2014年12月08日

視覚的アプローチの効用

自閉症スペクトラムの生徒さんたちから得た、
視覚的アプローチの引き出しの数々は、
定型発達児や大人の生徒さんにも
効果的だと思うことしばしば。

音というのは目に見えない漠然としたものなので、
耳へのアプローチだけでは理解してもらえないことがあるからです。
もちろん、音楽とは本来「耳」で味わうものなので、
耳へのアプローチは絶対に必要なものですが、
それだけでは理解に至らない場合、
この視覚的アプローチは効果抜群だと感じています。

これまで、その時々のアプローチをブログ記事にしてきましたが、
障碍あるなしに関わらず効果的と感じている、
視覚的アプローチをまとめてみたくなり、
この記事を書くことにしました。


【拍子感への視覚的アプローチ】

・発達障碍児レッスン相談(6)
次の記事と重複した内容ですが、
こちらは動画付きなので、わかりやすいのではと思います。
拍子感については体感へのアプローチと同時に、
一定の時間軸を目で確認することができるこのアプローチが、
とても効果的だと感じています。
2分の3拍子などで混乱する大人の生徒さんにも使える方法です。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52119430.html

・幼児に拍子を視覚的に経験させる(拍子感その2)
http://musestown.livedoor.biz/archives/52040165.html

・弾けない原因
楽曲の中で一定の時間軸を見失っている場合、
必ずこのアプローチをしています。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52048643.html

・拍子を感じる
体感を伴った視覚的アプローチ。
指揮もどきで拍子感の違いを見せ(視覚的アプローチ)、
その後実際に本人にもやってもらうことで体感してもらっています。
http://musestown.livedoor.biz/archives/50584673.html


【音量への視覚的アプローチ】

・フォルテに侵食しないピアノ?!
ここに書いた図は大人の生徒さんにも効果抜群でした。
pの音楽の中で、盛り上がるとはどういうことなのか?
視覚的にアプローチすると理解が深まるようです。
http://musestown.livedoor.biz/archives/50714313.html

・具体的なレッスン
ここに書いたレベル1〜レベル5というのは、
自閉症スペクトラムの子によいと思う声かけです。
そのほか、左右のバランスの指導は%がわかりやすいようです。
右が70%、左30%といった具合です。
この%によるアプローチは、
左右の音のバランス感覚が、
家に帰るとわからなくなってしまう大人の生徒さんにも有効です。
http://musestown.livedoor.biz/archives/50627301.html


【楽曲を読譜する際の視覚的アプローチ】

・ギロック『スイレン』の響き
初心者の大人の生徒さんへのレッスン。
音符を1音1音ずつ目で追うのではなく、
まとまりとして見るためのアプローチ。
実際このように楽譜に色鉛筆で書き込んでいます。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52114779.html

・お気に入りのリズム教具
難しいリズムが楽曲に出てきた頃の視覚的アプローチ。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52055102.html

・発達障碍児の不器用さについて「つっかえずに弾けるようになるには?」
定型発達の幼児にも使える視覚的アプローチ。
楽譜にマークで記入する、
本人がどのように弾いているから弾けないのか、
本人の真似をして弾いてみせる、
といった視覚的アプローチは幼児に関わらず、
指使いの間違いなどは小学5,6年生の子にも、
効き目があると感じています。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52041863.html

・スタカートに惑わされない
音型を眺めるという視覚的アプローチです。
http://musestown.livedoor.biz/archives/51172774.html

・ハーモニーの変化をただただ感じて・・・
体感のアプローチ記事ですが、
体感する前に必ず「特別な響き」を楽譜から探し出し、
この記事のようにその音を丸で囲む、
というアプローチをすることにしています。
視覚的アプローチをした上で体感することで、
理解が深まると感じています。
http://musestown.livedoor.biz/archives/51131445.html


【テクニックの際の視覚的アプローチ】

・アラベスクの跳躍(ブルグミュラー)
何故弾きにくいのか?を理解してもらうために、
弾きにくそうな理由を目で見て理解してもらう、
生徒さんの弾き方を真似してみせる、
という視覚的アプローチをよく取り入れています。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52086229.html

・ラクに弾くコツを伝授するレッスン
長い記事ですが、この記事の最後が視覚的アプローチに相当します。
「以下の動画は、悪い例です。宙を浮いて移動するのは効率が悪い上、
音も外しやすく、腕に力が入ってしまいます。」
 →実際に効率の悪さを見た目で理解してもらっています。
「最後に、このパッセージにおける、2指の動線を確認しました。」
 →実際にこのようにシャープペンを使って、動線を確認してもらいます。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52085045.html

・指は1:4で付いている?!
大人の生徒さんのレッスンでしたが、
レッスン中は私の手で説明、
その後このブログ記事を読んだら、
とてもわかりやすかったとのこと。
このように写真を用い赤枠で視覚的にわかりやすくしたことで、
理解が深まったのだろうと思います。
http://musestown.livedoor.biz/archives/51084760.html

・意識の単純化
ペダルへのアプローチ。
声かけだけでなく、このようにノートに書いて文字にすることで、
大人の初心者の生徒さんにもわかりやすく、
短い期間でできるようになる方法だと感じています。
http://musestown.livedoor.biz/archives/50743202.html


【その他の視覚的アプローチ】

・音楽の中で息を吸う意味
時々「指揮もどき」という視覚アプローチでレッスンします。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52049591.html

・幼児の世界 幼児の思考は非可逆的(読譜の指導法)
音の並びへの視覚的アプローチ。
現在連載中のムジカノーヴァ2015年1月号(12月20日発売)では、
このことについてさらに深く突っ込んだ記事を掲載します。
http://musestown.livedoor.biz/archives/52039932.html


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emksan at 15:12│TrackBack(0) ピアノ/レッスン 

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