2015年09月08日

調性を身につける

子どもの頃からスケールを練習し、
受験で調性判定の問題を解いたにも関わらず、
やっぱり調性判定は苦手という人。
意外と多いのではないでしょうか。
実は、私もその一人でした。

毎日4オクターブのスケールを弾き、
毎年スケールの試験を受けてきたにも関わらず、
受験では調性判定が苦手だからと、
ほかで点数を稼ぎました。(^_^;)
一体何のためにスケールを弾き続けてきたのやら。

5歳の頃から、
ピアノとは別にソルフェージュレッスンを受けていたので、
それなりのソルフェージュ力はあったと思うのですが、
ピアノ指導者になってからというもの、
私が培ってきたソルフェージュ力は、
どの程度演奏に生かせるものなのだろうか?と、
懐疑的に考えるようになりました。

ハーモニーの聴き取りも、
4声体の書き取りも、
小難しい旋律の書き取りも、
苦手だったわけではありません。
私が通っていた大学付属音楽教室のソルフェージュクラスは、
レベルごとにクラス分けがされており、
私は一番上の数人しかいないクラスにいたので、
仙台という井の中の蛙状態には変わりありませんが、
それなりに耳は育まれていたはずと思います。

それでもピアノ指導者になってからというもの、
自分のソルフェージュ力に自信が持てませんでした。
演奏に生かせているという実感がなかったのです。
一番のネックはハーモニー感にありました。


私が聴き取っているのはハーモニーではなく単音だ。
もっとハーモニーとして聴き取れるようになりたい。


そう強く思うようになりました。
また、生徒さんの耳を私が後悔しているような、
私と同じ耳にはしたくありませんでした。
そのためには、
まず私自身が実験台にならなければ!

調性判定が苦手な私に足りなかったのは、
ドミナント→トニックの緊張と弛緩です。
調性はこの2つが揃うことで確実なものとなりますが、
私は楽譜から終始のカデンツを読み取ることすら、
できなかったんですよね。

これからお話する訓練は、
15,6年前の私と同じような状況に陥っている、
指導者の方にお勧めの方法です。


カデンツ

まずは、ドミナント→トニックを単純に感じ取れる、
上のカデンツを全調練習しました。
こんな簡単なことすら15,6年前の私は、
訓練しないとできなかったんですよね。
これらを、第1転回形、第2転回形からも弾きます。
 ※カデンツについての詳細はこちらをご覧ください。

いきなり全調はきついというようでしたら、
どうぞ白鍵主音の長調と短調だけに取り組んでみてください。
大切なことは、ドミナントの導音を感じて弾くということです。
導音が主音へ行くという意識を持った上で弾きます。
また、短調のカデンツを弾く際は、
長調の主和音とは第3音が違うのだということを、
これもきちんと意識した上で練習します。

ところで、このカデンツを弾けるようになったからといって、
すぐに調性判定ができるようになるわけではありません。
今度は移調に挑戦します。
難しい移調ではありません。
5歳の子にもできる程度の移調です。

オルガンピアノ1,2巻程度の曲の中から、
ハ長調であればドレミファソという、
第1音から第5音だけでできている曲を選び、移調します。
第6音、第7音が入ると移調が難しくなるので、
まずは第5音までの移調に慣れるのがお勧めです。

この訓練のテーマは、調性判定にありますが、
オルガンピアノ1,2巻の移調に挑戦するだけで、
ある程度調性判定できるようになるんですよ。
バイエル最初の方の楽曲もそうですが、
これらの曲はほとんど喉気世韻任任ているので。

異なる楽曲でいろんな調を体験するのではなく、
同じ楽曲でいろんな調を体験したことが、
もっとも効果的だったと感じています。
ドミナント→トニックという、
機能和声を体感しやすくなるんですよね。

これらができるようになったら、
左手伴奏が機↓検↓垢世韻任任ている曲を選び、
移調していきます。
バイエルなどは、ほとんどの曲がそうですよね。
このことで、弾けるようになっているカデンツと
実際の楽曲が結びつくようになります。

バイエルを順番に移調しているうちに、
少しずつ第6音や第7音に慣れ、
ドミソではなくミソド、シレソではなくソシレという形でハーモニーが出てきても、
耳がすばやく反応し、感覚で弾けるようになっていくのではと思います。

これらに慣れてくると、転調した先が何調なのか、
容易に読み取れるようになっているものです。
ここまでくれば、レッスンにもこの技術が生かせますし、
生徒さんとともに身につけていくのでもよいのではないでしょうか。
私は、これらを5歳の子からアプローチしているからです。
第5音までの移調は、5歳の子にも容易ですから。

ところで、もっと耳を育みたいという方にお勧めの方法があります。
これは、テレビなどで流れている音楽を、
音名に変換できる方に向いている訓練です。

調性判定が苦手だった私は、
ピアノ指導者になってからというもの、
意識的に生活を取り囲む音楽に耳を傾けるようになりました。
電車に乗ると、駅に着くたび音楽が流れますよね。
その音楽が何調なのかを聴き取るのです。
テレビでもCMなどで曲が流れるたびに、
何調なのか調性判断します。

簡単なカデンツが身についているので、
聞こえてくる音楽からドミナント→トニックさえ感じ取れれば、
その曲が何調なのかわかるようになるんですよ。

調性判定に慣れてきた頃、
今度はソナタ形式で書かれた曲を聴くようになりました。
第2主題は大抵属調ですね。
もちろんその限りではありませんが、
このことで第1主題と第2主題を、
楽譜なしに耳だけで感じ取ることができるようになりました。

調性判定がラクになってきた頃、
耳だけで楽曲の構成を感じ取る訓練に移りました。
CDを聴きながら、構成を読み取るのです。
これはいまだに続けていることなのですが、
複雑になるとこれがなかなか。
楽譜を見れば一目瞭然でも、
耳だけで分析するというのは難しいものですね。

私は大学4年間より、
その後の10年間の方が成長率が高かったと感じています。
私たちは、一生成長し続けることができるんですよね。
長い人生にあって学生時代はほんの数年。
一瞬のことです。

どうぞ学生時代は終わったからと、
自分の成長をあきらめてしまいませんように。


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emksan at 14:48│TrackBack(0) ピアノ/レッスン | ピアノ/How to

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