2015年09月03日

オクターブ分散和音へのアプローチ

8月20日に、中学3年生自閉症スペクトラムの子の
過去を振り返る記事を書きましたが、
先日、この子にオクターブ分散和音の練習方法を伝授しました。
こういう地道なことに興味を持ち、
取り組めるまでに成長したんだなぁと、
感慨深くなっちゃう。

これは、大人の生徒さんや定型発達の生徒さんにも
普段から使っているアプローチです。
特に、楽曲中こういうパッセージが突然出てくると、
そこだけテンポが遅れてしまいがちですよね。

動画はこの子の指が遅れてしまう箇所です。(正しい例)
 ※以後、この記事に使っている動画はすべて私の手です。




この子はこの箇所を、以下のように弾いていました。(悪い例)
これでは、5指から1指に移る際、
どうしてもテンポが遅れてしまいます。




テンポ通り弾くためには、
このパッセージが出てくる直前に、
分散和音すべての音に指を準備しておく必要があります。
そのため、まずは和音取りの練習をしてもらうことにしました。
以下のように、この和音を20回弾いてもらいます。
お家でも20回弾いてきてもらうことにしました。




次に、手を広げたままでも、
中の音の「ミラ」が弾けるようになるための練習です。
そのためには、2指と4指が独立している必要があります。
独立を促すには持続音を用いた練習が
もっとも効果的だと感じているので、
以下のような、持続音を用いた練習方法を伝授しました。
これも家の練習で20回が宿題です。




しかし、一番の難点は中の指ではなく
1指と5指にありました。
この現象は、小さい頃からピアノを習ってきている
大人の生徒さんにもよく見られる現象で、
1指と5指を動かせずに、
手首だけで弾いてしまうんですね。

15151515というトレモロの動きなら、
手首の回転だけで弾くのもよいですが、
このパッセージのように51245という動きの場合、
1指と5指を動かさずに、
手首を大きく回転させてしまうと、
2指と4指が動きにくくなり、
リズムがびっこになってしまいます。

そのため、手首に頼らず、
1指だけ、5指だけを動かす練習方法を伝授することにしました。
手首を使いたくないので、
手首は浮かさずテーブルに載せた状態で、
以下の動画のように1指と5指だけを動かします。
このとき、2・3・4指もテーブルから離さないことがルールです。

付け根のあたり(手のひら)は軽く膨らませて、
べったりテーブルにつかない方が、
無理なく指を動かすことができます。

1指だけの動きを確認する
5指だけの動きを確認する
1−5−1−5と交互に指を動かす

これも、毎日の練習に取り入れてもらうことにしました。




最後に、テーブルの上でできた動きを、
鍵盤上で挑戦してもらいます。
方法の詳細は、動画上で説明しています。
これも、毎日の宿題にしました。




地道な取り組みではありますが、
こういう練習が、
その曲を弾けるようになるための近道なんですよね。
何度も繰り返し「ドドミラド」と弾き続けたところで、
問題を克服できていなければ、
弾けるようにはならないですから。

1週間取り組むだけで、
見違えて弾きやすくなるのではと思います。
私たちの指や脳って、
結構すぐに対応できるようになるんですよね。
人間って柔軟なんだなぁと思わされる瞬間です。

問題は、こういう地道な取り組みができるかどうか、ですね。
私は繰り返し「ドドミラド」と弾き続け、
時間を浪費してしまうより、
短期間で確実に弾けるようになる、
こういう地道な練習が好きなのですが、
こういう練習って曲を弾くわけではないので、
嫌いな人もいるんですよね。

でも、いつまでも思い通りに動かない指で曲を弾くより、
楽しさが倍増すると思うんですよ♪


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emksan at 12:56│TrackBack(0) ピアノ/レッスン 

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