ピアノ/ピアノの歴史

2005年03月26日

チェンバロの激情と浪漫

oriori折々の会のサロンコンサートへでかけてきました。
ミケーレ・ベネッツィによるチェンバロ・リサイタルです。
 
今回は今までと違った趣旨。曲目のほとんどが1700年半ば以降に作曲されたものでした。ということで、今日使われたチェンバロは、今までに聴いてきたチェンバロの中で、一番音色の変化や音量が豊かでした。
 
バッハの息子達やモーツァルトの時代は、チェンバロとピアノ、両方の楽器が併用されていた時代です。特に興味深かったのはコントラストの付け方について。
 
 
 
この時代のチェンバロを復元した今日の楽器は、
2段鍵盤で、数種類の音色を持つ楽器でした。なので、
コントラストがとても効果的につくのです。
 
思わずモーツァルト作曲Cdurのソナタを思い浮かべてしまいました。
この曲は第1主題も第2主題もかわいらしい主題で、
コントラストをつけるのが難しい曲です。
しかし、今回のようなチェンバロを使用したなら、
ピアノには敵わないコントラストを付けることが可能でしょう。
 
18世紀後半のチェンバロ、
この時代のソナタを「コントラスト」に焦点をあてて、
一度試し弾きしてみたい・・・・。
今度スタジオにでも行こうかな。
2段鍵盤のチェンバロが置いてあるスタジオ探さなきゃ。

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2005年08月22日

セブン・ブロードウッド

今日のCDに紹介した「セブン・ブロードウッド」。
国立音楽大学資料館が所蔵している、
1791年から1900年までに作られた、
7台のブロードウッド・ピアノの演奏CDです。

生で聴いたフォルテピアノの響きほど、
実感を伴って聴くことはできませんが、
時代を追っての演奏です。
録音でも十分にピアノの発展していく歴史を、
音色で感じることができます。

 

broadwood1820

 

1820年前後

音域:C1-c4

 

 

ベートーヴェンの時代のピアノ。
ベートーヴェンがあまりにも勢いよくピアノを弾くので、
ピアノの中は切れた弦でゴチャゴチャになったという話・・・。
この時代のピアノを見て、実際に音色を聴けば、
本当だったんだろうなぁ〜と実感を持って思えます。
それくらい今のピアノとは違います。

 

broadwood1850

 

1850年前後

音域:A2-a4

 

 

ショパンの時代のピアノ。
ピアノが異なると演奏法(表現方法)もかなり変わってきます。
特にこのCDで演奏しているバーネット氏のワルツは個性的。
でも、私はこのフォルテピアノ独特の表現が大好きです。
今のピアノでやったらくどくなってしまう・・・。
こうやってショパンの時代のピアノでショパンの曲を聴くと、
フォルテピアノで演奏されるショパンの方が、
私は好きなようです。

ショパンのように大きなコンサートホールではなく、
サロンで演奏することが多かったピアニスト(作曲家)の曲は、
特にフォルテピアノの方が「らしい」のかもしれません。

現代ピアノの方がベートーヴェンはしっくりくるのに、
ショパンはフォルテピアノの方がしっくりくる・・・。
面白いですね。

 

broadwood1900

 

1900年前後

音域:A2-c5

 

 

 

ドビュッシーの時代のピアノ。
現代とどこが違うの?というくらい豊かな響きです。

 

このCD、Amazonでは在庫切れのようです。
でも、今までの経験からいうと、
クリック数が多いと仕入れるのが早いような・・・。
気になる人はちょくちょくクリックしてチェックしてみてください。
取り扱っているショップは少ないです。
後は近所の楽器店で取り寄せ・・・かな。
聴く価値あり!です。


・・・・・私のお勧め音楽本・CD・DVDはこちら

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2006年03月11日

ショパンのアンサンブルを19世紀のサロンの響きで〜プレイベント

コンサート情報をアップしている利点。
普段見つけにくいコンサートをピックアップすることができる♪
やっぱりこういう機会がないと、なかなかみつけられません。
ピアノ情報を更新しなきゃ〜と思うからこそ見つけられたコンサート。

『ショパンのアンサンブルを、19世紀のサロンの響きで』

ふふふっ。
浜松市楽器博物館に展示されている、
1830年製とされるプレイエルでの演奏です。
複製じゃぁないですよ。本物です。

でね、今日はそのプレイベントだったのです。
演奏会のチケットを持っていけば、無料♪
静岡文化大学の小岩信治先生によるレクチャーです。
テーマは、ショパン時代のピアノ協奏曲について。

トリトンスクエアの会議室ということで、
プレイエルなしでのレクチャーかなぁと思ったのですが、
なんとなんと会議室に入ると、美しいプレイエルのお姿が!
14日演奏会でのピアニスト、小倉貴久子さんの演奏付レクチャー。

playel1830

どんな内容のレクチャーになるか、
まぁったくわからずに
「プレイベント」なる言葉に惹かれ
予約したレクチャーでしたが、
すっごく贅沢なレクチャーだったのでした。
行ってよかった〜〜!!






ショパン時代のピアノ協奏曲の楽譜。
3パターンで発売されていました。

・伴奏なしのピアノ独奏パートだけの楽譜
・ピアノ独奏パートと弦楽器だけの楽譜
・全パート譜つきの楽譜


当時、スコアというものは売られていなかったらしく、
すべてパート譜として発売されたそうです。

で、興味深いのは、ピアノ独奏譜と弦楽パートだけという組み合わせ。
何故こんな組み合わせがアリなのか?

当時上層ブルジョア階級の家庭には、
婦女子に「ピアノを習わせる」ことが流行りました。
乙女の祈り程度のレヴェルの人もいれば、
協奏曲を演奏できる力のある人もいました。
家族や友人たちを集めての私的なサロンコンサート。

このピアノ独奏譜と弦楽パートの組み合わせは、
「室内楽版」として、そういったサロンコンサートで楽しまれたのでした。

弦楽のパート譜には、小さな音符と他楽器名が書かれた場所があります。
今の私たちにとって、その小さな音符は、
自分が演奏しないときの音楽の流れを把握するためのものですが、
当時は全パートで演奏しない場合、
そのパート譜を演奏している人が、
小さな音符で書かれた他楽器のパートを代わりに演奏したのです。
全パートで演奏する場合は、
その小さな音符は演奏せずに、大きな音符だけを演奏しました。

ということで、完璧な編曲・・・というのとも違うんですよね。
演奏する部分が、他楽器の肩代わりをするために増えるというだけで、
全パートで演奏する際に演奏しなければならない場所は、
室内楽版でも全て演奏するのです。

14日の演奏会では、
この室内楽版で演奏されます。
他楽器の部分を、どの弦楽器が演奏するのかも聴きどころです。

今日の試みとして、
プレイベントに参加した人への特別なプレゼントがありました。
それは、ピアノ独奏部分にも、
小さな音符が書かれている・・・という点に注目した試みです。
ピアノ協奏曲は、ピアノソロにもなり得る
・・・という観点に立った演奏。
ピアノ協奏曲を聴いたことがなければ、
変に思わない、当たり前のように受け入れられる。
そんな演奏となりました。

この時代の楽曲は、とてもとてもフレキシブル!
小さい規模でも大きい規模でも、
同じ楽曲を同じように楽しむことができる。
だからこそ、家庭内で気軽にピアノ協奏曲を楽しめたんですよね。
そして、そういった楽譜発売による普及活動が、
クラシックの裾野を広げるのに一役かったのだと思います。

