2013年04月29日

(4)読譜 〜リズムと拍子感〜

自分の頭を整理する意味合いも含め、読譜について考えてみようと始めたブログ記事です。文章最後に私が普段生徒さんに指導している方法をまとめた、読譜教材を添付していけたらと考えています。

今構想中の内容は以下の通りです。

(1)読譜の準備 〜音の並び〜
(2)読譜の準備 〜音の並びと音の高低の一致〜
(3)読譜 〜図形の把握〜
(4)読譜 〜リズムと拍子感〜
(5)読譜と演奏 〜鍵盤把握と読譜の一致〜
(6)読譜と演奏 〜奏法と読譜の一致〜 

読譜教材の添付は、 銑い發靴はイ泙任鮃佑┐討い泙后E喘罎芭れが変わってしまったらごめんなさい。(^_^;)

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(4)読譜 〜リズムと拍子感〜

幼児にとって五線に描かれた音符の判別は難しくても、リズムの判別は容易なものです。白と黒、休符の形など、見た目に判別しやすいからでしょう。そのため私は、五線に触れる前に、リズムの指導をしています。

そのとき注意しているのは、理論的に指導しないということです。論理的思考がまだ未熟な幼児にとって、8分音符は4分音符を2分割したものと、リンゴを2つに割った絵などを描き指導したところで、理解してもらうことはできません。(リンゴと音符は見た目に全くの別物であり、音符と違うものを用いて説明したところで、幼児はリンゴと音符が一致せずに、混乱するだけではと思います。)

また、リズムとは一定の時間軸を分割したものなので、目に見える紙面で論理的に理解できたとしても、それを目に見えない時間軸に置き換えるのは、容易なことではありません。論理的思考ができる大人でも、8分音符と3連符が隣り合わせにくると、紙面上の理解だけでは、正しく時間軸を分割できないものです。

必要なのはその感覚を体験するということ。時間軸を分割するとはどういう感覚のことをいうのか?紙面上で理解を求めたところで、感覚を経験をしなければ、体現できるようにはなりません。

このとき重要なのは、拍子感という一定の時間軸の流れと思います。4分音符60の時間軸と、4分音符100の時間軸とでは、同じ4分音符でも長さが異なるということです。 音楽には”ノリ”というものがあり、この”ノリ”が安定した時間軸を生み出します。

ロックやジャズは裏拍に重さがきますね。この重さの変化によって、音に方向性が生まれるのでしょう。 私はすべての拍を同じ重さで演奏する生徒さんに出会うと、「1拍子の演奏になっているよ」と言います。1拍子の演奏には音の方向性がありません。 ”ノリ”がないのです。

ロックのノリ、ジャズのノリ、各民族音楽のノリ、クラシックのノリと、重さの変化はジャンルによって様々ありますが、ここではクラシックのノリである拍子感について、話を進めていこうと思います。

私はリズムを指導する前に、拍子というものを体感してもらうことにしています。一定の安定した時間軸(ノリを伴った時間軸)を経験してもらうのです。一番単純なのは2拍子。体感する方法は以下の通りです。

・1拍目を膝打ち
・2拍目を手拍子(手拍子は膝打ちより軽く)

私が使用しているピアノ教材は冒頭、五線のない4分音符の楽曲が何曲が続きますが、この間私は、リズムのアプローチはせず、拍子打ちをしながら、その楽曲の歌詞を歌うというアプローチに徹しています。 その後、この教材に2分音符が出てきたとき、4分音符と2分音符を比較することで、リズムを「見た目」で把握してもらう働きかけをします。

論理的思考が未熟な幼児にとって、効果的なアプローチは視覚的なアプローチだからです。 4分音符だけだと、他に比べるべき時間軸を示す視覚的材料がないので理解に繋がりません。2分音符と比較させることで、譜面上にリズムというものが表記されているのだ、ということが理解できるようになるのです。

その後、4拍子の体感を覚えてもらいます。発達障碍の子へはさらに簡単な4拍子打ちを用意しているのですが、定型発達の子には、最初から通常通りの4拍子打ちをしてもらっています。

〈発達障碍の子用、簡単バージョンの4拍子打ち〉
・1拍目を膝打ち
・2,3,4拍目を手拍子

〈通常バージョンの4拍子打ち〉
・1拍目を膝打ち
・2拍目を軽く指先で膝打ち
・3拍目を手拍子
・4拍目を軽く指先で手拍子(左右の指先同士を当てるだけ)

これら2種類のノリと、4分音符2分音符に慣れてきた頃、歌詞で歌うというアプローチに加え、拍子打ちをしながら、リズムを唱えるというアプローチを加えます。リズム読譜への働きかけです。

そのとき一定の時間軸が見た目でわかるよう、「これは何拍子?」と拍子記号を見て答えてもらった後、1234,1234というように、一定の時間軸が視覚的にわかる、拍子の数字をリズムに合わせて楽譜に記入します。この拍子の書き込みは、ブルグミュラーなどリズムが複雑になってきた頃、再びリズムがあやしくなる子に重宝する方法です。

子どもがリズムの読み間違いをするときの最大の原因は、リズムそのものが読めていないのではなく、一定の時間軸を失っていることにあります。16分音符が続く音楽の後、2分音符や4分音符の音楽に切り替わったとき、2分音符や4分音符の長さが短くなってしまう現象は、よく見られる現象なのではと思います。

その部分部分だけを取り上げたらリズムは合っている。しかし、16分音符の長さと2分音符の長さを比べると、まるで別の楽曲のようにテンポが異なってしまう。これは一定の時間軸を失っているから起こる現象です。 また、8分休符などが入りリズムが複雑になってくると、頭が混乱してリズムがわからなくなってしまうことがありますが、これも休符に惑わされて一定の時間軸を失ってしまうことが原因です。

時間軸というのは目に見えない感覚的なものなので、経験不足の子どもや大人の初心者の方にとって、このような現象は楽曲が難しくなるたびに起こる現象ではと思います。 このようなとき、「この曲は何拍子?その拍子の数字を楽譜に正しく記入できるかな?」と問いかけてみると、正しい位置に数字を記入できないことが多々あります。一定の時間軸を失っている証拠です。

一定の時間軸と楽譜の音符の関係が一致すると、一つ一つのリズム譜は読めるのですから、私がわざわざそこに書かれたリズムを体現しなくても、生徒さんは自らの力でリズムの間違いを訂正してくれます。

このようにリズムは、テンポという一定の時間軸と、拍子によるノリという土台の上で成立するものです。単体のリズムひとつひとつだけを取り上げたところで、理解にはつながらないと感じています。そのため、私は常に拍子感とともに、リズムを指導しています。

読譜教材【リズムと拍子感】
http://musestown.livedoor.biz/dokuhu-rhythm.pdf


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emksan at 14:11│ 読譜 | ピアノ/レッスン