2015年06月20日

みんなのホームでありたい

発達障碍の生徒さんたちが増えて、
親御さんたちの交流が密になってきた頃、
自分の教室をみんなのホームにしたいと思うようになりました。
あの頃はお母さんたちも若く、
もちろん私も若くて、みんなエネルギッシュ。
みんなで旅行したり、バーベキューをしたり、
家族ぐるみのお付き合いをしてきました。
 
あれから10年以上経ち、お母さんたちは介護、
子どもたちは就職、私は義父との生活。
環境が大きく変化し、
みんなで旅行へ行くことはできなくなりましたが、
ホームであることに変わりはないのだと、今日初心に返りました。

仙台へ引越したダウン症の子。
今は高校を卒業し、作業所へ通っています。
今日、久々にお電話でお母さんとおしゃべりしました。
「先生、私ね、あの頃が一番楽しかった。」
嬉しいような、少し寂しいような言葉。
私も楽しかった 。本当に。 

遠くへ引越しても一生のお付き合い。
こうしてお付き合いしていけるのは、あの頃があったから。
そんな風にお母さんと語り合いました。
秋にこっちに来てくれるかも。
あの頃のメンバーを集めて、みんなで会おうと約束しました。 

中学で進学校に進み、部活はバスケ。
あまりの忙しさにほとんどピアノへ来られず、
高校生になってからは全く来ていなかった子。
高校3年生になり受験真っ只中だけれど、
受験が終わったらピアノをやりたいとお母さんに話しているそう。
「やっぱりピアノが一番好き。」
そんな言葉を聞くと、嬉しくてたまらなくなってしまう。 

10年以上の付き合いになる大人の生徒さんたち。
あの頃は大人の生徒さんたちみんな独身で、
弾き合い会の後に「飲みっこ大会」なるものをしたり、
和気あいあいした交流がありました。
当時私の教室は幸せを呼ぶ教室で 、
結婚が相次ぎ、その後みんな出産。
家を新築したり、マンションを購入したりと、遠くに引越していきました。
それでも、発表会になると出たいと、友人同士で連弾を組み 、
レッスンに来てくれる生徒さんもいて。 

子どもが少し大きくなったからと、遠いにもかかわらず、
最近レッスンを再開してくれた人がいます。
この方が今回 、「先生、発表会後に打ち上げしましょう。
みんなに声を かけておきました。」とメールをくださいました。
大人の打ち上げなんて久々!
みんな子どもがいて、打ち上げができなくなっていたからです。 
10年くらい前に、この生徒さんが言ってくれたこと。
「先生 、私たち白髪のおばあちゃんになっても、
一緒にピアノを 弾き続けていきましょうね。」
何年間かの空白があったと しても、
全くの空白ではなく、ちゃんと繋がりがあって。
やっぱりこの教室は、いつも変わらずそこにある、
みんなのホームなのだと思いました。

いつか、私の教室は全員20歳以上になるんだろうな。
最近こんな風に思うようになりました。
夜の時間帯はこれ以上増やせないし、
子どもは成長すればレッスンの時間帯が、
夕方以降に移っていきます。
すでに夕方以降の時間帯が埋まっているので、
数年先のことを考えたら、募集できないというのが現状。
今後募集できるだけの余裕が私に生まれたとしても、
多分増やせるのは2,3人かな。
発達障碍の子たちは私がこの世を去るまで、
一生レッスンを楽しんでくれるだろうから。

もうすぐ発表会。
なんだか今年の発表会はいつもとちょっと違う。
やっぱりここはみんなのホームなんだと、
初心を思い出しています。
幸せな初心。


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emksan at 21:42│TrackBack(0) ピアノ/レッスン 

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