとらわれてしまいます。
理解力の発達が遅い生徒さんが「わかる」という快感を得ることで、
ピアノの練習にやりがいを感じるようになる道程には、
ステップを細かくしていくことが大切と感じています。

躓くことの多い読譜もそうですね。
いかにステップを細かく刻み、必要以上の苦労を与えずに、
「わかる」という実感を持たせながら、反射へ繋げるための訓練をしていくか。
わからないまま反射の訓練へはいっても、わけがわからず辛いだけ。
苦手意識を育んでしまうようなものです。

私は発達障碍児へレッスンしていますが、
定型発達の子でも多くの子が読譜に躓きます。
それは子どもの思考や知覚が大人のそれとは違い、
まだ未発達だからと思います。
思考や知覚を育むには経験しかありません。

しかも、理解を伴う経験は、
1段飛びで先へ歩を進められるようなものではなく、
その1段を理解できていなければ先へ進むことができないというものです。
その1段を教えなくても理解できる子が1段抜かしできるだけの話で、
その1段を教えてもなかなか理解できない子に先の1段を指導したところで、
子どもはそこで躓いたまま前へは進めなくなってしまいます。

生徒さんの中には、私が躓いたところはスムーズに行き、
私が躓かなかったところで躓く子がいます。
躓く箇所は人それぞれなんですよね。

今回「音の並びと音の高低一致」について書きましたが、
音の高低については私は躓いたことのない点だったので、
10年前の生徒さんたちには申し訳ないことをしたと感じています。
当時の私はこの躓きの重要さに気づかないままレッスンしていたからです。

自分が躓いた経験がない点を見出してあげ、
そのためのスモールステップを考えることはとても難しいことですが、
そういう視点を持ち続けなければと自戒しています。


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2013年04月21日

(2)読譜の準備 〜音の並びと音の高低の一致〜

自分の頭を整理する意味合いも含め、
読譜について考えてみようと始めたブログ記事です。
文章最後に私が普段生徒さんに指導している方法をまとめた、
読譜教材を添付していけたらと考えています。

今構想中の内容は以下の通りです。

(1)読譜の準備 〜音の並び〜
(2)読譜の準備 〜音の並びと音の高低の一致〜
(3)読譜 〜図形の把握〜
(4)読譜 〜リズムと拍子感〜
(5)読譜と演奏 〜鍵盤把握と読譜の一致〜
(6)読譜と演奏 〜奏法と読譜の一致〜 

読譜教材の添付は、 銑い發靴はイ泙任鮃佑┐討い泙后
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(2)読譜 〜音の並びと音の高低の一致〜

※何故この面倒なアプローチをわざわざ挿入するのかについて、
別の視点からもう少し詳しく書きましたので、
こちらも合わせてご一読いただけましたら幸いです。
『布団の中で「音の高低」について考えてみた〜読譜指導において〜』


これまでピアノを指導してきて、
読譜になかなか理解を示さない子に共通していると感じるのは、
音の高低感覚の未熟さです。
絶対音感云々の前に、相対的な音の高低感覚が未熟なのです。

 こういう子の多くは喉のコントロールが苦手で、
2度の音程差であっても正しく歌うことができません。
また「この音よりこの音は高いかな?低いかな?」と、
かなり音域を離した問題を出しても、答えることができません。

 「高い」「低い」という言葉の意味と、
聞こえてくる音の感覚が一致しておらず、
言葉上の問題のため答えられない場合もありますが、
音の高低感覚の未熟な子は、
高低感覚の相違がわからず混乱します。

そこで私は、読譜指導をする前段階として、
音の高低への働き掛けをすることにしています。
「(1)読譜〜音の並び〜」でご紹介した読譜教材に慣れてきた頃、
音の並びと音の高低を一致させるためのアプローチを開始するのです。

(以下のグレー文字の文章は、改訂版で、新たに加えた文章です)

音の高低を伴わない音の並びへの理解は、
なかなか反射にまで至りません。
私たちが長い曲を暗譜できるのは音の高低を感じているから。
音の高低という感覚抜きに、
音名の並びだけで暗譜しろと言われたら、
暗譜できないのではないでしょうか。

このように、音の高低は反射に必要な感覚と思います。
ドレミファソラシドを反射的に歌えるようになったとしても、
ドシラソファミレドという逆行や、
ドミソ、ラファレなどの跳躍は、
音の高低を伴っていなければ反射的には歌えないものです。

音の並びが反射にならない子は、
反射的な読譜になかなか至りません。
私たちは1音1音ひとつずつ読んで弾いているわけではなく、
隣同士の音関係を「柄」として読んでいます。

