2018年07月17日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(13)

とうとう3日後!13回目となる今回が連載最後となります!



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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私が古楽を聴くようになったのは、チェンバロなどのバロック音楽がきっかけでした。現在でも古楽というと、鍵盤楽器ではチェンバロが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。ところが、打弦楽器にこだわるこのアカデミーの主役は、チェンバロではなくフォルテピアノです。
  
10年前、フォルテピアノの演奏を生で聴きたいと思っても、その機会はなかなか得られませんでした。「フォルテピアノ」という名称を知っているピアノ指導者も、少なかったのではないでしょうか。

現在、小倉さんのご活躍により、フォルテピアノの演奏を生で聴く機会が驚くほど増えました。そして、それらの演奏は「フォルテピアノはモダンピアノに至る途中の未熟な楽器」という既成概念を崩すものだったのです。そこには、フォルテピアノだからこその魅力と、フォルテピアノだからこそわかる当時のスタイル、価値観がありました。

アカデミー第1回となる今回のテーマは《古典派音楽》。これまで私たちが学んできた《古典派音楽》が、近代の価値観に浸食された、当時のスタイルとは大きくかけ離れたものだと知ったなら、モダンピアノで演奏するにしても、もう今まで通りの演奏はできなくなることでしょう。

20年ほど前、《チェンバロから学べること》がピアノ教育界に入ってきて、バロック音楽が見直されるようになりました。そして今、《フォルテピアノから学べること》として、古典派音楽が見直される時期がきているのです。

ソナチネ・アルバム、ソナタ・アルバムといった教材としての古典派音楽は、私たちピアノを学んできた者にとって非常に身近な音楽ですが、「音の粒を揃える」という誰もが一度は注意されたであろう言葉ひとつとっても、当時のスタイルや価値観とは大きくかけ離れていたりと、このアカデミーは、驚きと、これまで抱いてきた違和感が「腑に落ちる」機会となるに違いありません。

バロック音楽がそうであったように、今後、古典派音楽においても意識の変革が起こることでしょう。このアカデミーはその最先端で、私たちを世界の潮流へと導いてくれる存在なのです。
  
《フォルテピアノから見えること》 塚田 聡

 大きいものほど、儲かるものほどよいとされる資本主義の原理の中で、クラシック音楽もビジネス視点で考えられるようになり、ホール・音量、全てが大型化していった20世紀。大衆に受け入れられるように、また誰でも演奏できるように、楽器自体も演奏方法も均一化、マニュアル化してゆきました。権威づけられた演奏家により、そのマニュアルはどの時代のどの地方の音楽にも当てはめられ、それがクラシック音楽とひとくくりにされてしまったのです。

 クラシック音楽はかくあるべしという演奏法、教育法が確固と確立され、疑問を差し挟む余地すら与えないという、そんながんじがらめの状況に、疑問を抱く分子が動き出しました。 権威にまみれた王道ルートから飛び降り、音楽の本質、真の良さを追求していこう、という演奏家や愛好家の動きは止まりません。

 ちょっと大げさですが、窮屈な壁の中から出てきて自由な空気を吸いにおいでよ!と、みなさんに呼びかけたい気持ちでいます。ここには時代と地方、そして作曲家により異なる、実に個性的な音楽が、それに相応しい楽器で奏でて欲しいと色とりどりに咲き乱れているのです。

 フォルテピアノ・アカデミーで7台のフォルテピアノに囲まれて、今までの教育、受けてきた均一マニュアルが通用しない世界に最初は戸惑うかもしれませんが、そこで自身を開放すると見えてくる世界を躊躇なく受け入れて楽しんでもらえたらと思っています。

 私にとっての古楽の美点は何かと問われれば、謙虚で立派でないところ、でしょうか。クラシック音楽というと、風格と威厳があり、権威的、立派で重々しい、というようなイメージがあると思いますが、モーツァルトの音楽は全てその逆ですからね。

 言葉にしてみるならば、爽やかで自然な音楽。絵筆で繊細に線を描くようなメロディー、明晰で情感豊かな和声感、そして軽やかなリズム感、グルーヴィーなノリがそこにはあります。等身大で、友達になれるような感じ、威張ってない感じが好きですね。古典派の音楽はとりわけ人懐っこく、フレンドリーな音楽なのですから。

 古典派の作曲家の描いた心の微妙な移ろい、そして彼らが描きたかった世界を表現するために、フォルテピアノの繊細なタッチ、音楽表現を、3日間のアカデミーで感じ取ってみませんか?


アカデミーリンク用画像


《フォルテピアノ(ピアノ指導者限定)》
FBに非公開グループを作成しています。小倉貴久子さんもメンバーに加わってくださっている、とても贅沢なグループです。フォルテピアノについてよく知らないという方も大歓迎。投稿を読むだけでも面白いグループなので、どうぞお気軽にメンバーリクエストしてくださいね♪
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emksan at 09:32│ 第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLA