2012年10月01日

自分と何を比べるか?!

小学5年生の子。
親が天才の話をしたりするとすごく嫌がり、
自分より上手な子の話をされるのも嫌がります。
私も子どもの頃、同年代の神童キーシンの話を聞くと、
嫌な気持ちになったことを覚えています。
この子の場合、モーツァルトもNG。
私もそうだったかも・・・。

ところで、この子は私のことを天才と思っていたようで。(笑)
私という存在が、彼女にとっては大きすぎたみたい。
そこで、


「先生は天才なんかじゃないよ〜!
先生程度なんてゴロゴロいるよ〜!」


と言いました。


「先生より弾けない人もゴロゴロいるけど、
先生と同じくらいの人もゴロゴロいるし、
先生の上にもゴロゴロとたっくさんの人がいるよ。」


「○○ちゃんも同じことだよ。
○○ちゃんと同じくらいの人もゴロゴロいるし、
○○ちゃんより弾けない人もゴロゴロいるし、
○○ちゃんより上手な人もゴロゴロいるんだよ。」


この話をした後、この子の表情がすっきりしたのがわかりました。
大学入学当初の私と同じ気持ちなのかな。
地方ではトップクラスでも、中央にきたらただの人!(笑)


「なぁんだ、私程度の人間なんてゴロゴロいるし、
私より上手な人もゴロゴロいるんじゃん!」


なんだか一気に肩の力が抜けたものでした。
私が私と向き合えた瞬間。
誰かと自分を比べるのではなく、
自分がどうしたいのかという、
自分本位な視点で成長していける、
その出発点に立てた瞬間です。
それ以来、私が自分と比べる相手は、
巨匠と呼ばれる私には一生手が届かない人だけ。


”ゴロゴロしている人と自分は比べない”


これ、お勧めですよ〜。
プレッシャーに押しつぶされることもないですし、
自分を見失うということもありません。

巨匠は、私にとって最大の教師です。
ゴロゴロしている誰かと自分を比べて、
自分の学ぶべきことを見出すよりずっと有意義!!
自分の演奏に足りない点も一目瞭然です。
しかも見えてくることは表面的なことではなく根本的なこと。
表面的にやりすごして学んだ振りをしても、
巨匠には通用しません。


私程度なんてゴロゴロしてる!
私より上手な人もゴロゴロしてる!


この事実を受け入れるということ。
なぁんだ!って思える。
”私なんてこの程度”と思える強さというか。
この見地に立てたら、ホント自分本位に学んでいけます。
そして、そこには発見する悦び、
自分の成長を実感できるという快感があります。

ちなみに、私のいう「ゴロゴロしている人」は、
巨匠以外全ての人が対象です。(笑)
かなり広いですよね。
巨匠でなくても、
私の手が届かないような演奏家はワンサとおりますが、
そういう人も「ゴロゴロ」の中に入れてしまいます。
なんとおこがましい!ですが、
この方が自分本位に音楽と向き合えるので。

ゴロゴロしている相手と自分を比べると、
自分のペースが作れなくなってしまいますよね。
寄り道して、周りのいろんな景色に気付き、
それらをすべて自分の糧とすべき時期だとしても、
周りのペースに自分を合わせようとしてしまい、
それができなくなってしまう。

その上、ゴロゴロしているいろんな人が気になるので、
「あれもこれも!」と自分への課題ばかりが見えてしまって、
何も手がつかなくなってしまう。
やっているようでやっていない、
体だけ使って頭は使えていない、という現象に陥ったり。

このお話をした後のこの子。
ちょっと変わった気がします。
先生も天才じゃなくて、
ゴロゴロしている中の1人なんだとわかったこと、
それは自分にも言えることなのだとわかったことで、
気がラクになったのかもしれません。

最近、”夢中になれるものがない”と
嘆く青少年が多いように思いますが、
それって、誰かと比べるからなのでは?と思ったり。
周りを気にしていたら夢中になんかなれないですよね。
夢中になるということは、
そのことに対して自分本位になる、ということなのかもしれませんね。


クリックで応援してネ♪
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ  Twitter「つぶやく」ボタン



emksan at 12:56│TrackBack(0) ピアノ/レッスン 

トラックバックURL