そこにドがあり、次に順次進行で上行していると、
感覚的に柄を読んでいるんですよね。
だから、すぐにドレミと読める。
このような反射的な読譜が、演奏をスムーズにしてくれています。

ところが、楽譜に書かれた音符を一つ一つ独立させて読むことしかできない子は、
読譜しているうちに、3,4音前の音のことなどすっかり忘れてしまいます。
音同士の連なりを感じずに読譜するので、
メロディもなかなか覚えません。
そのため何度楽譜を読んでも、初見状態から脱却できないのです。

そのため私は、音の高低への感覚が未熟なため、
音の並びがなかなか反射にならない生徒さんに、
【音の並びと音の高低の一致】というアプローチを挿入することにしています。


読譜教材【音の並びと音の高低の一致(1)】
読譜教材【音の並びと音の高低の一致(2)】
http://musestown.livedoor.biz/dokuhu-otonokoutei.pdf


※【音の並び】の時点で、音感のよい子は音の高低と一致させて音の並びを学ぶのではと思 います。そういう子は【音の並びと音の高低の一致(1)】を飛ばし、【音の並びと音の高 低の一致(2)】へ進めてください。

※1日で(ステップ8)まで進めることのできる子、(ステップ1)で精いっぱいな子と、 状況は生徒さんによって異なってくるのではと思います。生徒さんの状態に合わせて進めて ください。

 ※ラ以上の音域を出すことは、子どもの未熟な喉にとって難しいことと思います。生徒さん の喉の発達に応じて、喉のコントロールが難しいようであれば、耳が音の高低を感じ取って いる程度でかまいません。

※どちらのアプローチも「歌う」ことが重要で、歌わずに答えるだけでは「高低」の感覚を身につけることはできないのではと思います。このアプローチは、歌うことで音の高低を感じるためのアプローチです。


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2013年04月19日

(1)読譜の準備 〜音の並び〜

これからシリーズで自分の頭を整理する意味合いも含め、
読譜について考えてみようと思っています。
また、文章最後に私が普段生徒さんに指導している方法をまとめた、
読譜教材を添付していけたらと考えています。

今構想中の内容は以下の通りです。

(1)読譜の準備 〜音の並び〜
(2)読譜の準備 〜音の高低〜
(3)読譜 〜図形の把握〜
(4)読譜 〜リズムと拍子感〜
(5)読譜と演奏 〜鍵盤把握と読譜の一致〜
(6)読譜と演奏 〜奏法と読譜の一致〜 

読譜教材の添付は、 銑い發靴はイ泙任鮃佑┐討い泙后
途中で流れが変わってしまったらごめんなさい。(^_^;)


line



(1)読譜の準備 〜音の並び〜

ドレミの符頭位置は、
音の並びの概念に沿って決められています。
そのため私は、読譜の指導以前に、
音の並びへのアプローチが必要と考えています。

特に、子どもは7歳頃まで非可逆的な思考しか持っていません。
これは可逆的な発想がないということです。
私たち大人は、ドレミファソという並びを教えられれば、
ソファミレドと可逆的に並びの概念を理解することができますが、
子どもにはそういう発想がないのです。

ドレミファソラシドはすぐ覚えたのに、
ドシラソファミレドはなかなか覚えない子。
ヘ音記号のドシラを何度教えてもドレミと読んでしまう子。
これらはすべて非可逆的な思考のため起きる現象です。

このような子は、
ミの下はレ、ラの下はソということをなかなか理解できません。
シの音符が目の前にあったとき、
上のドから数えれば「ド→シ」と早く読めるのに、
わざわざ下のドから「ドレミファソラ・・・シ」と数える子は、
可逆的な思考ができていないからです。

楽譜に「ドレミ」という音符の並びがあり、
その音符の流れはすぐ歌えるようになったのに、
次にくる「ミレド」という音符の並びがなかなか歌えるようにならない。
可逆的な発想がない子どもは、
楽譜に書かれた音符を左から右に読んでいくとき、
音符の並びは常に「ドレミファソ〜」という一方通行で進むと
思い込んでいることがあるのです。

音の並びの概念というそもそもの土台を理解していない上、
左から右に進む音符の流れは、
常にドレミファソという一方通行のはず!という勘違い。
「なんで?どうして?」
こういう子はわけがわからなくなり混乱し、
苦手意識だけがどんどん募り、
読譜に挑戦する意欲がなくなってしまいます。

そのため、私は五線に書かれた符頭の位置という、
「見た目」の読譜アプローチをする前に、
音の並びを反射で答えられるようになるためのアプローチを
先にすることにしています。


読譜教材 【音の並び】
http://musestown.livedoor.biz/dokuhu-otononarabi.pdf


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