2016年04月13日

レッスンでオルゴール実験

先日ブログ記事にしたオルゴール実験。
ほとんどの生徒さんに見せてあげることができました♪
親御さんも目をキラキラ輝かせて、
響板を覗きこんでくださいます。

私はストーリー仕立てでアプローチするのが大好き。
どのように筋道を立てたら印象深くなり、
ピアノ演奏に繋がる理解へと導くことができるのか?

5月に出版予定の
『知っておきたい幼児の特性』(音楽之友社)で、
スケールにおける23の小さなステップをご紹介していますが、
そのなかに自然的短音階から旋律的短音階まで、
一気にストーリー仕立てでアプローチする方法があります。
(このステップは小学2年生以上が対象)

オルゴール実験は、
短調のストーリーとはまた違いますが、
ピアノという箱そのものが楽器であり、
箱自体が鳴っているのだということを理解してもらえるような、
順序立てたアプローチにしたいと思いました。


【ステップ1:共鳴】

1)発音体を見せて、オルゴールの発音の仕組みを説明

2)発音体だけで音を鳴らしてみせる
  「いつも聴いているオルゴールより音が小さいね。」

3)生徒さんにオルガニートを廻してもらう
  「このテーブルの上で廻してごらん。」

4)音が大きくなって驚いている生徒さんに、共鳴について説明

5)オルガニートをいろんなものに共鳴させてみせる
  ピアノの椅子、箱、除湿機(意外にいい音色!)など


【ステップ2:響板の共鳴】

1)ピアノの弦とハンマーがオルガニートの発音体に相当すること、
 先ほどの実験でテーブルなどの共鳴体に相当するものが、
 ピアノにもあることを説明。
  「ピアノは何が共鳴していると思う?」

2)響板について説明
  ノートに響板という文字とふりがなを書く→「板が響くんだよ」
  「ピアノの響板はどこかわかる?」→生徒さんに探してもらう

3)響板の響きを感じる
  グランドピアノの下にもぐってもらい、
  「ア〜ッ!!!」と大きな声を出して見せる。
  「声だけでもかなり響くでしょ?響板が響いているんだよ。
  こうしてしゃべっているだけでも響くね。」

4)響板にオルガニートを当てたものを聴く:その1
  ピアノの下に潜り込んで聴いてもらう

5)響板にオルガニートを当てたものを聴く:その2
  蓋を半開にした状態のピアノの前に立って聴いてもらう


【ステップ3:弦の共鳴】

1)「今響いたのは響板だったよね。今度は弦も響かせてみよう!」
  →年齢の高い子には、どうしたら弦が響くかクイズに出す

2)「○○ちゃんは、椅子に座ってダンパーペダルを踏み続けていてね!」
  →ダンパーペダルを踏んだ状態で響板にオルガニートを当てて鳴らす


【ステップ4:まとめ】

1)蓋を半開にしたピアノの弦に向かいア〜ッ!と大声で叫ぶ。 
  →「声だけでもこんなに箱が響いているよ。
    ピアノは箱自体が楽器なんだね。」

2)生徒さんにダンパーペダルを踏んでもらい、
  蓋を半開にしたピアノの弦に向かいア〜ッと音程をつけて歌う。
  →「ダンパーペダルを踏むと、
    箱だけが響くんじゃなくて、弦もこうやって響くんだね。」


10分かからない程度のアプローチですが、
他のレッスンをカットしてでも、
こういうレッスンを大切にしたいといつも思います。

「響板を響かせるつもりで弾いてごらん。」

大人も子どもも関係なく
こう言って指先に意識を向けさせた瞬間、
生徒さんの響きが見違えてよくなるのを、
何度も目の当たりにしました。

楽器を知ることがいかに大切か。
頭で理解するだけではだめなんですよね。
楽器そのものの性質を体感できているということ。
体感できていれば、
その知識は感覚的に演奏に生きてきます。

大人も子どもも関係なく、
楽しい楽しいレッスン♪
こういう時間が大好き!


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emksan at 10:58│TrackBack(0) ピアノ/レッスン 

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