ピアノ/レッスン

2016年06月20日

教室のかたち

昨日は第16回目となる発表会でした。
私は年数を覚え、数えるのが苦手なのですが、
第1回目から参加している親御さんが教えてくださいました♪ 

気づけば16年。
生徒さんたちの顔ぶれはほとんど変わらないので、
みんなで共に歩んできた歳月となります。
16年前はみんな小さくて、
発表会も今のような落ち着きある空間ではありませんでした。

第1回発表会は、
発達障碍の子たちがまだ個人レッスンをしていなかったので、
ロープを使って電車に見立て、
音楽に合わせて客席を走り回ったり、
タンブリンやボンゴを使って合奏したり。

定型発達の子や大人の生徒さんを入れても、
まだ人数は少なく、
私の音楽性もまだまだ未熟でした。
そんなまだまだ未熟だった当時の私が目指していたところは、
みんなで音楽を楽しむ、
音楽のある生活を提案し、提供するということでした。

最初の10年で、これは定着したように思います。
当時は毎月弾きっこ大会という、
気軽に弾き合う会を開いていたので、
そこで交流が生まれ、
音楽が生活に根づくきっかけになりました。

また、発達障碍の生徒さんたちのおかげで、
お互いの子どもを比べるのではなく、
お互いの子どもの成長を喜び合う関係が育まれていきました。

数年くらい前からでしょうか。
発達障碍の子たちが高校生、成人になり始め、
全体的にみんなの音色が美しくなってきました。
響きを味わえるようになってきたのです。

もちろん、大人の生徒さんたちや
定型発達の子たちにも成長があります。
やはりみんな16年前より響きがよくなりました。
これにはみんなの成長もありますが、
私自身の音楽性の成長もあるのだろうと思います。

昨日は、お互いの成長を喜び合い、
音楽を楽しむことから一段上がって、
響きに身を浸してもらえる演奏、
お互いの音楽を味わう奥深さを感じました。

これには生徒さんたちの心の成長もあるように思います。
16年前これを目指したところで、それは無理だったことでしょう。
まずは音楽を楽しむこと。
そして、それを何年もかけて深めていくこと。
聴く人が心地よく身を浸してくれる音楽を奏でられるようになるには、
やはりそれなりの歳月が必要なのです。

それに、その時々にふさわしい発表会が
あるようにも思います。
16年前の発表会は、
やはり16年前の生徒さんたちの時期に応じた、
当時の教室にピッタリくる発表会でした。

今はほとんどの生徒さんが、
あの頃と同じ発表会では逆に不自然さが伴う、
落ち着いた年齢になりました。

まだ小さな子も数名いますが、
この子たちには成長したお兄さんお姉さんの姿、
趣味を満喫する愛好家の方々の熱演を聴き、
刺激を受けるいい空間になっているとも思います。

その時々に応じた教室の姿があるものなのですね。
いつも同じ姿なのではなく、
生徒さんの成長、私の成長とともに、
「教室のかたち」が変化していくということ。

昨日の発表会を見に来てくださった、
生徒さんのお友だちが、
私にピアノを習いたいとおっしゃっていたことを、
親御さんから伺いました。

ところが、私には空きがありません。
正確にいうと2,3年後の子どもの成長に応じた、
空き時間がないんですよね。
夕方から夜10時頃までの時間は、
今後も空く予定がないからです。

小学低学年では早い時間帯にレッスンできても、
2,3年後には学校から帰ってくる時間が遅くなり、
夕方以降でなければレッスンに通えなくなります。

そうなると私には空き時間がないのですから、
どこか他のお教室に移っていただくしかなくなってしまいます。
そう考えると、現在の私が受け入れられるのは、
早い時間帯に来られる大人の生徒さんだけ、
ということになってしまうんですよね。

教室も年を取っていくものなのだなぁと実感しています。
今いる生徒さんたちと共に年を重ねていくのが、
私の「教室のかたち」なのでしょう。
生徒さんたちはおじちゃんおばちゃんになり、
私はおばあちゃんになり。(笑)

昨日の発表会会場は飲食が可能だったので、
本番後に親睦会を開きました。
会場のフルコンを弾きたい放題!
みんなに「遊び弾きしたい楽譜を持ち寄るように」
と伝えてありました。

連弾譜を持ってくる人、
ヴァイオリンとヴァイオリンの伴奏譜を持ってくる人、
本番弾いた曲をもう一度弾く人、
レッスンで以前習った曲を弾く人。
気づけばピアノの空く時間がほとんどない、
音楽三昧な親睦会となりました。

みんながみんなの音楽に耳を傾け、
恥ずかしい人は「しゃべってて〜!!!」と大声で叫ぶという。(笑)

コミックエッセイ『発達障碍でもピアノが弾けますか?』の第20話で、
クリスマスサロンコンサートの雰囲気をお伝えしましたが、
今回は飲食がついていたということで、
さらにバージョンアップした感じでした。

あのときはたまたま時間が余ってのことだったので、
遊ぶ準備ができていませんでしたが、
今回はみんなフルコンで遊ぶ気満々でやってきており、準備万端!
思っていたより1時間以上解散時間が伸びるほど、
音楽三昧&おしゃべりし放題&食べ放題な時間となりました。


なんて素敵な音楽仲間に囲まれた人生だろう!


