2012年12月05日

発達障碍ってこんな障碍(1)

先日「発達障碍ってどんな障碍?」というブログ記事を書きましたが、
今回は障碍名に捉われない形で、
「発達障碍ってこんな障碍」という具体例をあげていこうと思います。


「発達障碍ってどんな障碍?」
http://musestown.livedoor.biz/archives/52041791.html

「続:発達障碍ってどんな障碍?」
http://musestown.livedoor.biz/archives/52042008.html


発達障碍には、さまざまな障碍名がありますが、
ここでは障碍名ごとに具体例をあげるのではなく、
具体例だけをあげていくつもりです。

例えば、ダウン症というのは染色体異常なので、
厳密にいうと発達障碍の中には含まれないそうですが、
私たちピアノ指導者がアプローチするという視点から考えると、
知的障碍を伴っていたり、
自閉症スペクトラムの一部の子に見られる、
筋力の弱さという特徴を伴っていたりと、
指導に必要となる視点に共通項が多いのです。

また、知的障碍の子の中には、
自閉傾向があるといわれている子がいます。
実際、私の生徒さんで知的障碍と診断されていた子が、
中学生のとき自閉症に変わった子もいます。
この子は、自閉傾向のある子でした。

自閉症スペクトラム内の障碍名については、
昨日のブログ記事に書いたように、
障碍名で分けることに限界があると、
医学界では認知されつつあり、
それらを「自閉症スペクトラム障碍」という
1つの診断名にしようという動きがあるようです。

そこで、ここでは具体的な個性(特徴)だけを挙げていきます。
医学的・療法的視点ではなく、
ピアノ指導者の視点で捉える発達障碍のあれこれです。


・精神年齢の幼さ

 これくらいの理解を示すのであれば、
 精神年齢はこれくらいだろう、という私たちの感覚より、
 精神年齢が幼いと感じます。

 高校生になっても私が人形になりきって話しかけると、
 その人形の目を見て話かけていた子がいます。
 これは幼児教育の世界ではアニミズムというのですが、
 幼児に見られる世界観を高校生になっても持ち続けていたのです。
 この子は現在20歳ですが、そういった面がいまだに見られます。

 知的障碍を伴わない自閉症スペクトラムの子についても、
 精神年齢の発達は定型発達の子より遅いと感じます。
 小学4,5年生にみられる反抗期が、
 中学生くらいになってやってくる、といった具合です。


 〜本では、以下の項目に書いています〜
 幼児の世界
  (2)アニミズム


・抽象的な言葉が苦手

 「あれ」「これ」「それ」がどれを指しているのかわからない、ということです。
 「お指の運動をしようね」と知的障碍を伴わない自閉症スペクトラムの子に声かけしたとき、
 この子は体中を動かし始めました。
 この子にとって「運動」とは体を動かすことでしかなかったからです。

 これは職場でも問題を起こすようですね。
 上司に「これをそこに置いてください。」と指示されても、
 「これ」を「そこ」に置くことができない、
 もしくは「これ」と「そこ」を指示されたこととは違うことと勘違いして、
 誤った行動してしまうことがあるからです。

 このような抽象的な言葉は、発達障碍児に限らず幼児も苦手です。
 これは、いくら教えても理解してもらえなかったことを、
 声かけ次第で理解してもらえることがあるということですね。
 レッスンが前進するか停滞するかは、
 相手が理解できる声かけ次第ということが多いと感じています。


 〜本では、以下の項目に書いています。〜
 自閉症スペクトラムの子
 (1)具体的に伝える
   _箸任領習方法を伝える
   ▲譽奪好鵑慮通しが立つ
   H表会のための練習を説明する
   げ士未鮨値化する
   ァ閥饌療!はすべての生徒さんに通じること



・耳からの情報を理解しにくい

 これは自閉症スペクトラムの子の特徴のひとつですが、
 幼児や知的障碍の子にも同じことを感じます。

 特に自閉症スペクトラムの子は、
 私の声を聞きとっていたとしても、
 それを意味のある言葉に変換するのが苦手なので、
 私がいくら口で説明したところで、なかなか理解してもらうことはできません。

 言葉は文字にすることで理解してもらいやすくなります。
 定型発達の子でも文字が読める子であれば、
 実際に文字にしてそれを読んでもらう方が、
 理解に結びつきやすく、さらに記憶されやすいと感じています。
 小学4,5年生の子でもそうですね。
 口だけの説明ではおろそかになりやすいですが、
 文字にすることで確実な理解に置き換わっていくように感じます。

 ピアノ指導においては、この特徴に対するアプローチが、
 定型発達の生徒さん、
 それこそ大人の生徒さんにも使えるアプローチになることが多々あります。

 例えば、音量。
 自閉症スペクトラムの子の中には、
 音の大きさの違いを音楽の中で理解しにくい子がいます。
 (すべての子がそういうわけではありません)
 こういう子には”見た目”のアプローチが必要となります。
 大きな動作や小さな動作でタンバリンをたたいてみせたり、
 大きな円や小さな円をノートに描いてみせたり、
 フォルテ→5の音量、ピアノ→1の音量 というように、
 数値をノートに書いて理解を促したりします。

 大人の生徒さんの中には、
 ピアノの中のクレッシェンドで、
 フォルテに浸食するような大きな音になってしまう人がいます。
 こういうときグラフを書いて説明すると、理解が深まるようです。
 http://musestown.livedoor.biz/archives/50714313.html
 (2007年1月ブログ記事「フォルテに浸食しないピアノ?!」)
 上記の記事は広汎性発達障碍の子へのアプローチですが、
 私は同じアプローチを定型発達の子や大人の生徒さんにも使うことがあります。


 〜本では、以下の項目に書いています〜
 自閉症スペクトラムの子
 (2)視覚に訴える
   ‘虻遒畔源による説明
   音の長さを視覚化する
   レッスンそのものを視覚で説明する
   っ躇佞鯊イ靴燭た搬琉媼韻鮖覲个冒覆┐



あきらめないで! ピアノ・レッスン ~発達障害児に学ぶ効果的レッスンアプローチ~
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emksan at 09:00│TrackBack(0) 障碍&幼児 

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