2016年01月21日

譜読みがラクになる?!

大人の初心者の生徒さん。
初心者とはいっても2年経つので、
基本的なことはできるようになっている生徒さんです。
単純な楽曲は卒業し、
複雑な曲に挑戦してくださっているのですが・・・。


楽譜も読める。
リズムもわかる。
なのに何度練習しても身につかない。



こんなとき、私は耳へのアプローチをすることにしています。
指が覚えてくれない原因は、
指が動かないというテクニックにあるのではなく、
耳で感じ取れていないことにあるからです。

習い始めて2年。
指はもう、音の高低に反射的に反応してくれます。
鍵盤は高い音が右側、低い音が左側ですね。
高い音を想像すれば右側に、
低い音を想像すれば左側に、
さほど考え込まなくても、
指は反射的に動いてくれます。

ところが和音になったとたん、
指が路頭に迷い始めるのです。
和音は情報量が多いので、
その箇所を練習するたびに、
音名・使う指・鍵盤の位置を確認することになり、
反芻しても反芻しても覚えてくれません。
どの鍵盤まで移動して、どの指を動かせばいいのか?
毎回考えてしまうのです。

慣れ親しんできている和音であれば、
それほど苦労せずに指は覚えてくれるのですが、
慣れない和音には時間がかかります。
慣れていないのは指ではなく耳なのです。


s-DSCF0005


上写真の左手部分。
生徒さんはファソシの和音で毎回悩むとのことでした。

耳慣れしてもらうため、
左部分を弾く私のピアノに合わせながら、
パートごとに歌ってもらいます。

 .鼻璽蕁璽掘
◆.蕁璽侫 璽宗

,呂垢阿鵬里┐泙垢、
△浪残がなかなかとれないので、
最初は単音で「ラーファーソー」と弾いてあげ、
音程を確認しながら歌ってもらいました。
その後、ピアノの和音に合わせて
「ラーファーソー」と歌ってもらいます。

何度か歌ったことで、
和音の中の音を確実に感じ取れるようになったようなので、

「左手を弾いてごらんよ。もう弾けると思うよ。」

と言いました。
そして案の定、生徒さんの指はスムーズにファソシへ移動したのです。
本人もびっくりな様子。(笑)

「ぼやけていたところが、はっきりした感じ!」

そうなんですよね。
今まで聞こえていなかった音が聞こえてくる。
次に弾く音が想像できているのと、
想像できていないのとでは大きく違います。

楽譜に書かれている音楽を、
音程を一切感じずに音名だけで弾くなんて、
私にはとても無理。
これだけ大量の情報を指や頭で処理できるのは、
音の高低があるからなんですよね。
音名を羅列されたところで、
記憶には限界があります。


s-DSCF0006


次は上写真の右手部分。
このちょっとした変化も、
慣れていない人にとっては混乱のもと。
右手部分をパート分けし、
以下のように歌ってもらいました。

 .蕁璽蕁璽侫
◆.侫 璽漾璽侫
 ドードーレ

いずれも私が弾く和音に合わせて歌ってもらいます。
和音の中でこれらの音を感じることが大切だからです。
確実に歌えるようになったところで、
再び右手を弾いてもらいました。
こちらもスムーズに指が反応してくれ、
悩まず弾けるようになりました。

一体この生徒さんに何が起こったのか?
何故スムーズに弾けるようになったのか?
その理由を体感で理解してもらうため、
下の楽譜を用いて、
4声体を歌ってもらうことにしました。

 
初歩から受験まで段階的に使える聴音問題集(3)和声聴音627問



s-DSCF0013


まずは、歌わずに私が弾くのを聴いてもらいました。
(響き自体を味わってもらうため、ペダルを踏んで弾きました。)

その後、私が弾くピアノに合わせて、
ソプラノとアルトを歌ってもらったのですが、
このとき生徒さんはソプラノ、私はアルト、
生徒さんはアルト、私はソプラノ、
というハモリも体験してもらいました。

確実に音が取れるようになり、
気持ちよく歌えるようになったところで、
再び私のピアノを聴いてもらうことに。

「今度は歌わないで私のピアノを聴くだけ。聴いていてね。」

最初に弾いたのと同じように、
ペダルを踏みながらピアノを弾きました。

「どう?最初に聴いたのと聴こえ方が違ったんじゃない?」

「ひとつひとつの音がはっきり聴こえてきました!
両方のパートがはっきり聴こえてきたというか。」

この聴こえ方の違いが、
何度反芻しても弾けないのか、
スムーズに弾けるかの違いなんですよね。
意識できていない音を弾くのか、
意識できている音を弾くのかの違い。

なかなか指が覚えてくれない箇所に出会ったら、
弾いて練習するより、
その箇所を歌う方が効果的かもしれません♪


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emksan at 12:57│TrackBack(0) ピアノ/レッスン | ピアノ/How to

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