2014年11月05日

寅屋ライブ

昨夜、『バリアフリー社会人サークルColors』主催の
寅屋ライブへ行ってきました。
(ColorsのFBページはこちら

このブログ右サイドバーにリンクしている、
『レッスン風景(動画)』『成長の記録(動画)』の
軽度知的障碍なっちゃんと重度知的障碍げんちゃんのお父さんから、
「先生も来てよ!」と誘われたからです。
毎月第1火曜日に開催されるこのライブに、
なっちゃんもピアノで参加しているとのことでした。

しかも、このカフェの3階には、
1人暮らし支援を受けて半年になる
重度知的障碍のげんちゃんが
住んでいるのです。
げんちゃんの1人暮らしの部屋も見たいし、
なっちゃんのピアノも聴きたいし♪
ホクホクした気持ちで行ってきました。

寅屋ライブは全員参加型ライブ。
そこにいる全員で歌ったりギターを弾いたり。
カラオケタイムという、
なっちゃんのためにあるような時間もあり、
演奏しなかった人もカラオケで参加していました。
それにしても、ギター人口の多さにはホントびっくりしちゃいました。
みなさんパパッと即興で合わせながら楽しんでいたのが印象的。

なっちゃんはお母さんの影響で、昭和の歌謡曲が大好きです。
私がサビの部分しか知らないような曲も、
全部歌詞を見ないで歌えちゃいます。
この日はゴダイゴやユーミンetc.
次々に好みの曲が出てきて、
休む暇なく歌いまくれたなっちゃんは、楽しくてたまらなかったようです。
私は、そんななっちゃんの様子を見ているのが楽しかったなぁ。
かわゆい♪

この日、なっちゃんは『なごり雪』を弾くつもりだったようなのですが、
おドジなことに楽譜を忘れてしまい、かなりの落ち込みよう。
そのとき、「ギターを弾くから歌ったら?」と声をかけてくれた方がいらして、
テンションが一気にマックスへ。
最初から最後まで間奏部分も含め、ぜぇんぶ頭に入っており、
歌詞を見ないで歌ったなっちゃんにびっくり。

そんななっちゃんを見てお母さんが
「昔カラオケで歌っていた頃に比べると、歌も上手くなったよね〜!」
と私に声をかけてきて、
ああ、あの頃が懐かしい〜と思いつつ、
なっちゃんの成長に浸ってしまいました。

印象的だったのは、
なっちゃんの歌に合わせてくれたギターの方のまなざし。

途中、なっちゃんの声がよく聴こえるように、
わざとギターの音を小さくしたことに気付きました。
この方がなっちゃんの素直で純粋な歌声が大好きで、
その声が聴きたくてギターの音量を下げたんだなぁということが伝わってくる、
あったかぁい眼差し!
私も昔から、なっちゃんの純粋な歌声が大好きなので、
この方の気持ちがよくわかって、嬉しくなってしまいました。

そうそう、それからもうひとつ。
楽しくてワクワクすることもありました。
ギターで歌っている人に合わせて、
パーカッションのように足でリズムを取り、
大きな音を出している方がいらしたのですが、
その様子を見た『風雷社中』代表の中村さんが、
図工室によくある側面に板が貼ってある椅子を、スッと差し出したのです。
即席のカホン。ワクワクしてしまいました。
こういう遊び心って大好き。

ところで、この日はげんちゃんもピアノを弾きました。
げんちゃんの弾く姿を見たことがない、
誘ってもなかなか弾いてくれないというお話を耳にし、
せっかく伺うのであれば、
げんちゃんも弾きましょうか?とお声を掛けさせていただきました。

げんちゃんは、初めて聴く曲に対し拒否反応を示します。
そのため聴き慣れた曲で、
どう弾けばよいかわかっている曲でなければ、
弾くことには付き合ってくれません。
レッスンを通して、その曲を弾くことに慣れていないと、
即席でピアノで遊ぼうよ・・・とはならないんですよね。

