2018年08月09日

岩手県大槌町でレッスン♪

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岩手県大槌町K先生の生徒さんたちに、レッスンをしてきました。ここでレッスンするのは2回目。前回と同じ子もいれば、初めましての子も。レッスンは、普段使用している教材でまだ仕上がっていない曲を、K先生の代わりに私がレッスンするというスタイル。今回は出席ノートにも私がサイン♪   

K先生は「中嶋先生に聞きたいこと、教わりたいことは?」というプリントを作成し、生徒さんたちからアンケートをとってくれていました。   

・指が速く動かない
・スタッカートがうまく弾けない
・指がバタバタ大きく動いてしまう
・猫背になってしまう
・いつもシの♭のところをシの♮で弾いてしまう   

などなど。K先生にいつも言われていることだったり、K先生が意外と思うようなことが書かれていたり。最後のシ♭のことに関してK先生は、「それはたくさん練習するしかないのでは?」と思いつつ、私がこれにどう答えるのか興味があったようです。(笑)   

どの教材からレッスンを受けたいのか、「私に聞きたいこと、教わりたいことは?」と質問してからレッスン開始。K先生が生徒さんの気持ちを整理していてくださったおかげで、みんなこの質問に悩むことなく「ここのところが」と具体的に教わりたいことを言ってきてくれたのが嬉しかった!   

こうしてみると、毎日の練習は30分が精いっぱい、いやいやもしかしたら20分でおしまい。場合によっては一週間に3日くらいしか練習できない子も、それぞれのピアノとの向き合い方に応じて「上手になりたい」という強い思いがあることがわかります。   

上手になりたいならそれに見合った練習量を・・・と推奨するのは簡単ですが、本人にしても親御さんにしても、それだけの練習量は求めておらず、自分たちなりのピアノとの向き合い方の中で上達していけたならと思っていたら? そして、練習量を増やさず、これまでと同じピアノとの向き合い方でも、上達できる方法がまだ残されているとしたら?   

私はこの20年間、練習量が少なくても、もしくは、理解が遅かったり手先が不器用でも基礎が身につくアプローチ、練習方法を模索してきました。なので、私が得意とするのは本格的な子へのレッスンより、こういうタイプの子へのレッスンなんですよね。   

大槌町のレッスンで驚いたのは、コンペに出るわけでも、本格的な道を目指しているわけでなくとも、他の先生のレッスンを受けてみたいと思う子がいるという事実でした。これにはK先生も驚かれていましたし、私もびっくり。今回は9名を2日間に分けてレッスンしました。年長さんの子以外は、全員45分レッスン。   

2日目の夜は、K先生へのレッスン。これはレッスンというより、指導におけるアドバイスのような感じ。ブルグミュラーなど生徒さんが弾く曲を中心に、私のアプローチ方法や指導のヒント、楽譜から読み取れることなどをお伝えしました。   

K先生のお教室には今後も継続して伺わせていただくつもり。前回6年生だった子たちが、中学生になってピアノを続けていたのは嬉しかったなぁ。愛情と熱意あふれるK先生だからこそ♪ みんな素直で明るくて可愛かった〜!

ところで、大槌町でレッスンを受けた子の中には、まだ仮設に住んでいる子たちがいました。震災前はピアノを持っていたけれど、仮設には電子ピアノを置くスペースもなく、キーボードでピアノを続けていたり。

その事実を知ったのはレッスン後のこと。だからなのか「かわいそう」という思いにはならず、そういう状況でも合唱伴奏を引き受けたり、私のレッスンを受けたりと、積極的にピアノを弾き続けているという、しなやかなたくましさに感動させられたのでした。たくましさと同時に、こういう子にはしなやかさがあるんだなぁ。

大槌町3日目は、《あぐどまめ》というK先生が主宰している児童合唱の練習へ。12月に私が作曲した『おおきなかぶ』を歌ってくれることになっているからです。毎年定期演奏会でジャックと豆の木やスイミーなど、音楽物語をやってきたそうで、今年は何をやろうと素材を探していたところ私の曲を聴き、「今年はこれを歌いたい!」と声をかけてくださいました♪ メールに添付した楽譜ファイルが、こぉんな素敵な冊子になっていてびっくり!K先生凄すぎッ!

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子どもたちのアイデアをどんどん取り入れてもらいたいと作曲したものなので、こんな風にアプローチしてはどうだろう?という私のアイデアをパワーポイントで作成し、「これを参考に、K先生のスタンスに合った方法でチョイス&アプローチしてください。」とお送りしていたのですが、K先生が私の思いに共感してくださり、このファイルをそのまま冊子に入れてくださっていたのが嬉しかった!   

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今年の定期演奏会は『おおきなかぶ』になったと子どもたちに伝えられたあと、K先生のご希望で私が絵本を読み聞かせ。その後音源を聴いてもらい、さっそく歌の練習。にわとりの鳴き声のウケがよかったなぁ。ブタやネコなど、動物の鳴き声の部分は特に、かしこまることなく、はじけて歌ってもらえたら嬉しい♪    

規模の小さな合唱団なのですが、「心から歌を味わい楽しむ」が子どもたちに浸透していて、コンクールを目指しストイックに練習するのではなく、日常の延長線上で歌う楽しさを大切にしていきたいというK先生の思いが見事に実っているのを感じてきました。透明感溢れる声と、子どもたちの年齢の違いを超えた仲の良さが最高!本番は12月下旬。聴きに行きたいと思っています。ワクワク! 

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※『おおきなかぶ』は、歌詞にブロンズ新社の著作権が発生します。そのため音源をこちらにご紹介することはできないのですが、ご興味のある方はFBで私までメッセージいただければと思います。

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emksan at 14:55│ ピアノ/レッスン