2018年06月08日

もっと知りたい!フォルテピアノ・アカデミーSACLA(2)



今年の夏、歴史的な幕開けになるであろう第1回フォルテピアノ・アカデミーSACLAが開催されます。フォルテピアノの第一人者である小倉貴久子さんがプロデュースする、古典派時代のフォルテピアノにどっぷり浸れる贅沢な3日間です。主催は《知っておきたい!トレンド古典派音楽》の塚田聡さんが代表のメヌエット・デア・フリューゲル

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(1)では、ピアノを発明したクリストーフォリの復元楽器をご紹介しましたが、アカデミーで使用する楽器はこれだけではありません。これからそのすべてをご紹介していきましょう!

まずは、前回写真だけの紹介となったクリストーフォリ。クリストーフォリがピアノを考案したのは1700年頃のこと。この頃、バッハとヘンデルは15歳くらいですね。クリストーフォリのピアノには、ひとつの鍵盤に対して弦が2本張られています。現代は3本の弦が張られていますが、発明されたばかりの頃は2本。箱はチェンバロの箱を借りたものでしたし、弦も細く、ハンマーは親指大の羊皮紙を中が空洞のシリンダー(円筒)状に固めたものでした。聴くとモダンピアノの音色より、チェンバロの音色に近いです。それくらい繊細な音色なんですね。
  
「ピアノもフォルテも出せるチェンバロ」として発明されたこのピアノは、「小さなハンマーのついたチェンバロ」と呼ばれたこともあったそうです。そのため「クラヴィチェンバロのための」と書かれた曲でも、一概にチェンバロのためとは言い切れません。チェンバロで弾く人もいれば、新しい楽器のピアノで弾く人もいた時代なのですね。


《塚田 聡さんのミニコラム》

ピアノ第1号はイタリア、フィレンツェで産まれました。世界最初の発明品と聞くと、なんとなく不完全な試行作のようなイメージをもたれるかもしれませんが、クリストーフォリの発明は本格的なもので、その複雑なアクションに驚かされます。中間レバー、エスケープメント・ジャック、バック・チェックまで備えられていて、そこには現代ピアノに引き継がれてゆく基本的構造がすでに組み込まれているのです!

下からハンマーで叩いても弦が浮かないように弦止めの板が上部に備え付けられていたり、ハンマーが筒状だったり細かいところまで工夫が凝らされています。

外観はチェンバロと同じサイズですが、アクションが複雑なのでタッチは意外と重く感じられると思います。 音色はピアノというよりもチェンバロのような華やかな音色で、まさに命名の通り、「グラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(弱音と強音をもつチェンバロ)」というのを実感されることでしょう。


新クリストーフォリ

《会期中のコンサート》
小倉貴久子コンサート(久保田彰とともに)
2018年7月21日(土)17:30開演(1時間)
会場:さいたま市プラザウエスト内 多目的ルーム
入場料:2,000円
使用楽器:クリストーフォリ、タンゲンテンフリューゲル 、クラヴィシンバルム


アカデミーリンク用画像

《フォルテピアノ(ピアノ指導者限定)》
FBに非公開グループを作成しています。小倉貴久子さんもメンバーに加わってくださっている、とても贅沢なグループです。フォルテピアノについてよく知らないという方も大歓迎。投稿を読むだけでも面白いグループなので、どうぞお気軽にメンバーリクエストしてくださいね♪
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emksan at 08:42│ フォルテピアノ・アカデミーSACLA