2013年12月06日

発達障碍児レッスン相談 (1)

〜 発達障碍児レッスン相談 (1) 〜


<相談者>


ピアノに入る前の準備段階の生徒のことです。歌を歌ったり、身体を動かしたり、リズムを打ったり、少しだけピアノも取り入れています。 反抗期かも?と親御さんにご相談し、言動などについて起因するものは色々とわかりました。言動は落ち着きつつありますが、今はなーんにもしなくなりました。お家では宿題の曲を楽しく歌ったり、弾いたりしているそうですが、レッスンではシールを貼るのと小楽器は気分が乗ればしてくれます。

あとは、あいさつから何から「やらない。」の一点張りです。体験の時からですが、私が音楽を鳴らしたりピアノを弾くとうるさいと耳を塞ぎます。親御さんには一回一回のレッスン前にレッスンでどんなことがしたいのかお嬢さんとお話してお聞かせて下さい…とお伝えしましたが…。 良いレッスン方法があれば、アドバイスよろしくお願いします。


<中嶋>

音がうるさいと耳をふさぐのが気になりますね。あまり無理をせず、うるさいなら静かな音で弾いてあげる、小さな声で話しかけてあげる方がよいのかもしれないですヨ。 また、「どんなことがしたい?」という言葉は、もしかしたらこの子にとっては漠然とし過ぎているのかもしれません。レッスンでやる内容をカードか何かにして、「どれからやりたい?」と選択させてみてはいかがでしょう?レッスンでやる内容は、具体的にその子にわかるように。文字が読めるとよいのですが、読めないようであれば絵に描いて何をするかわかるようにしてあげるといいかもしれません。 また、やることが難し過ぎてわからないと、こういう状態になることもあるのではと思います。難し過ぎるというのは、この子が感じることで、こちらがこの程度は簡単・・・というのとも違うんですよね。

ところで、この子はレッスンを始めて、どれくらいの期間経っているでしょうか?まだ半年経っていませんか?他の子がレッスンを受けているのを見たことはありますか?もしくは発表会で演奏しているのを見たことはありますか?ピアノのレッスンってなんなんだろう?ということそのものが、この子には理解できていないのかもしれない・・・とも思ったので。

耳をふさぐという点がちょっと気になり、もしかしたら発達障碍とまではいかないまでも、グレーゾーンの子なのかなと思ったりもしました。これらのアプローチは、診断名がもらえなくても、自閉傾向があると感じる子に私がアプローチしている方法です。 この子に発達障碍があるとは言い切れないですが、発達障碍の子へのレッスンは、障碍のないク個性の強い子にも使えるアプローチだったりするので、私でお力になれることがあれば、と思います。


<相談者>

ありがとうございます!そうなんです、耳を塞ぐ、というのは気になっていて、この子の言動も踏まえてもしかしたら…と考えていました。 親御さんがおみえになった時に親御さんの言動を真似ていることがわかり、色々納得し、もしかしたら耳を塞ぐのも真似ているのかな?と考えていたり…。もう少し観察してみます。

体験のとき以来、音量は生徒にうるさくないか確認して小さくするようにしました。小さくしても必ずまずは「うるさい」と言います。それもちょっと気になっていたりします。 今日はレッスン内容を言葉で伝えましたが、次回カードを作ってみます!!ありがとうございます。 内容は、今日も本人とママに確認しましたが難しくは無いようです。

レッスン期間はまだ2ヶ月でそれまでに教室ではミニコンサートがありましたが、ご覧頂けていないです。それでは、レッスン自体がどういうものか、理解出来ないですよね。今月クリスマス会がありこの子も参加する予定なので良い機会かと思っていましたが、早いうちにレッスンの見学も勧めてみます。


<中嶋>

ところで、この生徒さんは何歳ですか?また、会話はどの程度可能なのでしょうか?レッスンの内容について本人に確認できるということは、ある程度会話が成立し、理解力もあるのかな?と思ったのです。 また、耳をふさぐということと、お家ではレッスンでやったことを楽しく歌ったり弾いたりしているということで、レッスンでやる内容は理解はできているんですよね。内容は理解できているのに、レッスンでやってくれないのは何故なのか?

