2018年07月02日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(9)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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会期中開かれるコンサートはどれも事前予約不要。当日急に思い立って足を運ぶのもアリという、とても気軽なコンサートです。アカデミー中日となる21日は2つのコンサートがあるのですが、今回はそのうちの一つ、入場無料のランチタイムコンサートをご紹介しましょう。

《第2回 ランチタイムコンサート》 
演奏:毛利美智子、加藤美季(フォルテピアノ)、圓谷俊貴(テノール)
2018年7月21日(土)13:15~13:45 
入場料:無料 
使用楽器:ブロードウッド製スクエアピアノ

使用楽器は、第5回でご紹介したスクエアピアノです。当時ブルジョワの家庭では、自らが演奏するという形で、このようなプログラムが愉しまれていたのではないでしょうか。娘のピアノに合わせて父親が歌ったり、お客様がいらっしゃると「ほら、何か弾いて差し上げなさい。」と母親に促されて娘がピアノを披露したり。家庭内に音楽がある光景は、日常だったに違いありません。

J.C.バッハ 1735-1782
 クラヴィーアソナタ イ長調 作品17-5 (毛利)
G.F.ピント 1785-1806
 グランドソナタ ハ短調 (加藤)   
 歌曲「自然への祈り」「羊飼いは清らかなニンフを愛した」(圓谷&毛利)
J.ハイドン 1732-1809
 歌曲「船乗りの歌」(圓谷&毛利) 
 
ヨハン・クリスティアン・バッハは、J.S.バッハの末息子。シリーズ演奏会《小倉貴久子のモーツァルトのクラヴィーアのある部屋》の第3回と第30回で取り上げられた(第30回は《J.C.バッハとW.A.モーツァルトのクラヴィーア協奏曲》としてCD化)、モーツァルトが最も影響を受けた作曲家です。「ロンドンのバッハ」と呼ばれ、ロンドンではスクエアピアノの普及に貢献しました。
  
ジョージ・フレデリック・ピントは、前述のシリーズ演奏会第26回に取り上げられている作曲家です。イギリスに生まれた早世の天才で、なんと20歳という若さでこの世を去ってしまいました。ハイドンをロンドンに招いた音楽興行師として有名なザロモンは、「もし彼が生きながらえていたならば、イギリスは第2のモーツァルトを生み出す名誉を得たであろう」と評したそうです。
  
プログラム最後はハイドンの歌曲。入場無料のランチタイムコンサートでこの贅沢なプログラム! これはアカデミーだからこそではないでしょうか。

《塚田 聡さんのミニコラム》

このスクエア・ピアノによるコンサートで取り上げられる曲は全てイギリスで書かれた作品になります。中嶋さんがおっしゃられる通り、イギリスでは特に新興のブルジョア市民たちによってこうした曲が広く演奏され、また作曲家自身の演奏により〈ハノーヴァー・スクエア・ルームズ〉など、市民の集う気軽なコンサート会場で披露されていました。

このコンサートで演奏する、毛利さん、加藤さんは現在、東京藝術大学の大学院で、フォルテピアノを専門に小倉貴久子の元で勉強している学生です。圓谷くんは、藝大にまず歌で入学し、その後、チェンバロ科で入り直すという才能の持ち主。今でも小倉貴久子の元で熱心に鍵盤楽器演奏を学んでいます。

ところで、リート歌手にフォルテピアノが密かに好まれていることをご存知ですか?繊細な表情を出したいのに、爛々と鳴る現代のピアノにかき消されてしまう声。息を混ぜたり、ささやいたり、ため息をついたり、そんな表情に寄り添ってくれるフォルテピアノと共演したいという歌手が少なくないのです。

また、木目で小ぶりのフォルテピアノの前に、ヴァイオリンやチェロを置いてみましょう。想像するだけで素敵なアンサンブルになりそうでしょう? フォルテピアノは歌や他の楽器とのアンサンブルで、その良さがより発揮される楽器なんです。

フォルテピアノ・アカデミーSACLAでは、できる限り、次回からも様々な楽器とのコラボレーションを楽しみたいと考えています。

アカデミーリンク用画像

《フォルテピアノ(ピアノ指導者限定)》
FBに非公開グループを作成しています。小倉貴久子さんもメンバーに加わってくださっている、とても贅沢なグループです。フォルテピアノについてよく知らないという方も大歓迎。投稿を読むだけでも面白いグループなので、どうぞお気軽にメンバーリクエストしてくださいね♪
https://www.facebook.com/groups/189358371794097/


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emksan at 10:38│ フォルテピアノ・アカデミーSACLA