そう主人と語り合いながら帰途につきました。
こんなに長いブログ記事を書きつつ、
もっともっといろぉんなことが私の頭の中では駆け巡っています。
みんなの表情、演奏、会話。
昨日1日のことが頭の中で再生し続けていて。(笑)

音楽に身を浸すことの心地よさ。
音楽を共に味える仲間がいる幸せ。
音楽って最高〜! と思えた一日でした。


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2016年05月25日

第3音の響き

私は第3音がソプラノにくる響きが好きです。
だから、この2曲の冒頭が大好き。(ギロック)


s-DSCF0003

s-DSCF0002


何年前だったか、
知人が「オーケストラのような響きで好きだ」と、
私の演奏を褒めてくれたことがありました。
そんなことを言われたのは初めてのことだったので、
とても嬉しかったことを覚えています。

多分、私の響きが変わったのは、
第3音と限定進行音への意識が芽生えたから。

「ここはこんな響きじゃないはず。」と思ったときは、
必ず第3音をチェック。
第3音を意識した瞬間に、
「これこれ! やっぱり原因は第3音だった。」と思うことしばしば。

幼児に5指の型のスケールを教えていたとき、
「こんなところに第3音への意識が!」と驚いたことがありました。


s-DSCF0001


写真は、先日出版した『知っておきたい幼児の特性』の78ページです。
ムジカノーヴァ連載にはなかった、スケールについての加筆部分。


このアプローチは、私にとって第3音の響きの重要性を
強烈に感じさせられるアプローチとなっています。



このように、本にも一言添えましたが、
このことに気づいたときの私のショックといったら!
大切なのは頭でっかちな理解ではなく、
鋭敏な感覚なんですよね。

幼児期のうちから、
このような感覚を研ぎ澄ますためのレッスンができたなら。
そして願わくば、私の感覚も
年を重ねるごとに研ぎ澄まされていきますように♪


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2016年05月24日

幼児期のうちに拍子感を

FBに投稿したものの、
これはブログに投稿すべきだったかなと、
こちらにコピーすることにしました。


line


『知っておきたい幼児の特性』(音楽之友社)より 




 ―― 私は導入期の段階から、毎回の楽曲で「拍子打ちと歌詞で歌う」「拍子打ちとドレミで歌う」を徹底させています。弾くことよりこちらの方がずっと大切だと親御さんに説明をし、練習時間がとれないときは、弾くよりも拍子打ちと歌を優先していただくようお願いしています。 ―― 


私は子どもの頃、聴いただけでは
その曲の拍子がわからなかった記憶があります。
もちろん3拍子系なのか2拍子系なのかくらいはわかるのですが、
2拍子と4拍子の違い、3拍子と6拍子の違いを
聴き分けることができなかったのです。

この本に書いたノリの違いを体感できていれば、
演奏にもよるでしょうけれど、
演奏されている楽曲がどういうノリで演奏されているのかを
聴きとることができますし、
自分が演奏する際も意識的にノリを生み出すことができます。 

この本で「どんぐりころころ」を例に挙げたように、
楽曲のキャラクターと拍子って、
切っても切り離せない関係にあるんですよね。

導入期の教材には曲名のある曲が多いですが、
漠然とイメージするだけでは
その楽曲のキャラクターに応じた演奏にはなりにくいものです。
ところが、拍子打ちをしながら歌ってみると、
イメージとその音楽に繋がりが芽生え、
生き生きと表現できるようになるんですよね。

論理的思考が未熟で感覚が優れている幼児期のうちに、
表現を伴った拍子を”体感”しておくこと
(論理的に理解することではなく”体感”)が、
何年後かの瑞々しい演奏に繋がると信じています。

なによりバロック期の拍子と
ロマン派の拍子に私は体感の違いを感じますし、
同じ3拍子でもワルツとマズルカではノリが異なり、
これらは基本の拍子を体感できていなければ、
違いを体感することなどできませんよね。


