2012年05月30日

ピアノを弾く体について

先程私がツィッターでツィートした文章です。


教えていて思うコト。失敗した印象より、成功した印象を強く持たせたほうが、いろいろ身につきやすい。成功したときに何故成功したのかきちんと伝えながら、たくさん褒めてあげること。先日小学5年生の子には、何故成功したのか自分で考えるように、というレッスンをしました。


音楽的自立は、楽譜からの気付きをどれだけ自分の力で見出せるかとともに、表情を付ける演奏の引き出しを、先生から与えられるのではなく自分で出し入れできるということと思ふ。そのためには、自分の思い通りの表情で演奏できたとき、何故できたのか?を自分自身で考えることが大切と思ふ。


小学5年生頃から私が一番大切にしていることは、音楽的自立への道筋をつけてあげること。練習方法を自分で編み出せるようになったら強い!何故そこが弾けないのか?そこを弾けるようになるにはどういう練習方法が効果的なのか?視点を教えてあげれば、自分で練習方法を編み出せるようになる。


先日小学5年生の子が、私が編み出したものより効果的な練習方法を編み出してくれて、「それが原因だったか〜!!」と私も目からうろこ。こういう瞬間がたまらなく嬉しい。本人もすっきり顔。こういう練習ができたら、練習も楽しい♪♪♪自主性を感じられるようになってくるとレッスンも生き生き!


ちなみに私の練習方法は、リズム練習はほとんどないデス。意識したい指を意識させるためのアクセント練習か、指の独立ができていない原因の際に使う保続音を使った練習か・・・です。どの音をアクセントにするか、どの音を保続させるかで、効果が全然違ってくるんですよね〜。


弾けない原因がわかった上で、保続させる音、アクセントにすべき音を見出さないといい練習には繋がらないデス。ちなみに、効果的な練習方法はその練習を5〜10回もすれば、その場で弾けるようになっちゃう。ただ体はすぐに忘れるので、身につけるためにその効果的な練習をやる必要がありますネ。


自閉症スペクトラムの子のレッスン。「なめらかに」という言葉より、「手首をガタガタさせない」という物理的な体の動かし方へのアプローチをする方が、理解してもらいやすかったりします。「なめらか」というのは漠然としすぎているからでしょうネ。自閉症スペクトラムの子を教えていると(続


自分が表現したい音を表現するために、どのように体を動かせばよいのか?ということを分析する力が養われる気がします。何故粒の立った弱音が出せるのか?何故汚くない、美しい深みのあるクレッシェンドやフォルテが出せるのか。逐一自分の体の動かし方を分析する癖がつきました。(笑)


ピアノを弾くための体について、私が読んできた本のご紹介。ジョゼフ・レヴィーン「ピアノ奏法の基礎」(全音):この本は薄くて読みやすい。歴史的に見て、モダンピアノ奏法を初めて分析した人じゃないかなぁ。それともこれ以前にもいたのでせうか?(続


ドバイアス・マティ「ピアノ演奏の根本原理」(中央アート出版社):この本は視点が目からうろこで、ピアノを弾くための体を分析する上での”視点”を、私が初めて得た本です。文章だけでは理解しにくい動きなどもありますが、”視点”が得られるだけでも重宝できる本です。(続


市田儀一郎「タッチ、このすばらしい手」(全音):賛否両論あった本ですが、手の仕組みを知るのによい本と思います。練習方法は、脱力を知っている人が扱わないと、素人がやったら間違えたやり方をして手を壊す可能性も。文章は難しい!これもピアノを弾く「手」を知るよい機会となった本でした。


この3冊は、発達障碍児を指導する上で非常に役立っている本です。ピアノを指導する上で、障碍のあるなしなんて関係ないってことですね〜♪ 発達障碍児を教えるということは、こういった視点を厳しく分析する必要性にかられるのですヨ。鍛えられマス。(笑)


私が本に書いた「身体能力を知る」という視点と、それに応じた細分化したアプローチ方法は、これら3冊の本でみられるピアノを弾くとはどういうことなのか?という”視点”が必要と思います。


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emksan at 16:27│TrackBack(0) ピアノ/レッスン | 音楽/本・CD

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