2013年09月26日

チェロの木

私は本棚に、絵本の貸し出しコーナーを設けています。
いつも同じ絵本を借りる子もいれば、
新しい絵本に挑戦する子もいて、
それぞれカラーがあって面白い♪

最近購入した『チェロの木』。
小学高学年の子向けと思います。
絵本なので、幼児も対象にはなっていると思うのですが、
この奥深さは幼児には伝わりにくいかも。

私は幼児向けだけでなく、
小学高学年や中学生向けと思われる絵本も大切にしています。
”向け”というのは、
私が勝手に感じとっているものではありますが。

幼児向け絵本とはいえ、
幼児が振り向かない絵本もあるんですよね。
絵や内容が大人にとってどんなに魅力的でも、
幼児が見向きもしてくれない本。
ところが、そういう本は小学高学年の子には、
響く何かがあったりして。

魅力溢れる表現豊かな文章、
細部にまで思いの込められた絵に出会うと、心が震えます。
絵本って、幼児だけのものではないんですね。
ひとつの”作品”なのだなぁと思います。

昨日レッスン後、
小学6年生の子に絵本を読み聞かせてあげました。
絵本は自分で読むのもよいですが、
言葉のリズム、抑揚、フレーズ、呼吸を感じながら、
読み聞かせするのもいいんですよね。
総合芸術なのだなぁと、いつも思います。

読み聞かせる側の私は、
表現するからこそ得られる感動を味わいながら、
聞く側の生徒さんは、
目で追う文章と私のリズムや間合いを感じながら、
絵本の世界を味わう。

朗読って音楽ですね。
子どもの頃、クラスメイトの前に立ち、
教科書を声に出して読むことが大嫌いでした。
音楽的な楽しみや表現する奥深さといったものを
国語の授業に見出したことは一度もありません。
そこにあったのは、
緊張して恥ずかしいという思いだけでした。

でも、今は文章を声に出して読むことが大好きです。
言葉は音楽なのだと実感することができますし、
思春期を遥か昔に通り過ぎた今、
表現することを恥ずかしいと思う気持ちもないからです。

この楽しさを生徒さんたちにも味わってもらいたいと思うのですが、
「読んでごらん」と勧めるだけで、魅力を感じてもらえるわけもなく。
朗読する私の姿を見せ、
そこに生まれるリズムや響き、フレーズ、間合いを感じてもらうことが、
この奥深い愉しみを伝える一番よい方法なのだろうと感じています。

そのためには、魅力的な文章でなければ。
読み聞かせしたくなる文章と絵。
胸にジ〜ンとくる、お勧めの一冊です。

 

チェロの木
いせ ひでこ
偕成社
2013-03-06




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emksan at 11:31│TrackBack(0) 音楽/本・CD 

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