2018年06月11日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(3)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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今回ご紹介する楽器は、タンゲンテンフリューゲルという楽器です。実はこの楽器、私は見たことも聴いたこともありません。アカデミー公式サイトの紹介ページにある写真は楽器内部だけ。(※写真使用のご許可を得ています。) なんとも当日がワクワクと楽しみになる楽器なのです。

1717年にドイツでシュレーターという人が考案した楽器で、シュレーターは「我こそはピアノの発明者」と主張していました。なんと、あのモーツァルトもウィーン移住前のザルツブルクで、シュペート製作のタンゲンテンフリューゲルを愛用していたそうですよ。これは弾いてみたい&聴いてみたい!
  
ところで、発音の仕組みについてですが、これがとっても変わっているんです。

キーの後方の加速レバーにのった木片を飛ばして弦を打ち、自然落下させる。

写真の手前に見える四角いものが木片でしょうか。これを「弦が打つ」ということのようです。音色はチェンバロに似ていて、タッチによって音の強弱がつけられるため「表情豊かなチェンバロ」として18世紀ドイツで愛用されていたそうです。

《塚田 聡さんのミニコラム》

モーツァルトのザルツブルク時代に身近にあったタンゲンテンフリューゲル。日本には上野学園の楽器博物館で現物を見ることができますが、なかなか演奏会場に持ち出すことの難しい楽器です。

その楽器とはまた異なる、シュレーターの考案したアクションによる復元楽器が今年、久保田彰さんの工房で完成しました。 機構はいたってシンプルなもので、キーの後方が木片を飛ばし、自然落下させるというものです。

跳ねた木片がまた弦に当たり2度打ちをしないの?
ダンパー(消音装置)はついているの?

様々な疑問を抱きながら久保田さんの工房を訪れ弾いてみると、消音はよく利き、タンジェントが2度打ちすることもありません。製作者に尋ねても、「どうしてでしょうね?」という肩透かしをくらうような返答。

音色はやはりチェンバロを思わせる上品なもの。しかし強弱がつくというすばらしい楽器です。 この楽器を近くで覗ける・聴けるチャンスをお見逃しなく!
7月21日17:30からのコンサートでは、久保田彰さんのトークもありますので、こちらもお楽しみに!


新タンゲンテンフリューゲル

《会期中のコンサート》
小倉貴久子コンサート(久保田彰とともに)
2018年7月21日(土)17:30開演(1時間)
会場:さいたま市プラザウエスト内 多目的ルーム
入場料:2,000円
使用楽器:クリストーフォリ、タンゲンテンフリューゲル 、クラヴィシンバルム



アカデミーリンク用画像

《フォルテピアノ(ピアノ指導者限定)》
FBに非公開グループを作成しています。小倉貴久子さんもメンバーに加わってくださっている、とても贅沢なグループです。フォルテピアノについてよく知らないという方も大歓迎。投稿を読むだけでも面白いグループなので、どうぞお気軽にメンバーリクエストしてくださいね♪
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emksan at 09:33│ フォルテピアノ・アカデミーSACLA