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2016年04月23日

発表会で弾き語り

毎年6月に開催している発表会。
今年は家の事情で100%できるとは限らないのですが、
「急なキャンセルがあるかも」ということを
生徒さんたちにご理解いただいた上で、
発表会の準備を進めています。 

どうなるかわからない話なので、花、写真はなし。
シンプルな弾き合い会のような形式にするつもりでいます。

『発達障害でもピアノが弾けますか?』に登場した、
軽度知的障碍のなっちゃん。
なっちゃんは漫画に書いたように、
ヴァイオリンの子とアンサンブルがしたくてたまりません。
ところが、相方の子(漫画に登場したかおるちゃん)は高校を卒業し、
カフェレストランで働き始めたため、
体調も精神状態もいまいち。 

この1年、頑張って仕事を続けてきたものの、
今月に入ってから腰が痛いと言うようになったそうです。
もともと姿勢が独特で筋力が弱く、
階段も何かにつかまらないと降りられない子なのですが、
立ち仕事のせいで腰に負担がかかってしまったよう。

仕事には通っているらしいのですが、
今月中は週4日病院に通うとのことで、
1か月レッスンをお休みすることになりました。

ところが、なっちゃんは頭ではわかるけれど、
わかりたくない〜といった状態。(笑)
なにしろ、昨年もかおるちゃんが仕事に慣れていないということで、
アンサンブルできなかったのですから。


 「じゃぁ、チェロとアンサンブルしたい!」


次に、なっちゃんが白羽の矢を立てたのは、
チェロを習っているあかねちゃん。(漫画のエピローグに登場)
ところが、この子は漫画に登場したシンジくんからのリクエストで、
シンジくんとアンサンブルすることが決まっていたのです。


「じゃぁ、リョウくんはどうかな?連弾したいな。」


リョウくんも本に登場している男の子ですが、
この子も、このひとつ前のブログ記事のような状況で、
誰かと連弾ができるような余裕はありません。
その他の子たちも、みんなソロ曲で精いっぱい。
大きくなって生活との兼ね合いから、
連弾できるほどの余裕が持てないのです。

そこで思いついたのが弾き語りでした。
ちょうど今やっている前の曲が合唱曲をアレンジしたもので、
右手は歌と同じ旋律を奏でる譜。
もうすでに弾けるようになっている曲だし、
これなら弾き語りができそう。

なっちゃんは歌が大好きで、
ヴァイオリンのかおるちゃんと、
あみんの「待つわ」が歌いたいと
リクエストしてきたことがあったほどです。
このときは必死で下のパートを練習し、
クリスマス会に、
私の伴奏で2人でハモってくれました。


「ねぇねぇ、アンサンブルが無理ならさ、
弾き語りしてみたら?
弾きながら歌ったらカッコイイじゃん!
この曲なら、弾き語りできちゃうんじゃないかな?
ね、試しに今歌ってみてよ!」



レッスン中に思いついたことだったので、
その場でお願いしてみたところ、
スイスイと歌いながら弾けるので、
本人も楽しくてたまらなくなった様子。


「なつ、弾き語りする!」


ノリノリになってくれました♪
そこで、1曲はピアノソロ、1曲は弾き語りに決定!

今日のレッスンでは、
先週レッスンした歌と伴奏のバランスに気をつけながら、
弾き語りしてくれていました。
今日の目標は言葉の発音。
単語の1文字の発音がかすれてしまうため、
意味が伝わらなくなるところが何箇所かあったからです。
(例えば「つよく」が、「×よく」のように聞こえます)

でも、その一文字を○で囲んだだけで問題クリア!
ものすごく意識して歌ってくれるようになりました。

なっちゃんが弾き語りをするというので、
音響が趣味のお父さんもノリノリのようです。
毎年、音響はお父さんのご厚意に甘え、
お任せしているのですが、
今年は弾き語り用にマイクを購入するとか。

なっちゃんの歌声は、
漫画でお伝えしたように、とってもひたむきなんです。
だから、私はなっちゃんの歌声が大好き。

とうとうなっちゃんが弾き語り!
もう、ピアノを習い始めて16年ですもんね。
そりゃ、成長もするし、私もおばさんになるわけです。(笑)


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2016年04月20日

リョウくんの涙

『発達障害でもピアノが弾けますか?』に登場した、
自閉症のリョウくん。

昨日、リョウくんの苦しい気持ちに触れて、
もらい泣きしてしまいそうな瞬間がありました。 
高校を卒業して新しい環境になり、
調子が悪そうなリョウくん。


「ジブリの映画は悪い? ジブリの映画が見られません! 
また悪いやつがきちゃう? 恵美子先生! 聞いてください! 
12月○○日に怒られた? もう見ちゃダメって言うの。」
 


