2013年09月07日

作曲で何を表現したいのか?

昨日、突然あるモチーフが思い浮かび、
のんびり過ごそうと思っていた予定返上。
ピアノに向かい続けてしまいました。
出版順に読み進めている平野啓一郎氏の影響かと。
思いついたモチーフがそういう雰囲気だったので。

バッハのインベンションが頭の中で鳴っていたんですよね。
バッハの跳躍が好きだぁ!と思いながら・・・。
そうしたら、跳躍から始まるモチーフが、
突然頭の中で流れだしたのでした。

私は誰かに作曲法を師事しているわけではありません。
なので、趣味の領域で作曲をしています。
とはいえ、学びというスタンスも持ちたいと、
いろんなテーマを設けて、
ちょこちょこと作曲をしてきました。

最初の頃は、倚音を使いたい、
繋留音を使いたい、モチーフを展開させてみたい、
減七を使いたい、属九を使いたいといった、
具体的な学びのテーマがあったのですが、
夏目漱石の作品に触発された曲を作ってからは、
そういう意識から少し離れたところで作曲するようになりました。

そして今回。
学びの目的は一切なく、
「倦怠」をイメージしながら曲を作っています。
こうしてみると、すごく作曲家を身近に感じます。
そっか、作曲家はこうしてハーモニーを選び、
アーティキュレーションを選び、
リズムを選んでいるんだと。

「倦怠」を表現するために、
なるべく不安定な要素を取り込んで作曲するようにしています。
何をもって不安定を表現するのか?
いろんな表現があるものなのだなぁと。
不安定なハーモニーでも、
風の揺らぎのような不安定さもあれば、
精神の不安定さを感じるハーモニーもあります。
選ぶハーモニーがちょっとずれるだけで、
表現したいものからかけ離れてしまう。

不安定さと安定のバランスも同じこと。
安定ばかりでも表現したいものは表現できないし、
不安定ばかりが目立っても、
わけのわからぬ楽曲になってしまう。
安定の中に不安定の要素を含ませるのか、
不安定の中に安定の要素を含ませるのか。

楽曲全体の印象を統一することについても、
今回は「倦怠」というイメージで統一したいわけで、
いろいろ工夫があるものなのだなぁと感じ始めています。
モチーフをどのようにもぐりこませるのか。

構成にしても私が表現したいのは、
「ゆがんだ時間と倦怠」というテーマなので、
ゆがんだ時間を感じさせるような構成にしたい。
一体どういう構成がよいのか?

こういう視点で曲を作るのは初めてのことなので、
すごい刺激を受けています。
このスタンスでいくつか曲を作ったら、
楽譜の見方が変わるかもしれない・・・。
そんな風に感じています。

今作っている曲が、
きちんと仕上がるかどうかは、
まだ途中なのでわかりませんが。(^_^;)
こうして作曲している時間はとても楽しい!


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この記事へのコメント

1. Posted by すー   2013年09月07日 22:47
>ゆがんだ時間と倦怠」というテーマ

イメージからして「長調?短調?、どっち」みたいな
感じがしますが、セブンスでしょうか?
面白そうですね、申し遅れました。ブログ村から
来ました。作曲を本格的に習いに行っています。
今、二年位でピアノはブルグ止まり^^、その前に
ギターを少々程度、楽典もやっと同時進行で大楽節
から曲作りは始めさせられ、今は課題曲から自由曲
になったところです。
 歳なのでスローテンポが好きなのですが、アップ
テンポの曲を指定されて、現在「展開」を後半
どうしようか?と迷っているところです。テーマは
こちらは「飛翔」です。合唱団に所属し、その指揮の方も作曲家で参考に
させていただいています。(人の作る曲や伴奏法も
参考になりますね。)

ピアノブログで「作曲」の話を拝見出来て楽しかった
です。ありがとうございます。(大作曲家の作った曲
を演奏するのも楽しいですが)自分の世界を表現できる
曲作りも楽しいですよね。
2. Posted by 中嶋   2013年09月09日 10:46
>すーさん

自分で作曲するというのは、本当に楽しいものですね。私の場合、日々作曲しているわけではなく、したくなるとする・・・といった程度のものですが、やっぱりやり始めると止まらなくなり、楽しいです♪ちなみに、今作っている曲は短調です。私、長調のフレーズって思い浮かばないんですよ。(^_^;) 短調が好きなんですよねぇ。(笑)