2013年10月24日

楽譜を読むことの特権♪

ブラームス作品118第2番のCDを聴き、
惚れ込んでしまった私。
短調好きな私が長調のこの曲に、
何故こんなにも惹かれるのか?
そんな興味もあり、読譜を開始しました。

実際に楽譜を眺めてみると、
聴いただけでは気付かなかった、
いろんな魅力に気付かされます。

この楽譜を眺めたとき、
一番目についてきたのは、
細かなアーティキュレーションでした。
2音間のスラー。
まるで、ため息の連続。
いや、ため息ともちょっと違うのかな。
甘い吐息とため息の混じり合ったような、
甘い押さえた感情というか・・・。

というか、ため息と吐息ってどう違うの?(笑)
ここにあるのは深いため息ではないんですよね。
しかも失望とかいうため息とも違う。
もっと甘い感情、愛情の吐息。
ちょうどいい言葉が思いつきません。(^_^;)

冒頭右手メロディも、
”♯ドシレー”とひとつのスラーではなく、
”♯ドシ”という2音間のスラーになっています。
アーティキュレーションひとつで、
イメージが変わってきます。

実際に出てくる音は、
ペダルを踏むわけですから、
音は繋がって聴こえてきます。
でも、このアーティキュレーションを感じたときの呼吸と、
感じていないときの呼吸、
ちょっとした音の扱いというのは、
大きく変わってくるものなんですよね。

聴く人間は、そこまで意識しては聴きません。
音として表出してきたものを、
そのまま受け止めることになりますが、
演奏者はそのひとつひとつを
意識しているものなんですよね。
だからこそ、独特の間合い、呼吸、
音色が生まれるのです。

楽譜からどんな曲なのかを想像し、
イメージがどんどん広がっていくワクワク感というのは、
楽譜を読み込む人間の特権なのだなぁと、
今回つくづく感じました。
CDを聴くだけでは見えてこなかった魅力に、
楽譜を眺めることで気付くことができ、
想像の世界がどこまでも広がっていくのですから。

あんなところにも、こんなところにも、
こんなに美しいハーモニーが、
こんなにも美しい対位法のやりとりが!
楽譜を読んでいるとワクワクが止まりません。
このワクワクはCDを聴くだけでは得られなかったことです。

これは、”演奏する”魅力ともちょっと違います。
ただただ”楽譜を眺める”ということの魅力。
ここには技術的な四苦八苦が一切ないので、
純粋に楽譜から感動を得ることができるんですよね。

問題は、
この感動を演奏に移行させるための練習ですね。(笑)
楽譜から得たワクワク感と
第一印象を持続させるということ。
楽譜から得た魅力を、
音としてどう表現するかという思索をするということ。
それがね、大変。

ということで、楽譜と向き合う「はじめまして」の瞬間は、
演奏にはない魅力とワクワク感があるのです。
私はこのワクワク感が大好き。
特にこの曲は、
美しい魅力があちらこちらに散りばめられていて、
「はじめまして」の感覚をしばらく堪能しちゃいそう。

演奏に繋げていくという大変さを、
先延ばしにするのもいけないですが、
私はこうやって読譜する時間が一番好き♪


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emksan at 11:01│TrackBack(0) ピアノ/練習&勉強 

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