2017年05月09日

第5回表現のコツ(ムジカノーヴァ連載)

ムジカノーヴァ連載『表現のコツ』も早いもので第5回。
来月号が最終回となります。

この連載を書くことにしたのは、
「私にはセンスがない」と諦めている人が、
思いのほか多いと知ったからでした。

実は私もその1人。
今はそこから抜け出し、
楽しく楽曲と向き合えるようになっています。

ここに至るまで、
さまざまな試行錯誤がありましたが、
こうした試行錯誤は実感を伴っているので、
指導にものすごく活かせるんですよね。


テクニックと表現は表裏一体であり、
漠然と練習に取り組むよう勧めるのではなく、
生徒さんに納得してもらえる情報を提供できる

理論と体感の一致



これらをテーマに連載を書き進めてきましたが、
感覚を文章にすることは、
私にとってひとつの挑戦。
みなさんに伝わる文章になっているでしょうか?

第1回余韻をコントロールする は、
”ピアノにできる音楽表現の基本”をテーマに、
以下の内容を、
ピアノという楽器の仕組みから考えていきました。

・美しく歌うために必要な感覚
・鍵盤の深さを知る
・切る音の長さを意識する
・ペダルで余韻をコントロールする


この連載では、
テクニックと表現の表裏一体をお伝えするため、
比較実験のほか、練習方法の提案もしていますが、
第1回は「空中でイメージトレーニング」という、
私が普段生徒さんにしている、
脱力へのアプローチをご紹介しました。

第2回から第4回は、
”拍子と呼吸を感じるだけで表現は変わる”をテーマにし、
第2回拍子を感じるってどういうこと? 
第3回同音連打に表情を
第4回ブレスの位置を大切に という
3つの項目に分けて書きました。

第3回以降は
拍子感が伴っていることを前提とするため、
第2回で拍子を体感していただけるよう、
比較実験を中心に書きました。
体感を通して拍子を理解するには、
比較実験がよいと感じているからです。

第3回の同音連打は、
拍子感を基本とした応用編。
第4回は拍子感を伴った上での呼吸についてでした。

音楽に呼吸が上手く乗らないと
「しっくりこない」という違和感を抱いてしまいます。
センスがないと諦めている人の原因は、
拍子感と呼吸が80%以上を占めているのではと思うほどで、
これが解消されると、
無駄な力が抜けて脱力しやすくなり、
弾けなかった箇所が弾けるようになることも多いんですよね。

そんな生徒さんたちを目の当たりにすると、
テクニックと表現は表裏一体なのだと、
つくづく実感させられます。


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第5回となる今月号は、
音量に幅を持たせるための工夫、でした。
これは「そう聴こえるということ」がテーマとなっています。

楽譜にフォルテと書かれていたら、
ただやみくもに

強く弾く

のではなく、

フォルテに聴こえるように弾く

ということです。
これは、クレッシェンドにも言えることで、
だんだん音を強くしていったところで、
聴き手がクレッシェンドに感じなければ、
体感としてはクレッシェンドになっていないということですよね。
大切なのは「クレッシェンドに聴こえるように弾く」ということ。

第5回連載で書いたのは、
このような「そう聴こえる」ための工夫です。
楽譜の指示通りに弾くとはどういうことなのか?
そこに書かれているのは、
「そう聴こえるように」という指示なんですよね。

連載最後とのなる第6回は、
”楽曲を知る”をテーマとした『音楽の句点』です。
みなさんご存知のトニックやドミナントが出てきますが、
理論と感覚を一致させるための比較実験や練習方法、
D→Tに聴こえるためのコツを書いています。
キーワードは限定進行音。

連載に書いてきた、
さまざまな実験を通して、
理論を体で感じていただけたら嬉しく思います。


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emksan at 13:07│TrackBack(0) ピアノ/How to 

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