2014年01月20日

何事もタイミング?!願いは叶う。

10年前、アップライトピアノでレッスンしていました。
東京は地価が高い。
ピアノが置ける物件を探すは大変です。

結婚したばかりの私たちに支払える賃貸料金は、
10万円以下でした。
9万円だって高い高い。
見つかった物件は国道が目の前の古いビル。
エレベーターはなく、
階段で4階まで上がっていく物件でした。

小さな2DKの部屋。
ダイニングキッチンは食器棚を置くと、
ダイニングとは呼べない、ただのキッチンに。
使える部屋は6畳と6畳半の2部屋だけ。
それでもピアノが置けて、
レッスンできるというだけで恩の字でした。

ここで10年間レッスンをしました。
近所にはグランドピアノのお教室があり、
体験レッスンにきてくれても、
グランドピアノの方がいいと、
そちらのお教室を選ぶ人もいました。

片道4車線、
騒音に囲まれた音楽には向かない環境の中、
それほど悲壮感に襲われることなく、
生徒さんたちと出会い、
アナリーゼなどのピアノ指導者の勉強会を開き、
練習をしてきました。

今振り返っても、
いい10年だったなぁと思います。
最後の2年くらいは腰痛がひどくなり、
畳の生活に限界を感じていましたが、
それ以外はあの環境の中でも、
生き生きと有意義に楽しく暮らすことができました。

「アップライトがあるんだからいいじゃん。」
と言っていた主人も、
この10年で、私の演奏の成長を認めてくれ、
レッスンの意義を深く理解してくれるようになりました。

2年後くらいに引っ越そう。
私たちに支払える土地代&建物代と見比べながら、
土地探しが始まりました。

今通ってくれている生徒さんたちが、
通える範囲で探そうと決めたのですが、
それでも都内は高くて無理。
生徒さんたちは電車で通うことになってしまうけれど、
ここまでのラインであれば通えるだろう、
という範囲内で土地を探しました。

同時に、以前から欲しいと思っていた、
ヤマハのSシリーズを探し始めました。
Sシリーズは手作りのピアノです。
私が信頼しているフリーの調律師さんが、
日本の気候に合ったSシリーズを一番に薦めていたので、
いつかグランドを買うならSシリーズがいい、
と長年思い続けていたのです。

しかし、国内産とはいえ手作りの楽器。
新品は高くてとても手が届きません。
そこで、買うなら中古と思っていました。
丁寧に作られた手作りの楽器なので、
一度購入したら一生もののピアノになります。
このピアノであれば中古でも大丈夫。


「でも、Sはなかなか市場に出てこないんだよね〜。
みんな手放したがらないんだ。」


こう調律師さんがおっしゃっていたのは本当で、
結果、私は2年待ち続けることになりました。

しかし、出てきたタイミングがよかった!
土地が決まり、設計を進め始めた頃、
いつもお世話になっている楽器店さんから、


「Sシリーズが出てきましたよ!
一度弾きに行きませんか?
工場にあるんです。」



と連絡が入ったのです。

私1人では判断するのに不安だったので、
調律師さんと一緒に伺うことになりました。
S400Eという型番のピアノ。
高音部のキラキラとした純粋な響き。
低音部の伸びやかな響き。
すぐに気に入りました。

調律師さんにピアノ内部を見ていただいたところ、
このピアノなら大丈夫と太鼓判。
即決でした。

防音室はこのピアノありきで、
設計することができました。
部屋のドアの位置も、
このピアノを搬入できる位置に設計しました。

主人は防音室内部をCADで描いてくれ、
どこにピアノを置くのか、
どこにソルフェージュをするテーブルを置くのか、
どこにパソコンを設置するのか、
どこに本棚を設置するのか?
詳細を私から聞き出してくれました。

これがなければ、
O型の私は部屋が出来上がってから、
どこに何を置くのか決めるところでした。(^_^;)
この作業のお陰で、
とても使い勝手の良いレッスン室になりました。

防音業者も徹底して探しました。
音を吸音するだけの業者では嫌だったんです。
生楽器の響きを理解してくれるところ。
ピアノの響きを大切にしてくれるところを探しました。

すべてが順調に進みました。
もちろんここまで上手く進んだのは、
手抜きをせず、
徹底して考え抜く主人がいてくれたお陰です。


分相応


タイミングってそういうことなのかな、と思います。
10年前の私が、
この恵まれた環境をいきなり与えられて、
今のように有意義に使えただろうか?と思います。
恵まれたこの環境に感謝し、
この環境を生かして自分を成長させたいと思えるのは、
アップライトピアノの10年間があったからなんですよね。

グランドピアノの軽やかなタッチ、
響きの豊かさ、音の伸びやかさを実感できるのは、
アップライトピアノを弾き続けてきたからこそ。
防音室の静けさに感謝し、
耳を澄ますことができるのは、
片道4車線の騒音を知っているからこそ。

防音室って、音が外に漏れないだけでなく、
外の音も中に入ってこないんです。
私はそちらの方に魅力を感じています。
ピアノの響きだけに集中できるからです。

ピアノ指導者にもイロイロ。
立派なお教室を用意できる人がいる反面、
私のように狭いところにアップライトを置いてでしか、
教えることのできない人もいるのではと思います。
関東は地価が高いので、なおさらですよね。

でも、願っていればきっと!と思います。
欲しい楽器、欲しい環境に相応な自分を目指し、
コツコツと貯金していれば、きっと叶う♪

今ある環境を存分に生かし、
その中でできることをやり尽くすこと。
きっとそういう地道な一歩一歩が、
タイミングを引き出してくれるのだろうと信じています。


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emksan at 15:26│TrackBack(0) ピアノ/練習&勉強 

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この記事へのコメント

1. Posted by ritsuko   2014年01月21日 18:58
私も昔アップライトでレッスンしてました。

グランド買った時は嬉しかったです…約20年前。

ピアノは宝物、一生涯共にしたいですね(^^)
2. Posted by 中嶋   2014年01月21日 19:23
〉ritsukoさん
本当に、感謝の気持ちを忘れずに、一生涯大切にしていきたいです〜♪♪♪