2014年06月06日

発達障碍児レッスン相談 (3)

発達障碍児レッスン相談 (3)
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<相談者>

調子のよいときもあるのですが、今日のレッスンはすごく不安定でした。自閉症の子なのですが、精神的に不安定で、ぐずり始めると私をつねることがあります。

弾くとシールを貼る、ということをしています。それは彼女の中ですぐにインプットされたみたいでシールを催促しますが、ちょっとでも弾くと「シールするのぉ!!!!」と言い、すぐに私が反応しなければ「シールするのぉ!!!!」「のぉ!!!!」と叫んで頭をばんばん叩き、地団駄を踏み、鍵盤をがんがん叩くというようになっていきます。 歌は全く歌いません。弾くの?と彼女がいい、じゃぁ弾こう!というと、「弾かないぃぃぃ!」じゃぁ 弾かないねというと、「弾くぅ!!!!」となる。これは、お母様が相手でもこれの繰り返しです。 ここが 今、私にとってどうしようかと壁です。

自分の対応が この子のタイプにとって賢明なのか、逆に煽ってしまっていないか、常に考えてしまいます。例えば お母様と彼女のやり取りで「パパとお風呂するのぉ!!!」と彼女が言いだして、お母様が「帰ったらね」というのを 結局レッスン30分これをずっと繰り返しておわり。ということが結構あります。


<中嶋>

自閉症の子の中には、湿度が苦手という子がいます。全員がそういうわけではないのですが。私の生徒さんに自閉傾向のある重度知的障碍の子がいて、この子は湿度が高いと確実に調子が悪くなるため、湿度の高い日は前もって除湿しています。もしかしたら、先生の生徒さんも、今日は湿度が高かったので、そのせいで調子が悪かったのかもしれないですね。

もしかして、しばらくは仕方ないかもしれませんよ。この子を案じるより先に、お母さんを焦らせないように、長いスパンで見ていきましょうと、お伝えしていくのがいいかもしれません。 今日は特に調子が悪くて、調子がよいときもあるんですよね?調子のよいときはレッスンをして、調子の悪い時は仕方がないと、まずはお母さんをフォローすることを考えた方がいいのかも・・・と思いました。 調子が悪い時って、ホント、どうしようもないときがあるんですよ。ただただ、レッスンに来て偉かったね、です。


<相談者>

わたしは経験数が少ないので他のレッスンの様子を見る事が無い分、自分のやり方は?追いつめてないだろうか?など思ってしまいます。自分の対応が悪くつねらせてるのか。。とか。調子が悪くてどうにもならないときがある。レッスン30分のうち2回しかピアノに向わず、他の時間、なんだかどうしよう。 そんな事を思って、一度 恵美子先生に彼女の様子を観てもらおうと思ったんです。(レッスン動画を拝見させていただきました)

教師も経験を重ねて分かっていくことも多いから、まだまだ時間をかけて、ですね。恵美子先生に彼女の様子をみてもらったことでなんだか安心出来ました。観てくださってありがとうございます。


<中嶋>

そうですよね、その気持ちわかります。つねる、というのは先生のせいじゃないですよ。私の生徒さんで重めの自閉症の子がいたのですが、この子はかなり精神的に不安定で、こちらが想像もしないようなことで不安に陥り、不安になるとお母さんや私をつねりまくる子でした。妹もいて、妹のこともつねる。これが日常なんです。だから、お母さんの腕があざだらけ。

つねらないといっても、もう自分で自分の反応を抑えきれないくらい、興奮が止まらなくて、これがすごい力なんです。性格が悪いとかいうんじゃないんですよね。つねるのが悪いということもわかっているし、相手に痛い思いをさせようと思っているわけでもない。ただ恐怖なのか不安なのか、焦燥感なのか、とにかくそういうマイナスな気持ちに襲われたとき、それをどうすることもできなくて、つねってしまうんです。攻撃的な意味合いとは違うんですよね。

自閉傾向のある重度知的障碍の子の場合は別でした。この子の場合は、つねったときの相手の反応が面白くて、その反応が見たくてつねるんですね。だから、「痛い!」とか絶対に反応しないで、なんでもないように装いながら、「つねりません!」と怒る必要がありました。反応したら楽しまれてしまうので。(笑) この場合、にこやかな顔で「つねっちゃだめよ〜」なんて優しく言うのは逆効果。私の表情を見て「つねっていいのだ」と判断されてしまうので、わざと怖い顔を作り、厳しい口調で、腕をバッテンにしながら「つねりません」と、いけないことなのだということがこの子にはっきりと伝わるように、工夫していました。