なんか、現代の凝り固まったクラシックにはない、
柔軟性と身近さを感じますよね。

ところで、今日聴いたプレイエルの音色。
冒頭でエオリアンハープを演奏してくれたのですが、
まさに「エオリアンハープの音色!」を感じさせるものでした。
ハーモニーの響き方も全く違います。
何故こんなに純粋な響きがするのだろうと思ったら、
最後に判明しました。

現代のピアノは弦を交差させて張っています。
ところが、このピアノは交差させていないんです。
今まで交差させることの利点しか目がいっていなかったのですが、
交差させることで諦めなければならなかったこともあったんですね。
それが、この音の純粋さです。
交差させることで、「にごり」が生じてしまうのです。
ハーモニーの響き、ダンパーの響きが、
こんなにも純粋に聴こえたのは、そのせいもあったのだろうと思います。

それから・・・これは想像ですが。
このピアノに感じたこと。(フォルテピアノ全般にそうではありますが・・・)
それは音の減衰の早さです。
言葉を変えるなら、音の伸びが今のピアノより短い。
そこからくる「にごり」のなさもあるんだろうなぁと思います。

音の伸びも、音量も、
現代のピアノとは比べ物にならないほど少ないピアノです。
でも、何故音色がこんなにも豊かで純粋なのか・・・・。
なんとも味わいのある音色なんです。
ピアノが発展してきたことを悪いことだとは思いません。
現代のピアノの伸びやかな音、深みのある音色は、
当時のピアノにはないものです。
ただ、当時のピアノには当時のピアノの魅力があります。
そして、私はその魅力にたまらなく惹かれます。

なかなか聴く機会の持てないフォルテピアノですが、
最近はこういったコンサートも増えてきたようです。
大きな音にばかり慣れている耳が、
こういう優しい音色を求めているのかもしれません。

こういう音楽を聴くと、すごくホッとします。

14日はこのピアノでピアノ三重奏も聴くことができます。
聴き所を今日聞くことができたので、
さらに楽しめそうです!。('-'。)(。'-')。ワクワク

興味のある方は↓まだ、チケットがあるかもしれませんよ。

3月14日19時開演 第一生命ホール(勝どき駅)
チケットぴあ コード:208-599
ノクターン作品9-2 バラード第1番
ピアノ三重奏曲 ピアノ協奏曲第1番(ドイツ初版に基づく室内楽版)



ショパンピアノ協奏曲の楽譜  ショパンピアノ協奏曲のCD

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2006年03月15日

ショパンのアンサンブルを19世紀のサロンの響きで

浜松市楽器博物館のフォルテピアノ、
1830年に製作されたとされるプレイエルによる演奏会へ行ってきました。
曲目は以下の通り。

playel1830


ピアノ三重奏 ト短調 作品8
ノクターン 変ホ長調 作品9-2
バラード第1番 ト短調 作品23
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
(ドイツ初版に基づく弦楽五重奏伴奏付き)

フォルテピアノ奏者は小倉貴久子さんです。



ピアノ三重奏。いや、存在は知っていたんです。
でも、聴いたことがありませんでした。(^_^;)
すっごくすっごく素敵!!
ショパンが室内楽曲をもっともっと残していてくれたらよかったのに。
そんな印象を抱くような曲でした。
三重奏でも、やっぱりショパンです。(笑)

ショパンは、室内楽曲を5曲残しています。
いずれも聴いていなかった私も私ですが・・・・。
これは聴かねば!と思った次第。

また、面白かったのはノクターン。
定型のノクターンばかり聴いていたので。
今ウィーン原典版で調べているのですが、
たぶんオックスフォード版もしくはブルニョーリ版の、
ショパン自身によるとされる装飾音を使用したのだと思います。
こんな2番聴いたことないよ・・・という装飾音でした。
これも、私の聴く数が少ないからかも。<(;~▽~)

この装飾音を選んだのは、このプレイエルだからだったのだと思います。
現代のピアノでやったら、場合によっては重くなってしまうかもしれません。
ところが、プレイエルの輝くような軽い音色で使用すると、
この装飾音が見事に美しく響き渡るのです。
プレイエルの響きもすばらしいけれど、
このプレイエルの良さを存分に引き出す小倉女史の演奏にも感動します。