12月というのは去年のこと。
調子が悪くなると、12月のことがフラッシュバックします。
多分、ジブリ映画のDVDを見ていたとき、
なんらかの事情で再生を中断せざる得なくなくなったのでしょう。
リョウくんは最初から最後まで
全部通して見られないとパニックになります。
1、2回そういう中断を経験した程度では大丈夫らしいのですが、
同じDVDで何度も中断を経験してしまうとトラウマになり、
そのDVDが見られなくなるのです。 


「成長します。いつか見れる?」


これは、いつかトラウマを克服して、
もう一度大好きだったDVD を見られるようになりたいという、
リョウくんの気持ちの表れです。


「怪物くんも見れるようになったし、
崖の上のポニョも見れるようになりました。」



昨日は、かぐや姫のどこかのシーンが気に入らなかったようです。
以前、怪物くんでも同じことがありました。
悪い奴が出てきたのか、
それとも大好きな怪物くんに
許せない行動や言動があったのか?
その存在やシーンが許せなくなると、
それがパニックの引き金になるんですよね。
かぐや姫にも、もしかしたらそういうシーンがあるのかもしれません。 

最近は調子が悪くなると
「自分をコントロールします」と声かけをし、
後ろのイスに座ってもらい、
モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハト・ムジークをかけています。
音楽を聴いていると、落ち着きを取り戻すことができるからです。

普段は1度聴くだけで落ち着くのですが、
昨日は「もう大丈夫です」と
ピアノの前に戻ってきたにもかかわらず、
すぐにぶり返し、同じ状態に陥ってしまいました。


「Aちゃん(妹)が怒っちゃう?
お母さんも、Aちゃんも悲しむ?
ボクが悪いことをするんだ。
悪いことをするから怒っちゃう?悲しんじゃう?」



リョウくんが自分のことを責め始めたので、


「ジブリが見られなくなって悲しいのはリョウくんでしょう?
リョウくん、自分に優しくしてあげようよ。
お母さんもAちゃんも、リョウくんのことが大好きだよね?」

「うん。」

「先生もリョウくんのことが大好きだよ。
リョウくんはいい子だよ。悪い子じゃないよ。
だから、自分を怒らないで、もっと優しくしてあげようよ。」


そう話しかけていると、
リョウくんの目から涙がこぼれ落ちました。

愛する周りの人たちを怒らせたり、
悲しませたり、困らせたりしてしまう自分を、
ふがいなく思ってしまう。
そんな自分が嫌で、
パニックに陥る自分を悪い奴と思うのでしょう。

リョウくんの辛い気持ちに触れた気がして、
私まで泣いてしまいそうになるのをグッとこらえました。
左手でリョウくんの手に触れ、
右手でリョウくんの背中をさすりながら、


「自分を大切にしてあげようね。
自分に優しくしてあげようね。
ジブリはいつか見られるようになるよ。
崖の上のポニョだって、
成長して見られるようになったでしょう?」


と声をかけました。

表情が落ち着いてきたので、
もう一度モーツァルトを流したところ、
その後はフラッシュバックすることなく、
通常通りにレッスンを進めることができました。

毎回レッスン最後の5分は、
リョウくんのリクエスト曲を弾いてあげています。
この日、リョウくんがお気に入りの楽譜から選んだ曲は、
となりのトトロでした。


「いいね〜! 明るい気分になろう!」


トトロを聴いた後のリョウくんは、
表情が和らいではいたものの、
完全にリラックスできたという表情ではなかったので、
レッスン最後にいつもあげている
飴やマシュマロを2つ選んでもらいながら、


「甘くて美味しいよ♪ いい気分になって帰ろう!」


と促しました。
リョウくんは甘いお菓子を口に含むと、
気持ちが上向きます。
レッスン中も、あまりに調子が悪いときは、
モーツァルトを聴くだけでなく、
「飴でもなめたら?」と勧めることがあるほどです。

リョウくんも気持ちを上向きにしたいと、
強く願っているんですよね。
いや、リョウくん自身が一番それを願っているんです。

このときは、レッスンも頑張ったし、トトロも聴いたし、
甘いお菓子を口に含めば、
気分がもっと上向くかもしれない!
そんな期待をリョウくんから感じました。

そして、その期待通り、
しばらくするとリラックスした表情になり、


「次のレッスンは4月○日です!」


いつも通り元気な宣言をして、
帰っていきました。

リョウくんの知的障碍は、それほど重いものではありません。
楽譜も読めますし、
私の言葉もきちんと理解してくれます。

レッスンでは自傷行為は見られませんが、
日常生活ではパニックや激しい自傷行為があります。
パニックが収まれば、
自分が何をしたのか、どういう状況だったのか、
周りはそれにどう対処したのか、どう感じているのか、
全てを感じ、理解することができるんですよね。

