2012年05月24日

被災地の現状(岩手)

電子ピアノ支援で出会った、
被災地で支援活動をしている方に、
いろいろと質問させていただき、
被災地の現状について教えていただきました。

この方は岩手の方なので、
宮城の状況と同じとは言えないと思いますが、
とても貴重な情報なのでブログ記事したいと思います。


【復興疲れがみられる】

被災地では心のケアが、
非常に重要視されるようになってきているそうです。
被災から一年が過ぎ、
「復興疲れ」から中だるみに陥りやすい時期とのこと。
「復興疲れ」というのは五月病に近い症状で、
一年余り経過し、今まで気を貼ってきたものがポッカリと穴が開いたように、
体調を崩す方、精神を病む方が増えているそうです。
ストレス、不安、孤独。
冷静に考えれば考えるほど、現実の重圧を感じるそうです。

この点、この方から見ると、
子どもたちの方が前向きに見えるとのことでした。
もちろん断定はできませんし、大人の思いこみかもしれないけれど。
この状況に大人より順応しているように見えるとのこと。
先を考えずに今を精いっぱい生きられるからなのかもしれない、
とおっしゃっていました。

とはいえ、子どもたちも心に深く傷を負っていて、
私が楽器支援したお教室の生徒さんの中には、
うつ病になってしまった子が何人もいると聞きますし、
テレビなどでは泣きたいはずなのに泣けない子どももいると、報道されていることがあります。
一生懸命な大人たちを見て、
自分も頑張らねばと我慢している可能性もあり、
一概にこの方のおっしゃる通りとは言えないだろうとも思います。

でも、先行きが見通せないことに不安を感じる大人よりも、
今だけを見て生きている子どもの方が、
確かに強いのかもしれない・・・とも思います。
子どもたちの存在が、被災地の大人たちを支えてくれているのかもしれないですね。


【仕事について】

これは岩手においてですが、雇用は徐々に生まれ安定しているそうです。
ただやはり、二重ローンが足かせになっている方がとても多いとのこと。
これに関しては、司法書士、弁護士事務所などが、
積極的にアドバイスする体制が動き出しているそうです。
起業、独立支援の助成も今月から公募が増え、
今を乗り越えれば雇用については落ち着いてくる気がする、とのお話しでした。


【支援金について】

先週、大船渡市で贈られた支援金を各家庭に給付したそうです。
その額は、一世帯あたりほんのわずか、14000円。
仕事を失っても、家が残っていれば給付すらされない家庭もあるそうです。
1階が被災したが2階には住めるというような、
「被災残存地域」などは特に支援が弱く、
立て直すこともできず現状維持の状態が目立つそうです。


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この支援団体が関わっている被災地のみなさんは、
復興に積極的な考えを持つ方がほとんどとのこと。
逆に、ネガティブ、引きこもりなど、
心に痛手を負った方は、対人との接触を避けるので、
把握が困難な状況だそうです。
自治会、ボランティアが巡回して声かけするようにしているそうですが、
どの程度まで踏み込んで良いかは手探り状態だ、とのこと。
心のケアは、本当に今後の課題なのです。


最後に、この方から素敵なお話を伺いました。
この方からいただいた文面のまま、ご紹介させていただきますね。


とある被災地のスーパーに行くと、
小学校低学年くらいの男の子が、左手にお菓子、右手に100円玉を持ってレジに
並んでいました。
店員さんが○○円ですよ!とレジ打ちをする横に、募金箱が置いてあって、
男の子はその募金箱の存在に気付くと、数秒黙って考え込み、
「すみません、やっぱり買うのやめます!」と言って、
募金箱に100円玉を入れてスーパーを出ていきました。

レジの店員の女性はその光景を見て涙を流していました。
私はその子を追いかけ、
「これはオレが買ってあげるから!」といって、お菓子を渡しました。
「ありがとう!」といって、子供は走って行きました。

この出来事が、私のモチベーションのひとつとなっています。


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emksan at 11:34│TrackBack(0) 東日本大震災支援 

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