ピアノ協奏曲第1番は、すごく意外な感想。
オケで聴くと、ピアノばかり目立つ曲ですが、
室内楽版で聴くと、そこにはアンサンブルがあるんですよね。
これは、今回演奏した方々の解釈で、
そのような演奏になったのかもしれないし、
もしくは、室内楽版でやると大概このような演奏になるものなのか・・・。
室内楽版というものを初めて耳にしたので、わからないんですよね。

第1楽章は、オケの方がいいかなぁ・・・なんて感想を抱いてしまいましたが、
第2、3楽章は、本当にすばらしかった!
プレイエルとガット弦の相性もすっごくすっごくよかったし、
一人一人の個性が際立つ五重奏ならではの演奏だったと思います。
特に、私は第1ヴァイオリンとチェロ奏者の演奏が気に入りました。

このプレイエルの音色。滅多に聴けないと思うと残念です。
澄んだ硬質な音は、1音1音独特な味わい深い響きで、
なにより弱音の美しさは目を見張るものがありました。
奏者が楽器によりインスピレーションを与えられることってあるのでしょうね。
プレイエルがショパンを引き出しているような、そんな錯覚を覚えたからです。
もちろん、小倉女史がすばらしい感性と技術を持ち合わせているからこそですが、
すごく不思議な体験でした。

またこのプレイエルの響きが聴きたいです。
そんな機会・・・今後あるのかしらん。
本当に貴重な体験をしました。

ところで、この演奏会テレビで放映されるようです。
5月1日(月)NHK BS 《クラシック倶楽部》午前10時〜10時55分

小倉貴久子さんのHPはこちら(ファンになってしまいました。)
第1ヴァイオリンを務めた桐山健史さんのHPはこちら
チェロを務めた花崎薫さんが関わる弦楽四重奏団はこちら

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2006年12月21日

ピアノの歴史1【鍵盤の歴史】

自分の脳みそを整理する意味合いも込めて、
ちょっとピアノの歴史について書いてみようかな・・・と。
今のところまで書いているので、
までは順次アップできるのですが、
それ以降はいつになるかわかりません。<(;~▽~)
ちょいと忙しくしているので・・・。
ただ、このままだといつまでたってもアップできなさそうなので、
とりあえず書いたものだけはアップしちゃうことにしました。


【鍵盤の歴史】

鍵盤ってピアノが生まれるずっと前からあったんですね〜。
鍵盤そのものの発達はオルガンとともにあります。
最初のオルガンは紀元前3世紀半ば
北アフリカのアレキサンドリアでクテシビウスにより考案された、
ヒュドラウリスという水圧を利用した楽器だそうです。
お風呂場で洗面器をひっくり返して上から押すと、
中の空気が水を押す・・・これを利用したオルガンです。

hydraulis

この楽器はパイプ列に送風して発音させるために、
キーが取り付けられたんですよね。
とはいえ、まだレヴァーと言ったほうがいいような段階だったようですが。
これらのレヴァーが盤状に整列していたようです。
・・・・・見たことがないので、どんな感じなのか見てみたいですね〜

その後、皮袋のふいごから送る空気で発音するオルガンが出てきて、
演奏に使わない音を鳴らさないようにする「ストップ」機能が生まれます。
(最初は、1つのキーを操作すると何本ものパイプが鳴ってしまっていたそうです。)

これらレヴァーのようなキーがボタン状に変わり、横に並ぶようになり、
ついには四角いボタン状で半音鍵も見えるようになるのは14世紀のこと。
この頃になると、オルガンは教会で使われるようになり、
15世紀頃からは教会の建築にあわせて設計されるようになりました。

