2017年09月13日

フォルテピアノ第一人者小倉貴久子さんへのインタビュー(4)

第3弾に引き続く内容の第4弾。小倉さんは、モダンピアノに向かうときフォルテピアノのどういった点を生かしていらっしゃるのでしょう? もっと詳しく知りたいと思われた方は、9月20日に発売される「フォルテピアノから知る古典派ピアノ曲の奏法」がお勧めです。もちろん私も予約済み! いつか小倉さんにレッスンを受けるべく、インタビュー記事を読み直しながらピアノの練習に励んでいます♪




【小倉貴久子さんへのインタビュー】
ムジカノーヴァ2014年6月号より インタビュアー中嶋恵美子


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―― 小倉さんは、モダンピアノに向かわれるとき、フォルテピアノのどういった点を生かしているのですか?

 例えば、モーツァルトをモダンで演奏するときには、フォルテピアノの音の減衰の速さを再現するために、フォルテピアノよりも音の切り上げをずっと早くしていますね。とは言っても、今日はモダンだからそうしようとねらってやっているわけではなく、自然とそうなる。結局、耳ですよね。フォルテピアノで演奏しようと、モダンピアノで演奏しようと、常にそこにあるのは作品の本質を伝えたいという思いだけです。
 私はモダンピアノでラヴェルやドビュッシーを弾くときよりも、モーツァルトを弾くときのほうが、指の強さの必要性を感じています。モダンは、ある程度の重さをかけないと芯のある音が出ないので、その点は気を付けて弾いています。


―― モダンピアノは音の立ち上がりと減衰が違うわけですが、テンポ設定は変わってきますか?

 テンポは、子音がはっきり聴こえるか、アーティキュレーションがちゃんと表現できるか、このあたりで決まってくるので、響きのよい空間だと遅くなって、響きがドライなところでは速くなる。反応の悪いピアノだと遅くなるし、軽いピアノだと速くなります。

―― 20世紀に活躍したピアニストのCDを聴くと、ピアノそのものが違うって感じがしますね。フォルテピアノにしても減衰の速さが美しい。だから、特にバロックやモーツァルトの作品では、音が重なったときの繊細な美しさが違うんですよね。モダンだといつまでもポーンと音が鳴ってしまうので・・・。

 繊細な美しさを存分に味わえないことがありますよね。ピアノの音が減衰していく美しさ、ピアニッシモの中で可能となるたくさんの表現、そういった面に目が向かないのはとても残念です。奏者のすぐ近くで聴けるサロンコンサートも、モダンピアノでは音の洪水にやられてしまって、サロンならではの魅力を味わえないことがありますし。

―― 古楽器だから味わえる贅沢な楽しみ。それを味わえる場所がサロン。ぜひ、読者の方々にもサロンで聴いていただきたいですね。


小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》
第29回 J.B.アウエルンハンマー


二台のクラヴィーアのための作品と連弾曲
小倉貴久子 山名敏之
〜使用楽器〜
Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]
Klavier made by Itaru Ohtagaki after J.L.Dulcken [1795]

2017年9月28日(木)
午後7時開演(開場6:30) 近江楽堂
全席自由4000円 学生2000円

《チケット取り扱い》
イープラス  
メヌエット・デア・フリューゲル 048-688-4921
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999

小倉貴久子さんの演奏会情報はこちら


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emksan at 12:34│ 音楽/本・CD | ピアノ/練習&勉強