・レッスンとは何か?を理解していない
・レッスン室や先生に慣れていない

まだ習い始めて2カ月ということで、先生やレッスン室に慣れないため、不安で動きがとれない、ということは十分あり得ることと思います。この期間は「見て理解する」期間であり、理解できれば安心して行動に移せるようになるんですよね。 お教室に慣れるまでは、何かをやらせようとするのではなく、覚えたらお家でやってくれるはず・・・という前提のもと、「見せる」「聴かせる」というレッスンでもよいのではと思いますヨ。

不安になっているこの子に何かをやらせようとすればするほど、コミュニケーションは上手くいかなくなるだろうと思うんです。こちらが見せて聴かせているうちに、生徒さんが自然に歌い出したり、自然に弾き出したりしたらラッキーという程度に思っておくのがちょうどよいかもしれないですネ。

それから、もう一点気になったのですが、この子は一緒に歌うということを嫌がったりはしませんか?自閉症スペクトラムの子には、”一緒”というのを嫌がる子が結構いるんです。こういう子は一緒に歌おうとすると、私の口をふさぐんですよ。(笑) いかがでしょう?


<相談者>

生徒は4歳の女の子です。この子の言葉はよく言えばかなり達者です。悪く言えばかなり乱暴です。会話はできますが、大体否定的な返しがきます。 歌はCDを渡しているので、それをママが聞かせてくれており、歌っているようです。教室では、一人でも歌ってくれません^^;

体験レッスンのときから色々なところに興味を示し動きまわり、触り、「これなんや?」と言っていました。私は一つ一つ答えていたのですが、答えて間も無く「わかってるわ!」と乱暴な口調で返してきていました。一度絵をみせたときに「○○ちゃんこれなんだとおもう?」と聞いたら「先生なんやから先生が答えてや!」とイラっとした口調で返されました。「○○ちゃん、もう少し優しく言ってくれると嬉しいよ。」とお話し、ママにもお話しました。

耳をふさぐのは毎回なのと、動きまわるのと、口調、マイナーな国旗をたくさん知っている、というところなど考えて、この時点でこの子はもしかしたらグレーかなと思いつつ、レッスンではお話を聞いてね、楽器を勝手に触らないで、などレッスンのお約束もお話しました。

その次のレッスンはお歌は歌いませんでしたが、動きまわったり、これなんや?は少なく感じました。その次のレッスンはお昼寝の最中に起こされて来たようで、来てすぐ「帰りたい!」と殆ど奇声に近い声をあげながら泣いていました。まずは、先生の仰る通り、

・レッスンとは何か?を理解していない
・レッスン室や先生に慣れていないという

部分を少しずつ埋めていきたいなぁと思います。 実は見せる、聴かせるも試みてみましたが、見せるときはみないで別のところに移動し、聴かせるときは耳をふさいでいても、根気良く続けた方が良いでしょうか^^;


<中嶋>

この生徒さんは口は乱暴で悪いけれど、攻撃的というのとも違う気がしますね。 この子の場合、口が達者で、物言いが率直過ぎる、といったところでしょうか。自閉症スペクトラムの子は、相手に受け入れてもらいやすい言葉を選ぶ、といったことが苦手で、良く言えば裏表がなく、思った通りのことを率直に言葉にするんですよね。 この子の場合、口調が乱暴なのはご家庭内の環境もあるからなのでしょうね。(詳細割愛)

言葉遣いという点を除いて考えると、率直な物言いは、自閉症スペクトラムの子によくありがちなことという気もします。 たとえば、「うるさい」という表現は、定型発達の子であれば先生には使わない言葉ですよね。たとえ4歳といえども。でも、自閉症スペクトラムの子は使うんですよね。「うるさい」以外の言葉が見つからないのだろうと思います。 私は、私の声が大きくて、「うるさい!」と耳をふさがれた経験があります。そのため、この子へのレッスンでは、小さい声でしゃべるようにかなり気を使いました。慣れるのに時間がかかりましたが、この子は私の声が痛いのだろうと思うと、この子を痛がらせたくなくて。

