2016年04月02日

浜松楽器博物館(ピアノの弦を見る)

浜名湖一人旅ではオルゴールミュージアムだけでなく、
浜松楽器博物館へも行ってきました。
旅行の1日目と3日目に行ったので、
あれこれ書きたいこと満載なのですが、
このブログ記事ではピアノの弦に的を絞って、
書こうと思います。

ピアノの発展はイギリスの産業革命によってもたらされましたが、
それはフレームの金属化だけでなく、
弦の材質にも及んでいたんですよね。

1808年の弦の張力の総和は4,5トン。
1850年頃になるとそれは12トンになり、
現代は20トンにも達しているそうです。
フレームが金属になったところで、
張力に耐えうる弦がなければ意味がありませんよね。

これだけ一気にいろんな時代の鍵盤楽器を目にすると、
弦の発達が目につくもので、
弦の材質を判別することはできませんが、
明らかに見た目に強度が違うというのはわかるんですよね。
まず太さが違います。
また、昔の低音弦は巻弦ではありません。

下の写真はピアノではなく、1597年製のヴァージナルです。
こんなに古いものを目にしたのは初めてだったので、
そのか細い弦に驚いてしまいました。
(いや、もしかしたら学生時代に大学の楽器博物館で
目にしたかもしれませんが、
当時の私にはそういう視点がなかったので、
忘れているだけかもしれません。(^_^;) )



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次の写真は、1672年製のチェンバロの弦。
ここまで細い弦を持ったチェンバロの演奏は、
まだ耳にしたことがないので想像するしかありませんが、
バッハの時代より繊細な響きがしたでしょうし、
音量もそれほどではなかったのではないでしょうか。
あくまでも想像でしかないのですが。
聴ける機会があったら聴いてみたい♪


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次の写真は、現存するもっとも古いピアノ、
1720年製クリストフォリの復元楽器です。
もちろん弦は交差していません。
チェンバロの箱にピアノの構造を埋め込んだ楽器です。


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当時は1音に3本もの弦は張られていませんし、
1本1本の弦も細いですね〜。
真鍮の弦でしょうか。
箱だけでなく、弦もチェンバロの弦を用いていたと推定されるようです。


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この復元楽器による小倉貴久子さんの演奏を
CDで聴くことができます。
ものすごい表現力のある楽器だったのだとわかり、
私のクリストフォリのピアノへの印象が大きく変わったCDです。

演奏曲目は、これまた現存する最古のピアノ曲、
ジュスティーニ作曲のものです。

ジュスティーニ:12のソナタ集 〜ピアノ音楽の幕開け〜
小倉貴久子
ALM RECORDS
2009-09-07



次の写真は、1785年製のスクエアピアノ。
写真手前の弦が低音弦です。
親指大の小さなハンマーもかわいらしく目をひきますが、
この低音弦は巻弦っぽく見えますね。
確かに弦に細い弦が絡まっていますが、
現代の巻弦とは別物といった印象を受けます。


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次の写真は、1808-10年のアントン・ワルター製のピアノです。
低音弦がまだ巻弦ではありませんね。
調べてみたところ、
巻弦はグランドピアノより先にスクエアピアノに使われたようで、
理由はスクエアピアノはコンパクトさを求められるため、
弦を長くできなかったから、
また、早い振動減衰の解決などにあったようです。


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ワルターのピアノによる演奏もいくつかCDが出ているので、
ご興味のある方は「小倉貴久子 ワルター」と
Amazonで検索してみてくださいね。

次の写真は、1819-20?製の伝コンラート・グラーフのピアノです。
弦の写真ばかりだったので、ここではピアノは全体の写真を。
鍵盤が貝殻でしょうか。
特殊な鍵盤で、ものすごぉく豪華な印象の楽器でした。


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こちらは現代ほどは太くありませんが、
全体的にずいぶん弦がしっかりしてきたイメージがあります。
まだスチール弦は開発されていない時代ですが、
巻弦は先ほどの弦に比べ、かなり現代的ですよね。
ただ、巻弦が使用されているのは6音分だけ。
また、弦もまだ交差していません。


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このピアノによるCDはこちらです。
あの楽器なのね〜と思いながら、
もう一度聴いてみよう♪♪♪

夢〜トロイメライ〜伝グラーフ・ピアノによる 【浜松市楽器博物館コレクションシリーズ21】
小倉貴久子
浜松市楽器博物館
2009-10-07



次の写真は、1830年頃のプレイエルです。
ショパンはこういうピアノを使っていたのかな♪
ここには見どころがいっぱい!
まずは鉄のフレーム。
フレームと呼べるほどの広がりはありませんが、
高音弦の一部に金属が使われているのがわかります。
いきなり現代のように、
全体に金属が使われたわけではなかったのですね。

1830年頃にスチール弦が開発されましたが、
このピアノはどうなんでしょう?
見た感じ繊細な弦というイメージです。
巻弦が使われている音数も現代より少ないですし、
弦はまだ交差していません。
ショパンの繊細な響きが聞こえてくるようです♪

この楽器によるCDやDVDは何枚か出ているので、
「小倉貴久子 プレイエル」とAmazonで検索してみてくださいね。


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次の写真は、1859年製のスクエアピアノです。
前述のプレイエルに比べると、弦がものすごく現代的。
写真には撮りませんでしたが、
全体の金属フレームもガッチリとしていて、
現代でも売れちゃうんじゃないの?というモダンさ。
使われている巻弦も現代的ですし、
巻弦が使われている音数も先ほどのプレイエルより多いですね。

1853年に高炭素鋼線という、
私にも詳しいことはわからないのですが、
大きな張力に耐えうる弦が開発されているので、
もしかしたらこのピアノには、
その弦が使われているのかもしれません。


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次の写真は、またまたプレイエルですが、
今度は1869年製のものです。
1855年にスタインウェイが交差弦を開発しましたが、
プレイエルはまだ交差していないのですね。

でも、金属製フレームは先ほどのプレイエルに比べると、
かなり発展しています。
見た目にも張力がアップしているのがわかる感じ。
低音弦の巻弦の音数も増えていますね。


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実はこのピアノ、1日目に行ったときは蓋が閉まっていて、
中の様子を見ることができなかったんです。
3日目に行ったら蓋が開いていたので、
やったぁ〜!とばかりに写真に撮りました。

でもね、その後とぉっても残念な気持ちにもなったのです。
この日博物館に寄ったのは、浜名湖からの帰り道で4時過ぎでした。
そのため、展示品の演奏はもう終わっていたのです。
なんと、この日に演奏した楽器はこの楽器だったとのこと。
聴きたかった〜〜〜〜〜!!!

浜松楽器博物館は見どころ満載で、
このブログ記事ひとつでは収まりきりません。
今回は勉強の記録という意味もあり、
(全部記憶することはできないので・・・)
調べたことを追加させながら、
時代を追ってまとめてみました。

次回は、お楽しみ編を記事にしようと思います♪


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emksan at 23:03│TrackBack(0) ピアノ/ピアノの歴史 

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