2012年03月12日

楽器支援が受けられない人もいるという現状

南三陸町で被災したピアノの先生。
生徒さん30名以上が被災してしまいました。
今日、このようなメールがありました。


私のところへ連絡がきている生徒さんでは、
残すところあと1人となりました。


とうとうあと1人というところまで、
このお教室支援ができたということに喜びを感じつつ、
楽器支援を受けたいと連絡ができずにいる生徒さんもいるのだと、
改めて思わされました。

宮古市へ伺った時もそうでした。
隣町である釜石の先生方へは、
楽器支援の話があるということをまだ話せるような状況ではない、と。
釜石は被害のとても大きかった地域でした。
こんな状況で楽器支援だなんて・・・。
あれから1年経った今でも、
そういう心境、状況の方々が多くいらっしゃるということです。

南三陸も石巻も、
そこにいるすべての被災した生徒さんや先生が、
楽器支援を受けたいと思える状況にあるわけではありません。
現実はもっと厳しい。
ピアノ教室再開に向けて一歩踏み出せる心境、状況にある方と、
それどころじゃないという方がいらっしゃいます。

私は、こういった方々が前を向くことができるようになったとき、
ふと思い出していただけたら〜と思うのです。

「そういえば、楽器支援があるって聞いたことがあるな。」

そのためには、この支援活動がいつも存在しているということが大切です。
ようやく前を向けるようになったとき、
この活動がなくなっているようでは意味がありません。
前へ進もうと思えるようになった方々の
心の糧にしていただけるような、
そんな支援活動ができたらと願っています。

この支援活動を始めたばかりの昨年5月、
支援要請があるのは半年くらいかな・・・、
そんな甘い見積もりをしていた私です。
その後いやいや1年は必要そうだと感じ、
今は、もしかしたら今後2年くらい必要とされるかも・・・と思い始めています。

まだ前を見ることができずにいる方々が大勢いらっしゃいます。
この方々が前を向けるようになったときが、
この方々にとっての楽器支援の時期なんですよね。

宮古市では5月にこの支援の時期が訪れました。
でも、やはり人によって状況は様々で、
秋になりようやく楽器支援が受けられた子もいました。
宮城では秋頃から支援活動が始まりました。
ここでは一気に活動が進みましたが、
まだ時期が来ていない方々も大勢いらっしゃると感じています。

最近では福島から他地域へ避難なさっている方からの
支援要請があります。
福島ではみなさん、他地域へ避難なさってバラバラなので、
ピアノレッスン再開とかいう状況ではありません。
避難先でも子どもにピアノを弾かせてあげたい、
そういう親御さんからの支援要請がほとんどです。

時々思います。
もし、私が主人をこのような震災で亡くしてしまったら、
果たして立ち直れるだろうかと。
1年経っても2年経っても、立ち直るだなんて無理なのでは思います。
鬱になって、私も追って死んでしまいたいという気持ちに、
一体どれだけ抗うことができるのか。

いろんな方がいらっしゃいます。
前を向き始めた方、まだ前を向けずにいる方、
日々の状況に自分を合わせるので精一杯の方。
支援活動は、”待つ”ということもひとつの在り方だと感じています。
必要なときに、ふと目をあげるとそこにある。
そういう支援活動ができたらと願っています。

現在福島から2件、石巻から1件、電子ピアノ支援要請があります。
アップライトピアノ支援要請も入っています。
支援方法の詳細については、こちらをご覧ください。
みなさんのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
http://musestown.livedoor.biz/archives/51990789.html


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emksan at 13:48│TrackBack(0) 東日本大震災支援 

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この記事へのコメント

1. Posted by 楽器 for Kids   2012年03月21日 01:00
共に頑張り続けましょう!
「いつも存在してることが大切」我々も肝に銘じるべき言葉です。
2. Posted by 中嶋   2012年03月21日 13:22
> 楽器 for Kidsさんへ

ありがとうございます!本当に共に頑張りましょう〜♪♪♪
3. Posted by ゆきんこ   2012年03月24日 12:58
心に響くブログです。被災地では、少しは自分で歩ける生活になっいる町もあります。中嶋さん、どうぞ無理なさらずに頑張ってください。支援にいつまでも被災地に住んでいる者としては、頼るくせのようなものも少しずつほどき、自立しなければならない日も来ているように思います。本当に困っている方にとっては、中嶋さんのお力はお借りしなければならないと、思います。でも、そうじゃなく、の、話もあるのでは。と、思う時期にも来ているかもしれません。これからも、頑張ってください。応援しています。
4. Posted by 中嶋   2012年03月26日 10:07
> ゆきんこさんへ

ありがとうございます♪まだ支援を受けられる状況にない、「何をこの状況で」と思われてしまうため、声すらかけられない方々もいらっしゃれば、確かに「そうじゃなく」の方もいらっしゃると思います。

実は先日、プラットフォームというところからの支援要請でそう思う件が1件あって、お断りさせていただいたんです。100件以上支援してきて、今回のような件は初めてのケースだったので、なんだかとてもへこんでしまったのですが、こういうこともあるのだと腹をくくれた気がします。断るということはとても気力の要ることでしたが、見極めることも大切なのだなぁと思いました。

応援のメッセージ、へこんでいたところだったので、とても嬉しかったです!本当にどうもありがとうございます♪
5. Posted by ゆきんこ   2012年03月27日 13:59
こんにちは。

コメントありがとうございます。
中嶋さんいい方過ぎて、ずっとブログを読ませて頂いていて、心が痛む部分もありました。
被災地になる前にどのような生活をしていたかも、被災したあとの生活で大切な要素になると、思います。自分がどう在りて来たか。自分がどうあって支援を要請するか、支援して頂く側が正直に生きていかなければ。と、思います。
本当に献身的に被災地に尽くしていらっしゃるお姿に尊敬させて頂いていてます。頑張ってくださいね。
6. Posted by 中嶋   2012年03月27日 14:03
>ゆきんこさんへ

暖かな励ましの言葉を、本当に本当にどうもありがとうございます♪♪♪頑張ります〜!