ところで、「これなんや?」という一連のやりとりは、新しい環境に来ると自分がどういう場所にいるのかが気になって、あれこれその場にあるものを確認しないと、落ち着かないことがあるからなんですよね。 私は生徒さんを家中探検させることがあります。ここはリビングだよ、ここは先生が寝るところだよ、ここはお風呂だよ・・・と。(笑)ただし、探検はこの日だけ。「今日だけ特別、探検しよう。」と1日ルールを設けて、生徒さんが納得するまで探検に付き合うんです。 そうすると、自分がどこにいるのかが把握できて、それ以降は、落ち着いてくるんですよね。体験レッスンの次のレッスンで、「これなんや?」が減ったということは、そういうことなのではと思います。 もちろん、多動な子は来るたびに、レッスン室のあらゆるものが気になり、ちょこちょこと動き回りますが、慣れてくると30秒も付き合えば、そこから気を逸らして、レッスンに戻ってきてくれるようになると感じています。

ところで、レッスンを始めて2カ月とのこと。まだ4歳ということもあり、レッスンが軌道にのるには、少なくとも半年はかかるんじゃないかなぁと思います。気長に・・・です。(笑) しかも、この軌道に乗る・・・というのは、先生とコミュニケーションがとれてくる、先生に慣れる、レッスン室に慣れるという意味合いであり、多動がおさまり、定型発達の子と同じスタンスのピアノレッスンができるという意味ではありません。でも、半年もすれば、お互い阿吽の呼吸みたいなものが生まれ、レッスンはしやすくなっていくのではと思います。

ところで、見せたときに見ていないというのは、実はそうでもないんですよね。目の端っこで見ているときもあるんです。全部見ているわけではなくても、気になる部分はきちんとチェックしている。本人が知りたいと思う情報は、こちらの気付かない形で、実はきちんとチェックしていたりするものなんです。 もちろんあまりにも見ていない、という場合もあり、その場合はなんらかの手立てが必要と思います。

まずは、「見ます。」と伝えることかもしれませんね。 「先生が○○するのを見ます。」と”ですます調”で、はっきりと具体的に説明するんです。100%見てくれなくても、最初の何秒か見てくれただけでもOK。「ちゃんと見られたね」と褒めてあげます。 10回アプローチして、1回最初から最後まで見ることができたら、もうすごいことですね。その繰り返しで、徐々に興味を持ってくれるようになるんです。

ところで、私はこのような生徒さんから、辛抱強さを引き出すために、シールという方法をとっているんです。これが効き目抜群なので、本当に便利に使っています。 エクセルで表を作ります。100マスくらい。ここにタックシール(丸いカラーシール)を、貼って集めていくんです。 「見ます」といって見るアプローチをしたら、冒頭の数秒しか見てくれなかったとしても、「見られたね!」とタックシールを1枚貼ります。 「聴きます」といって耳をふさぎながらでも聴いてくれたら、「聴いてくれたね!」とタックシールを1枚貼ります。

ときどき生徒さんの様子次第で、「今のはちょっと長いのに頑張れたから2枚貼れるよ!」と2枚にしたりします。 というのも、このシートは10枚ためると好きなシールがもらえるというものなのですが、10という数字は、多動の子にとってスパンが長すぎて、頑張れないことがあるからです。そのため、そういう状態にあるときは、レッスンがダラダラしてしまわないように、1回のアプローチに2枚シールを貼ってあげ、早めに達成感を得ることができるようにしているんです。

ちなみに、今私が教えている多動の子は、恐竜や働く自動車のシールが大好きで、頑張るとシールゲットできる!というシステムを理解してから、「頑張る」という自主的な気概を見せてくれるようになりました。そのときだけは、多動がおさまり、アプローチに集中してくれるんです。

ところで、耳をふさぐというのは、成長するにしたがって、少しずつよくなっていくだろうとは思うのですが、やはりこの子にとっては痛い音、もしくはガンガンワンワンと、頭の中で鳴り響く嫌な音なのだろうと想像します。 でもその反面、お家ではCDを聴いているんですよね。どういう音であれば、この子は受け止めてくれるのか?そこが知りたいところですね。

