2018年06月15日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(4)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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今回ご紹介するアカデミー使用の楽器は、デュルケンとヴァルター。どちらも1795年製の復元楽器です。のちほど登場するスクエアピアノはイギリスで大流行した楽器なので、たくさん現存しているのですが、18世紀のフリューゲル型フォルテピアノ(グランドピアノのような)はそうはいきません。現存する楽器が少ない上に、劣化も激しい。

私は18世紀のフォルテピアノについては、現存する楽器より復元楽器の方がよい音色がすると感じています。実際、当時は劣化した音ではなく、劣化する前の音が響いていたわけで、復元楽器の方が当時の音色に近いのではないか?と想像したり。アカデミーで使用されるデュルケンは太田垣至さんが製作したもので、受講生は毎日の練習で弾くことができます。ヴァルターは小倉貴久子さんご所有の楽器でマーネによる製作です。

これら2台とも、ダンパーペダルは足ではなく膝にあるのですが、これが試してみるととても難しい! タイミング通りにできたとしても、指に影響が出てしまう。モダンピアノのペダルのように足先を動かすだけとは異なり、太もも全体を持ち上げることになるわけで、動きが大きく結構な運動量なのです。そのうえ、弾いている鍵盤の真裏でそれが行われるわけで。

当時のフォルテピアノは簡単に大きな音が出せるわけではなく、何度かレッスンを受けている私には、まだつかめずにいるコツのようなものがあります。指だけですら思い通りの音色や音の抑揚にならないのに、それに加えて膝レバーというのは、かなりハードルが高い。

アカデミーの受講生は、会期中フォルテピアノで練習ができます。連続3日間フォルテピアノで練習できるというのは、本当にありがたいこと。私のようにモダンピアノしか持っていない人は、フォルテピアノで練習できる機会がないのです。第一スタジオがない。チェンバロのスタジオはあっても、18世紀のフォルテピアノが置かれたスタジオはありません。

私がこのアカデミーに飛びついた理由はここにあります。毎日フォルテピアノで練習できるのですから、膝レバーに挑戦するつもり。聴講生に定員はありませんが、受講生は定員8名。今年は定員いっぱいになってしまいましたが、フォルテピアノで練習してみたい方は、ぜひ来年挑戦してみてくださいね!

《塚田 聡さんのミニコラム》

この2台のフォルテピアノは、モーツァルトとベートーヴェンに愛奏されたことで知られるウィーン式アクションの楽器です。

ウィーン式アクションとは別名、跳ね上げ式とも呼ばれ、原理がとてもシンプルで、キーを押すと奥にあるハンマーが跳ね上がって打弦するというもの。 アクションが軽く複雑性がないということは、指の細やかな動き・表現をダイレクトに弦に伝えることができることを意味しています。

特にデュルケンは軽やかに転がるモーツァルトの音楽そのもののような楽器です。ヴァルター・モデルの楽器は、ベートーヴェンがウィーンで最初に手にしたピアノに近いもので、デュルケンより音がしっかりとしてきます。作品2のソナタ集のような細かく動き回る音楽は、このような楽器を前にして書かれたのか、と納得するはず!5オクターブしか音域がありませんが、なんと作品31までのソナタはこの楽器で演奏することができるのですよ!

ウィーン式アクションをものにするには、相応しいタッチを身につける必要があります。抜けの良いダイナミックな表現から、静かに歌うテクニックまで、このふたつの楽器と向き合ってウィーン古典派の音を追求してみてください!作品が生命力をもって蘇る姿を見ることができるはず!


《デュルケン》
新デュルケン2

《ヴァルター》
新ヴァルター2

《会期中のコンサート》
2018年7月20日(金)11:00開演(1時間)
会場:さいたま市プラザウエスト内 多目的ルーム
入場料:2,000円
使用楽器:A.ヴァルター、J.L.デュルケン、クラヴィコード

  
《フォルテピアノ(ピアノ指導者限定)》
FBに非公開グループを作成しています。小倉貴久子さんもメンバーに加わってくださっている、とても贅沢なグループです。フォルテピアノについてよく知らないという方も大歓迎。投稿を読むだけでも面白いグループなので、どうぞお気軽にメンバーリクエストしてくださいね♪
https://www.facebook.com/groups/189358371794097/


アカデミーリンク用画像

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emksan at 09:32│ フォルテピアノ・アカデミーSACLA