ところで、黒鍵って最初からあったわけではありません。
白鍵だけだとファ-シ間の響きが増4度で響きが硬い!
そこで完全4度を求め♭シの鍵盤ができたそうです。
現代のように5つの黒鍵が揃ったのは、13世紀〜14世紀ごろかけてでした

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のだめカンタービレ特集♪


【パイプ・オルガン/CD】
パイプオルガン赤ちゃんのための子守歌集
オルガン音楽のすゝめ [豊田市コンサートホールのパイプオルガン]
パイプオルガンによる讃美歌集
パイプオルガン・讃美歌Xマス
パイプオルガン大好き
パイプオルガン・クリスマス
Tientos y Glosas en Iberia
Scheidemann - Organ Works
トッカータとフーガ / バッハ : オルガン作品集
ヘンデル:オルガン協奏曲集(作品4&7全曲)
結婚行進曲~華麗なるオルガン名曲集
バッハ/初期オルガン作品集「愛」
ラインベルガー:オルガン作品全集第5集
デュプレ:オルガン作品集第5集 「かくも喜ばしき日」「聖なる十戒」他
バッハ/中期オルガン作品集「望み」
バッハ/後期オルガン作品集「祈り」
レーガー:オルガン作品集(4)
サン=サーンス:オルガン作品集



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2006年12月27日

ピアノの歴史2【クラヴィコード機

・・・・ピアノの歴史 攜鞍廚領鮖法曚こちら


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【クラヴィコード/CD】
シークレット・モーツァルトクラヴィコード作品集
鍵盤音楽の領域vol.3
クラヴィコード作品集

ミューズ資料館には、ピアノ本&楽譜&CDがいっぱい!

 



【クラヴィコード機

Clavichord

クラヴィコードという言葉が初めて書物に現れたのは1404年
15世紀半ばには、この楽器の図面が記録されています。

「よいクラヴィコードは、音が弱いということを除いては、
音の美しさではピアノフォルテに劣らないし、
ベーブンクやポルタートをつけることができる点で、
ピアノフォルテよりも優れている」(P.E.バッハ)


ピアノはハンマーが弦を叩きますが、
クラヴィコードは
タンジェントと呼ばれる、
マイナスドライバーの先のような棒が弦を叩き上げます。
このタンジェントの材料は様々で、
木、動物の骨、鯨骨、真鍮などがありました。
鍵盤を押すと、てこの原理でタンジェントが上がり、
弦を打って発音させます。

この楽器、チェンバロと違って音の強弱がついたんです。
キーを強く押し下げると弦へのタンジェントの当りが強くなるので、
音量が大きくなります。
弱く押し下げれば音量が弱くなる。
これはチェンバロにはない大きな長所だったんですよね。

そして、もう1つの特徴。
P.E.バッハが言っている「ベーブンク」と「ポルタート」です。

先端にタンジェントをつけただけの簡単な装置だったクラヴィコードは、
てこの支点を中心に、ちょこっとだけ左右に動くのです。
このちょこっと左右に動く横揺れを利用して、
鍵盤を右か左に動かすと、タンジェントが弦に当たる位置が変わります。
当然音の高さが変わりますよね。
当時の演奏者は、この奏法で感情的表現を行ったのでした。
この奏法は「ポルタート」と呼ばれます。

そして「ベーブンク」。
これまたと〜っても魅力的な特徴なんですよ。
クラヴィコードでは指が鍵盤を押し下げている限り、
タンジェントが弦を突き上げて音が鳴り続けます。
そのとき鍵盤を押し下げている指の圧力を変えると、
鳴っている音に強弱が生じるのです。
ヴァイオリンでいうとヴィブラートのような効果ですが、
ヴァイオリンのヴィヴラートは音の高低によるものだから、
厳密に言うと、やっぱりヴィヴラートではないんですよね。
この奏法は「・・・・・」という点をスラーで囲んだ記号で示されました。
この記号が書かれていたら、その曲はクラヴィコードのために書かれたのだとわかります。


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