2013年07月15日

解像度の高い耳

主人がいつも録画している番組に、
NHKの『SWITCHインタビュー』という番組があります。
異なる分野で活躍する2人が、
お互いの仕事場を訪れ、
お互いの仕事の極意について語り合うという番組なのですが、
いつの間にか私もその録画を楽しみに観るようになりました。

今日観た録画は、構成作家で脚本家の小山薫堂さんと
アートディレクターの佐藤可士和さんの対談。
小山薫堂さんは、『料理の鉄人』の脚本や『くまモン』の仕掛け人で、
佐藤可士和さんは、ユニクロやセブンイレブンのロゴや商品、
店舗のデザインなどを手がけている人です。

対談の最後の方で、可士和さんが日本人の繊細な感性を、
”解像度が高い”という言葉で表現していて、
なるほどなぁ!と思ったんですよ。
ピンとくる言葉だったというか。
そして、音楽に必要な耳の良さというのは、
”解像度の高い耳”なのだと思いました。

昨年、新しい解像度の高いテレビをリビングに、
それまで使用していた解像度の低いテレビを寝室に置き換えました。
買い換えたばかりの頃、
私にはこの2つのテレビの解像度の違いを、
感じとることができませんでした。

ところが、リビングのテレビ画面に慣れた頃、
久々に寝室のテレビ画面を見てビックリ!
こんなにぼやけた画面だっけ?!と、
リビングに置かれたテレビとの違いに愕然とさせられたのです。

解像度の高さを日常で経験したことのなかった私は、
新しいテレビに買い換えたとき、
解像度の違いを感じることができませんでした。
しかし、解像度の高いテレビを日々観ることで、
その違いを感じとることができるようになっていたのです。
耳にも同じことが言えると感じています。
解像度の高い音楽を聴き慣れていなければ、
解像度の高い音楽と低い音楽の違いを聴きとることは難しいでしょう。

ところで、テレビ画面の解像度について、
私は”何がどう高いのか”ということは分析できません。
ただ”違いを感じられる”といった程度のものです。
テレビを観るという楽しみにおいて、
解像度の高さを分析する必要性などないわけですから、
その違いを感じとることができるだけで十分なのですよね。

これも、音楽に置き換えることができるのではと思います。
演奏をしない聴くだけの人は、
音の解像度を分析する必要がありません。
音楽の深い表現力をより堪能できるための、
高い解像度を”感じとる耳”があればよいだけです。

しかし、演奏する側の耳となると、そうはいきません。
”何故解像度の高い音楽に聴こえるのか?”という
分析できるだけの耳が必要になってきます。
分析できなければ、そのような解像度の高い演奏表現を
体現することはできないからです。

2つの旋律が立体的に聴こえてくるのは何故?
ハーモニーが色合い豊かに聴こえてくるのは何故?
音色が変化して聴こえるのは何故?

様々な角度から”響き”の分析が必要になります。
その解像度が高ければ高いほど、
それを実現させるため練習には熱がこもるでしょうし、
演奏も解像度の高い立体的な演奏になることでしょう。

ピアノ指導者は何故ピアノを習うのか?
”解像度の高い耳”が、要因のひとつとしてある気がします。
ピアニストは解像度の高い耳と、それを分析する耳に優れています。
そして、それらを体現するための表現テクニックの引き出しも豊富なのです。

コンサートへでかけたとき、
私は第1部を”学びの耳”で聴くよう心がけています。
解像度の高い耳を駆使して、
演奏者の響きを分析するのです。
ここで得た分析は自分の練習に役立ちます。
この聴き方は、解像度の高い耳を育むのに良いと感じています。
(第2部は分析はやめにして、無心で音楽を味わうことにしています♪)


”解像度の高い耳”


解像の項目は無数にあります。
その項目数が多くなれば多くなるほど、
解像度は高くなっていくのでしょう。
まだ私が気づいていない項目も山ほどあるはず!

このお二人の対談。
最後に「気が合うのに全然違う!」と盛り上がっていました。
片方は整理術に長け、片方はもったいないを生かすタイプという、
間逆のアプローチを持っていたからです。
でも、本質が似ているから気が合うんですよね。

本質って、そういうものなのだろうなと感じます。
音楽における本質もそう。
クラシッであろうが、ジャズであろうが、ポピュラーであろうが、
聴くだけの人であろうが、演奏する人であろうが、
趣味でピアノを習う人であろうが、
演奏家を目指してピアノを習う人であろうが、
本質はきっと変わらない。
ただ、アプローチは人それぞれなんですよね。

この番組、こんな風に化学反応を起こす組み合わせに出会うことがあり、
そういうときは観ていてとても興奮します♪


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emksan at 11:31│TrackBack(0) 音楽/その他 

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