あらゆることが見えているにもかかわらず、
自分をコントロールすることができないジレンマがあるのだと、
リョウくんの涙を見て思いました。

生活環境が様変わりし、
今はそれに対応するので必死なのだろうと思うのですが、
レッスンが日々の疲れを癒す、
穏やかな気持ちになれる時間になったならと願っています。


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2016年04月13日

レッスンでオルゴール実験

先日ブログ記事にしたオルゴール実験。
ほとんどの生徒さんに見せてあげることができました♪
親御さんも目をキラキラ輝かせて、
響板を覗きこんでくださいます。

私はストーリー仕立てでアプローチするのが大好き。
どのように筋道を立てたら印象深くなり、
ピアノ演奏に繋がる理解へと導くことができるのか?

5月に出版予定の
『知っておきたい幼児の特性』(音楽之友社)で、
スケールにおける23の小さなステップをご紹介していますが、
そのなかに自然的短音階から旋律的短音階まで、
一気にストーリー仕立てでアプローチする方法があります。
(このステップは小学2年生以上が対象)

オルゴール実験は、
短調のストーリーとはまた違いますが、
ピアノという箱そのものが楽器であり、
箱自体が鳴っているのだということを理解してもらえるような、
順序立てたアプローチにしたいと思いました。


【ステップ1:共鳴】

1)発音体を見せて、オルゴールの発音の仕組みを説明

2)発音体だけで音を鳴らしてみせる
  「いつも聴いているオルゴールより音が小さいね。」

3)生徒さんにオルガニートを廻してもらう
  「このテーブルの上で廻してごらん。」

4)音が大きくなって驚いている生徒さんに、共鳴について説明

5)オルガニートをいろんなものに共鳴させてみせる
  ピアノの椅子、箱、除湿機(意外にいい音色!)など


【ステップ2:響板の共鳴】

1)ピアノの弦とハンマーがオルガニートの発音体に相当すること、
 先ほどの実験でテーブルなどの共鳴体に相当するものが、
 ピアノにもあることを説明。
  「ピアノは何が共鳴していると思う?」

2)響板について説明
  ノートに響板という文字とふりがなを書く→「板が響くんだよ」
  「ピアノの響板はどこかわかる?」→生徒さんに探してもらう

3)響板の響きを感じる
  グランドピアノの下にもぐってもらい、
  「ア〜ッ!!!」と大きな声を出して見せる。
  「声だけでもかなり響くでしょ?響板が響いているんだよ。
  こうしてしゃべっているだけでも響くね。」

4)響板にオルガニートを当てたものを聴く:その1
  ピアノの下に潜り込んで聴いてもらう

5)響板にオルガニートを当てたものを聴く:その2
  蓋を半開にした状態のピアノの前に立って聴いてもらう


【ステップ3:弦の共鳴】

1)「今響いたのは響板だったよね。今度は弦も響かせてみよう!」
  →年齢の高い子には、どうしたら弦が響くかクイズに出す

2)「○○ちゃんは、椅子に座ってダンパーペダルを踏み続けていてね!」
  →ダンパーペダルを踏んだ状態で響板にオルガニートを当てて鳴らす


【ステップ4:まとめ】

1)蓋を半開にしたピアノの弦に向かいア〜ッ!と大声で叫ぶ。 
  →「声だけでもこんなに箱が響いているよ。
    ピアノは箱自体が楽器なんだね。」

2)生徒さんにダンパーペダルを踏んでもらい、
  蓋を半開にしたピアノの弦に向かいア〜ッと音程をつけて歌う。
  →「ダンパーペダルを踏むと、
    箱だけが響くんじゃなくて、弦もこうやって響くんだね。」


10分かからない程度のアプローチですが、
他のレッスンをカットしてでも、
こういうレッスンを大切にしたいといつも思います。

「響板を響かせるつもりで弾いてごらん。」

大人も子どもも関係なく
こう言って指先に意識を向けさせた瞬間、
生徒さんの響きが見違えてよくなるのを、
何度も目の当たりにしました。

楽器を知ることがいかに大切か。
頭で理解するだけではだめなんですよね。
楽器そのものの性質を体感できているということ。
体感できていれば、
その知識は感覚的に演奏に生きてきます。

大人も子どもも関係なく、
楽しい楽しいレッスン♪
こういう時間が大好き!


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emksan at 10:58|PermalinkTrackBack(0)