2022年07月02日
ペダルアプローチと自立への道のり
軽度知的障碍30歳のなっちゃん。昔はペダルを指導したとたん混乱し、できていたところが全く弾けなくなってしまうので、ペダルの濁りやタイミングへのアプローチはNGだったのですが、このところ混乱がなくなり、自分なりに試行錯誤できるようになりました。
『知っておきたいピアノ表現27のコツ』(音楽之友社)に書いた「指だけ踏んで〜」のアプローチは10年以上前にできているので、成長したなっちゃんに合わせ、さらにレベルアップしたものを今日レッスンしました。
なっちゃんはとても細い子で、体のコントロールがなかなか思うようにいきません。うちのピアノはペダルが重めなのでなおさら。先週下部雑音へのアプローチをし、原因を伝え、あとは一人で思考錯誤させる方がよいのかも?と「ペダル自主研究」を宿題にしました。
これがよかった!なっちゃんの成長をものすごく感じました。今日はあと一息!と思ったので、来週のレッスンで「指だけのときよく聴く」にまでもっていけたならと考えています。とりあえず今週は、踏むときのスピードをゆっくりさせるためのアプローチだけ。写真通りのタイミングで踏めることが目標♬

発達障碍の生徒さんは、中学生になってもあまり弾けるようにならないと、親御さんが諦めて辞めてしまうケースがあるようです。私は中学生以降に伸びるというケースを多く経験しています。諦めるのは本当にもったいない!
知的障碍の子も理解力は成長し続けます。理解力の成長に応じ理解できること、弾ける曲もレベルアップしていくものです。そして、生涯に寄り添う、人生の色彩を豊かにしてくれる趣味となっていきます。
この子は高校生になった頃から、親御さんの手を離れられるよう、レッスンノートを使って少しずつその訓練をしました。一人で練習できるようになるためには、工夫も期間も必要でしたし、親御さんの手を借りて練習するより1曲が仕上がるまでの期間は長くなり、仕上がりの質は低くなりました。でも、そういった経緯を経たからこそ、こうして今、親御さんの手を離れ、一人でピアノと向き合えるようになっています。
一歩一歩地道で長い道のりではありますが、せっかく習い始めたピアノ。中学生で辞めてしまうことなく、長く続けてもらいたいなと願っています。
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