例えば、歌うにしてもささやくような歌声であれば、耳をふさがないのか?ピアノはソフトペダルを踏んだり、ピアニッシモで弾く分には耳をふさがないのか?ピアノや歌は、どうにもこうにも耳が痛いようであれば、 CDを使ったレッスンというのもありかもしれません。

また、耳をふさぐ原因が、音が痛いという感覚的なものではなく、強迫観念という不安からくるものなのであれば、多少我慢して聴いてもらうというのもありかと。 というのも、イヤイヤ聴きながらも、家ではレッスンでやったことを、歌ったり弾いたりしているわけですから、レッスンで耳をふさぎながらも、きちんと先生のやっていることを、聴いているってことなんですよね。

自閉症スペクトラムの子は、新しいものが苦手だったりするので、初めて出会う曲、初めてのアプローチは、拒否することが多いんです。 この子の耳をふさぐという行動が感覚過敏によるものではなく、不安だから拒否している、という意味合いを持つのであれば、「聴いてください。聴くだけで、何もしなくていいです。」と安心させる声かけをしてから聴いてもらう、というアプローチもよいのではと思いました。

とにもかくにも長い目で・・・かもしれません。まだ4歳ですものね。こういう子は、レッスンがピアノのレッスンらしくなってくるのは、小学2年生くらいからなんですよね。 それまでは交流を通じて、信頼関係を築き上げ、ながぁいながぁ〜い目で、ひとつひとつのアプローチをしていく、というのがよいのではと思いますヨ。 あと数カ月くらい、先生に慣れるのに時間がかかるかもしれませんが、焦らずゆっくりと。少しずつお母さんとの交流を深めていき、お母さんの心を開いていくことも大切かもしれませんね。 徐々にお母さんが先生の前で本音を出せるようになってくると、いろんな情報が入ってきやすくなり、レッスンがしやすくなっていくのではと思います♪

まだ2カ月♪ じわりじわり・・・の時期ですネ。(*^_^*)


<相談者>

お忙しい中、本当に沢山のアドバイスを有難うございます^^ 大変勉強になります。先生から頂いたメッセージと「あきらめないで!ピアノ・レッスン」を繰り返し読みながら、ゆっくり気長にレッスンしていこうと思います。そうですよね、まだ小さいですし、レッスン二ヶ月で焦ってはいけませんね(*^^*) じわりじわり… 本人、お母様とも交流を深めて信頼関係を築いていきたいと思います♪

「見てないようでチェックしてる。」だから、お家で出来るのですよね!タックシールも取り入れてみようと思います。 「どういう音なら受けとめてくれるのか。」も探ってみます。お家のCDは大丈夫でそれに合わせかなり大きな声で歌っており、お母様が耳を塞ぐくらいだそうです。本人の話し声も大きく、小楽器もかなり大きい音で鳴らしていましたが、ピアノや教室のスピーカーから流れる音はダメなんですよね…。お家のピアノは電子なので、教室のピアノはとても響いて聞こえるのでしょうね…。

今後も色々とご相談させて頂くことがあると思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。





【相談者募集】

・相談者は匿名記載とします
・発達障碍児かわからないという子の相談も可です
・FBメッセージでやりとりできる方の募集となります

やりとりはFBメッセージとさせていただき、メールでのやりとりは不可とさせてください。メールチェックが2,3日おきになっているということが理由です。 (頻繁に使用しているパソコンではメールチェックができないので・・・。)

みなさんが抱える悩みは、発達障碍児、もしくは発達障碍児かもしれないという生徒さんを抱える、多くの先生方と共通した悩みと思います。悩みやアドバイスを多くの方と共有していくことで、これらのアプローチを誰もが知るようになり、知らない人も知りたいと思ったとき、気軽に当たり前に手に入る情報になったならと願っています。

相談には勇気がいる場合もあるのではと思いますが、ブログでは匿名記載となります。私が「あの相談は誰それからのものだよ」と、第三者に語るということも決してありません。どうぞお気軽にメッセージをください。

私のFBページ
https://www.facebook.com/emikopiano


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emksan at 00:07│TrackBack(0) 発達障碍児レッスン相談 | 障碍&幼児

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