2014年10月20日

ショパンとツェルニー、ピアノとチェロのための曲(CD)

ショパン:チェロとピアノのための作品集
平井千絵 鈴木秀美
BMG JAPAN
2008-10-22


すばらしいCDに出会っちゃった!
今とぉってもホクホクな気分♪
私のお宝CDになりました!
嬉しい〜!!!

フォルテピアノ奏者平井千絵さんと、
チェロ奏者鈴木秀美さんによる演奏。
ショパンは1840年製のプレイエル、
ツェルニーは1825年製ベームが使われています。

ピアノとチェロのためのソナタト短調作品65は、
私に『葬送』(平野啓一郎著)のシーンを思い起こさせます。
『葬送』はドラクロワとショパンを描いた小説ですが、
平野氏はショパンについての論文を1,2本書けるのではというほど、
詳細を徹底的に調べた上で小説を書いており、
第2部上巻冒頭の伝説のパリ演奏会シーンは、
本当にすばらしい!

この本は第1部上下巻、第2部上下巻と、
かなりの長編小説なので、
読むのを諦めた方も多いのではと思うのですが、
第2部上巻冒頭から104ページを読むだけでもお薦めです。
それでも長いようであれば、
伝説のコンサート第1曲目からのシーンとなる、
56ページ目からでも是非!

ショパンとフランショームはこの演奏会で、
第1楽章の演奏を控え、
第2、第3、第4楽章だけを演奏しました。
当時の人々にとって、この第1楽章は難し過ぎ、
受け入れられないだろうと思ったからです。

しかし、今こうして聴いてみると、
さほど難しい曲とは思われません。
確かに再現部で第1主題は省略されているものの、
提示部はとてもわかりやすいように思いますし、
第1主題はメロディックで耳に心地よく、
第2主題への移行部は本当に美しい!

このような楽曲でも、
当時の人々には難しいと拒否されがちだったということ。
そりゃ、シューマンの楽曲がなかなか受け入れられず、
クララやメンデルスゾーンによる啓蒙がなければ、
広まらなかったわけですよね。

当時の人々の感覚、時代感というものは、
私たちが抱いているロマン派の時代感とは、
ちょっと違うのかもしれない。
最近そう思うようになりました。
私たちが知っているロマン派は、
現代目線でのロマン派であり、
当時の人々の感覚とは少し離れたところにあるのではと、
感じるようになったのです。

私たちはロマン派の作曲家の一部しか知りません。
しかし、ロマン派時代に活躍した作曲家や演奏家というのは、
私たちが知らないだけでたくさんいるんですよね。
シューマンより活躍し、有名だった作曲家は、
たくさんいたということです。

最近、クララの作品を聴いたり弾いたりしています。
クララは当時、多くの人々に受け入れられた人でした。
ピアニストとしてだけではなく、作曲も出版もしています。
クララの作品を聴くと、
確かにシューマンの影響を受けてはいるのですが、
当時の人々の感覚を感じます。
これはシューマンには感じないもので、
どちらかというとショパンに通じる感覚です。
クララの作品に親しめば親しむほど、
シューマンの世界観が浮き彫りになってくる。
最近そんな感覚を得るようになってきました。

ショパンとフランショームは、
何故この曲の第1楽章を演奏しなかったのか?

『葬送』を読んだときにはよく理解できなかったのですが、
今こうしてクララの作品に親しみ、
シューマンの世界観が私の中で浮き彫りになってきて、
当時の人々の感覚を
以前より感じとることができるようになってきたことで、
少しわかってきた気がします。
今の私たちが聴いたら、
本当にすばらしい楽曲なのですが、
それがロマン派という時代だったのでしょう。

それにしても、平井千絵さんと鈴木秀美さんの演奏の
すばらしいことったら!
聴きながら興奮してしまいました。
いいCDを買っちゃった!
いい演奏に巡り合っちゃった!
私のお宝CDの一枚になりました♪

ところで、このCDにはツェルニー作曲の
ピアノとチェロのためのロンド・コンセルタント
ハ長調作品136の演奏も入っています。
ツェルニーというと私たちピアノを弾く者にとっては、
教材としての練習曲が身近ですが、
それ以外の楽曲を聴く機会はほとんどないので、
このCDはとても貴重と思います。

演奏を聴いて思ったのは、
ツェルニーはシューベルトと同世代なのだということです。
どうしてもツェルニーというと、
ベートーヴェンの弟子という一側面だけで捉えてしまいがちですが、
この演奏を聴いて、
ツェルニーの個性を垣間見た気がしました。
ベートーヴェンの弟子という一側面だけで、
ツェルニー30番や40番を眺めていたのでは、
見えてこない点がたくさんあると感じたのです。

そこには、当時ウィーンのオーケストラの響き、
次世代に繋がるピアノの響きがありました。
目の前が開けた感じがして、
新たな気持ちでツェルニーの楽譜を眺めることができそう♪


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emksan at 15:21│TrackBack(0) 音楽/本・CD 

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