2013年09月27日
広汎性発達障碍4歳児:多動が見られる子へのレッスン(2)理解力を知る(3)身体能力を知る
〜 広汎性発達障碍4歳児:多動が見られる子へのレッスン 〜
(1)個性を知る
(2)理解力を知る、(3)身体能力を知る
(4)個性に応じたアプローチが基本
(5)3つの視点に応じたアプローチ具体例
(6)教材に頼らない楽曲アプローチ
(7)その後のこの子(FB投稿へのリンク)

(2) 理解力を知る
お母さまのこの子への声かけを見ていると、この子がお母さまの声かけのほとんどを理解していることがわかります。言葉数の少ない子ではありますが、発語と理解力が比例しているとは限らないんですよね。この子は発語が少なく、ペラペラしゃべるタイプの子ではありませんが、お母さまの声かけに耳を傾け、それを理解することができるのです。『個性を知る』で多動だと書きましたが、多動だからといって声かけに耳を傾けていないわけではない、ということでもありますね。動き回りつつも、こちらの声かけに耳を傾けているのです。
体験レッスンの段階で、2つと3つの黒鍵の区別がついているということがわかりました。どのアプローチにしても、最初は拒否反応のように目を背ける子ですが、怖々とお母さんの胸に顔をうずめながらも、ちらりちらりと私のすることを観察しているのがわかります。そして、ある程度観察し不安感が減ってくると、同じようにやろうと試みてくれます。この子がきちんと理解してくれているということがわかる瞬間です。リズム打ちにしても、私がエレベーターゲームと名付けているアプローチにしても、音の階段を指し示しながら歌うことにしても、いずれもきちんと理解してくれているのです。
音の並びの把握にしても、鍵盤把握にしても、5線に置かれた音符にしても、今後さらに理解を求めるアプローチができそうだという、手ごたえを感じています。しかしそれは、『個性』に寄り添った段階・スピードを持たせる必要があるため、徐々に1,2年かける心積もりでアプローチしてゆくのがよいだろうと感じています。
(3) 身体能力を知る
自閉症スペクトラムの子の中には、鉛筆が持てないほど筋力や関節の弱い子がいますが、この子はそうではないようです。靴下も指先を使い器用に履くことができますし、シールも指先を上手に使い、貼ったりはがしたりすることができます。
身体意識についても、自身の体の部位を意識しづらいということはなさそうです。「丸い指」という声かけ通りに、自分の指を丸くしようと努めてくれますし、そのような指の形を作ることもできます。自閉症スペクトラムの子は、身体意識が弱く、体のコントロールが苦手な、いわゆる不器用な子が多いですが、この子はそうでもないのかなと感じています。
しかし、やはり『個性』に寄り添ったアプローチが必要だろうと思います。身体能力に応じたアプローチがそのまま通用するかというと、集中力の持続性を考えると、やはり無理があるからです。この子は注意力を1点に集中させることはできますが、多動なので長続きはしません。その個性に寄り添いながらのアプローチが必要だろうと考えています。
・・・次回『個性に応じたアプローチが基本』 こちら
〜 講座 〜
なんでも聞きたい!少人数制質問会
http://musestown.livedoor.biz/archives/52256219.html
「知っておきたい幼児の特性」シリーズ講座
http://musestown.livedoor.biz/archives/52249060.html
(1)個性を知る
(2)理解力を知る、(3)身体能力を知る
(4)個性に応じたアプローチが基本
(5)3つの視点に応じたアプローチ具体例
(6)教材に頼らない楽曲アプローチ
(7)その後のこの子(FB投稿へのリンク)

(2) 理解力を知る
お母さまのこの子への声かけを見ていると、この子がお母さまの声かけのほとんどを理解していることがわかります。言葉数の少ない子ではありますが、発語と理解力が比例しているとは限らないんですよね。この子は発語が少なく、ペラペラしゃべるタイプの子ではありませんが、お母さまの声かけに耳を傾け、それを理解することができるのです。『個性を知る』で多動だと書きましたが、多動だからといって声かけに耳を傾けていないわけではない、ということでもありますね。動き回りつつも、こちらの声かけに耳を傾けているのです。
体験レッスンの段階で、2つと3つの黒鍵の区別がついているということがわかりました。どのアプローチにしても、最初は拒否反応のように目を背ける子ですが、怖々とお母さんの胸に顔をうずめながらも、ちらりちらりと私のすることを観察しているのがわかります。そして、ある程度観察し不安感が減ってくると、同じようにやろうと試みてくれます。この子がきちんと理解してくれているということがわかる瞬間です。リズム打ちにしても、私がエレベーターゲームと名付けているアプローチにしても、音の階段を指し示しながら歌うことにしても、いずれもきちんと理解してくれているのです。
音の並びの把握にしても、鍵盤把握にしても、5線に置かれた音符にしても、今後さらに理解を求めるアプローチができそうだという、手ごたえを感じています。しかしそれは、『個性』に寄り添った段階・スピードを持たせる必要があるため、徐々に1,2年かける心積もりでアプローチしてゆくのがよいだろうと感じています。
(3) 身体能力を知る
自閉症スペクトラムの子の中には、鉛筆が持てないほど筋力や関節の弱い子がいますが、この子はそうではないようです。靴下も指先を使い器用に履くことができますし、シールも指先を上手に使い、貼ったりはがしたりすることができます。
身体意識についても、自身の体の部位を意識しづらいということはなさそうです。「丸い指」という声かけ通りに、自分の指を丸くしようと努めてくれますし、そのような指の形を作ることもできます。自閉症スペクトラムの子は、身体意識が弱く、体のコントロールが苦手な、いわゆる不器用な子が多いですが、この子はそうでもないのかなと感じています。
しかし、やはり『個性』に寄り添ったアプローチが必要だろうと思います。身体能力に応じたアプローチがそのまま通用するかというと、集中力の持続性を考えると、やはり無理があるからです。この子は注意力を1点に集中させることはできますが、多動なので長続きはしません。その個性に寄り添いながらのアプローチが必要だろうと考えています。
・・・次回『個性に応じたアプローチが基本』 こちら
〜 講座 〜
なんでも聞きたい!少人数制質問会
http://musestown.livedoor.biz/archives/52256219.html
「知っておきたい幼児の特性」シリーズ講座
http://musestown.livedoor.biz/archives/52249060.html
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