こちらではどうしようもないことがある。だから障碍なんですよ。工夫次第で軽減したり、パニックを予防したりということはできますが、それにも限界があるんです。だから、こういうときはお母さんのフォローを一番に。自分の子どもが先生をつねっている!なんて、そりゃぁ、すっごい気を使うでしょうから。先生は痛い顔をしないで、冷静に対応をして・・・です。(笑)

先生の生徒さんは、結構重度な方の自閉症なのではと思います。レッスンがこういう感じになっても、仕方ないことと思いますよ〜。調子のよいときを狙って・・・ですね♪ 応援してます〜


<相談者>

つねる 
不安定
イライラする

それが対応次第で起きたりするのではと、少し自責の念を感じていたので、恵美子先生の言葉でちょっと楽になりました。「どうしようもない」という部分があるから「障害」なんですね。「障碍」という漢字で書くこともあるんですね。自分がそのような生徒を持つまで知りませんでした。インターネットで調べましたが これについてはよく分かりませんでした。

この子の場合は、つねる行為はいけないと言われるって認識があるけれど、どうにもならずにしてしまうという感じです。手をさっと握り「いけません」という対応をしてきていますが、それで止めると機嫌悪くなり出し、イライラを「つねる」で出せなくなるので、自分を叩く、ピアノの鍵盤を叩く、床を踏みならす、となります。そのときはもうそれが静まるのを待つしかないものなのでしょうね。

そして1つ気になると、その気分を何かで変えるということは、ほぼ無理です。それはお母様の声掛けや対応でも無理です。なので「キー!」になったり、拘りが出たりした時(結構ほぼその時間が多いけれど)、何か他のアイデア、 太鼓、カスタネットのような他楽器、わたしが勝手にピアノを弾く、歌う、を試そうとしても、

やめるぅぅぅっ!!!! 
ん〜〜〜〜っ!!!!
あ〜〜〜〜〜っ!!!!

が起きてしまうので もうお手上げです。何か気分を変えられるスイッチを見つけられたらと思うのですが。わたしも試行錯誤、がんばっていきますね!


<中嶋>

そうそう、つねるという行為ですが、今のこの子に可能かはわからないのですが、つねりたくなったら、これをつねる、という物があるといいんですよね。なんでもいいんですよ。つねりがいがありそうな、低反発的な素材のものがよいかと思います。これだったらつねってもいいよ、と。お母さんと相談してみるのもいいかもしれないですね。

それから、障碍という言葉ですが、障害という文字は、常用漢字になってからできたものなんです。それ以前は「障碍」という漢字が使われていました。しかし「碍」という漢字が、常用漢字から外れてしまったため、当て字で「害」となりました。 ところが漢字には意味がありますよね。「害」という漢字は、まるで障碍者が人に害を与えているような印象になります。そのため、「障ガイ」とか「障がい」とか、カタカナやひらがなが使われるようになりました。

しかし、本来日本語に、漢字とカタカナ、漢字とひらがなでひとつの単語を表すっていうのはないんですよね。そこで、以前使われていた漢字、「障碍」を使おうという動きが生まれました。 ただ、見慣れない漢字なので、あまり定着していないんですよね。私は日本語として、カタカナやひらがなで表記することに、なんか違和感があり、またキーボードを打ちにくいこともあり、「障碍」という漢字を使っています♪





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みなさんが抱える悩みは、発達障碍児、もしくは発達障碍児かもしれないという生徒さんを抱える、多くの先生方と共通した悩みと思います。悩みやアドバイスを多くの方と共有していくことで、これらのアプローチを誰もが知るようになり、知らない人も知りたいと思ったとき、気軽に当たり前に手に入る情報になったならと願っています。

相談には勇気がいる場合もあるのではと思いますが、ブログでは匿名記載となります。私が「あの相談は誰それからのものだよ」と、第三者に語るということも決してありません。どうぞお気軽にメッセージをください。

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emksan at 14:29│TrackBack(0) 発達障碍児レッスン相談 

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