それから、かなり厳しい。
自分が思った通りに、
自在に自分に合わせてくれる人じゃないと、
一緒には弾いてくれません。

げんちゃんとピアノでコミュニケーションをとりたければ、
げんちゃんの弾ける曲で、
げんちゃんにとって都合の良い伴奏マシンになりきること。
こちらの都合に合わせてもらおうとしても、
ピアノでコミュニケーションをとることは決してできないんですよね。

ということで、普段弾き慣れている曲を、
この場で弾かせてもらうことにしました。
果たしてげんちゃんはその気になってくれるのか?(笑)
多少の不安はあったものの、挑戦してみることに。

この日のげんちゃんはとってもご機嫌。
始終満面の笑顔!
次々に演奏される楽曲にも体を大きく揺らして、
ノリまくっていました。

げんちゃんの番になったとき、
電子ピアノの前に来たげんちゃんは、
自分の大好きな「ド」を低音から見つけ出し、
ドードードードードードーと弾き出しました。
こりゃまずいなぁ、
この「ド」から脱出して弾いてくれるかなぁと、
ちょっと不安になった私は、
その横でげんちゃんが弾く予定の曲を軽く弾いて聴かせました。

ドードードードーと相変わらず弾き続けながらも、
私の音に気づいて、耳をそばだてていることを感じた時、
あ、これは弾いてくれるな、と思いました。
案の定気持ちの準備が整ったとたん、
高音部の椅子に座ったげんちゃんは、
もう弾く気満々です。

そこで、この機会を逃すまいと、
おじぎもせずにそそくさと弾き始めることにしました。

げんちゃんが弾き始めたことに気づいた会場のみなさんは、
興味津々な様子。
お母さんに伺ったところ、
げんちゃんがピアノを弾くなんて信じられない〜と、
なかなか信じてもらえなかったとのこと。(笑)
どうやらげんちゃんがじっと椅子に座っているということにも
驚かれるようです。

会場にいるみなさんは、
障碍に対して凝り固まった意識がないというか、
距離を置かず、普通に受け止めていらっしゃるので、
その反応も気持ちがよいくらいとっても素直。
10数人でいっぱいになるような狭い会場で、
演奏する人も聴く人も一緒!というライブ。
舞台と客席の分け隔てがないこともあり、
みなさん私とげんちゃんの真後ろや真横に来て、
げんちゃんが弾く指を覗きこんでいました。(笑)

途中立ちあがり、
いつもするように体を左右に揺らし、
「俺はノル!先生は弾いて歌って!」を
要求してくるかと思ったげんちゃんは、
そんなこともなく最初から最後まで、
弾くことに夢中になってくれました。
よかったよかった♪

ライブ終了後、げんちゃんの住まいを見学させてもらいました。
げんちゃんの自主性、やりたいことを尊重してくれる支援。
ただ1人暮らしを支援するというのとは違います。
げんちゃんの自由を尊重してくれる場です。
この支援を受けてからこっち、
げんちゃんはとても成長しました。
げんちゃんの視野が広がったのを感じています。

げんちゃんやなっちゃんとは10数年のお付き合い。
家族ぐるみでお付き合いしていることもあり、
「いつもお世話になり、ありがとうございます!」と
身内と同じような感謝の気持ちでいっぱいになります。
家族も、支援を受ける本人も、
幸せな気持ち、豊かな気持ちになれる支援。
その根底にあるのは、
家族、障碍者本人の自由の尊重にあるのでしょう。

げんちゃんの1人暮らし支援(これは試験的なもの)や、
なっちゃんの外出支援をしてくれている風雷社中では、
現在ヘルパー募集のチラシを貼ってくれる場所を探しています。
(東京都大田区)
貼ってくださる方は、風雷社中までお問い合わせください。


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emksan at 12:57│TrackBack(0) ピアノ/レッスン 

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