2012年03月09日
音楽における自由な表現とは?
先日の講演で知り合った先生から、
とても嬉しいメールをいただきました。
音楽やピアノレッスンに対する価値観が私ととても似ているので、
楽しくメールでやりとりさせていただいています。
『より音楽的な方向へという視点が常に指導内容や発表会のVTRから
とても嬉しいメールをいただきました。
音楽やピアノレッスンに対する価値観が私ととても似ているので、
楽しくメールでやりとりさせていただいています。
『より音楽的な方向へという視点が常に指導内容や発表会のVTRから
具体的に感じられることが素晴らしいと思いました!』
『短調のスケールを
『短調のスケールを
長調とは雰囲気も音もまったく違って弾けるように育っていることが
本当にすごいと思うんです・・・。』
最近、音楽における自由な表現について、
丁度ブログ記事にしようと思っていたところだったので、
この先生へ返信したこのことについての記述を、
そのままここにコピーしようと思います♪
(メール前後はカットして、このことについての記述だけ抜粋しています。)
音で表現するとはどういうことなのか?
先日のセミナーでは、理解力・身体能力と技術的な分析の話ばかりでしたが、
実際は音で表現するってフォルテもあるしピアノもあるし、
優しいタッチもあれば、鋭いタッチもある。
温かな響きもあれば、冷たい響きもあって、
その上、ダンスのスタイルだったり、オケのスタイルだったり、歌のスタイルだったりする。
そこから今度は時代の様式感なんかも入ってきて、
もう、ほんっとうに、クラシックの音楽表現という領域はとても広いです。
ピアノを教えていて何が自由なのか?といつも悩んできました。
表現の自由とは一体なんなのか?
今は、引き出しを増やすことが、生徒さんの表現の自由を広げることと思っています。
材料の特性を知らず、その材料の使い方を知らずに、
自由に料理しなさいと言われたって、料理なんかできないですよね。
音楽もそれと同じと思います。
こういう雰囲気で弾きたい
↓
どう楽器を操作すればそういう響きに聞こえるのか
↓
そのように楽器を操作するためにはどのようなテクニックが必要なのか?
先立つものは確かに自由なイメージですが、
そこから先はテクニックだったりします。
このテクニックの引き出しがあるのとないのとでは大違い。
使えるテクニックの引き出しがないと不自由極まりないですよね。
また、こういう雰囲気で弾きたいと思うには、きっかけが必要とも思っています。
楽譜から何も感じない子は、本当に何も感じないからです。
大人の初心者の生徒さんでもそうですよね。
ただ指を動かすので精一杯になっちゃって、
「どう弾きたい?」と聞いても、首をひねるばかり。
「どう弾きたいか?」と思うには、動機が必要と思うんです。
その動機をどこに見るか?
私は、ピアノレッスンは生徒さんに気付きを与えることだと考えています。
「どう弾きたいか?」と思えるように、気付きへのアプローチをするんです。
それには楽譜の読み方がわからなきゃいけない。
楽曲にPと書いてあり、音符にスタカートが打たれていた場合。
いったいそこから何をイメージするのか?
どういうPで、どういうスタカートを想像するのか?
想像するにはきっかけが必要で、
楽譜からPやスタカートを見落としていたのでは、
どう弾きたいかなんて、想像することできないですよね。
楽譜を眺めた時に、それはなめらかな楽曲なのか、
それとも跳ねるように楽しげな楽曲なのか。
それが楽譜の模様から読み取れたら、イメージの世界はぐんっと広がり、
ああ弾こうか、こう弾こうか、想像が広がり楽しいことこの上ない!
でも、それが見えないと、指を動かすことだけに夢中になって、
練習も楽しくないし、苦しいだけ。
VTR紹介したSYOTAくん。
こういった気付きができるようになってからというもの、
作曲表現の幅がぐんっと広がりました。
自分で表情記号を楽譜に書き込んでくれます。
ところで、長調と短調の違い。
一番大きな違いは第3音の存在ですが、
その違いへの気付きがない人に、
なんとなく感じる雰囲気だけでアプローチしたのでは限界がありますよね。
第3音への気付きが得られただけで、第3音への意識が高まり、
それが自然に音に出てきてくれる。
発達障碍の子にここまで教えることはできないですが、
楽譜から音符が読みとれない図形の弱い子でも、
スラーやスタカート、ピアノやフォルテ、クレシェンドやデクレッシェンドといった
記号は読みとれるようになるんです。
それだけで十分イメージが広がります。
ある程度弾ける子には、さらに突っ込んで、
短調でピアノの音量のスタカートってどんな音?
などといったアプローチもします。
スタカートにはいろんな長さがあり、
長さによってイメージがガラリと変わります。
ここで欲しいスタカートはどういうスタカートなのか?
あと、基本的なのは、先日お話しした拍子打ちと歌、だと思っています。
音楽が横に流れず、ただただ音を追っているだけの演奏に聞こえる。
それは、音に方向性がないからですよね。
クラシック音楽における、音の方向性というのは、
まずは拍子という律動が基本にあるはずです。
そして、歌。
それから、ハーモニーによる重力の変化。
拍子打ちをしながら歌うと、こういったことを体で感じやすいんですヨ。
音楽は、まずは体感ですよネ♪
体感したことがなく、想像できない音楽を表現することなんて不可能と思います。
【追伸】
音楽における表現とはなんなのか?
そのことに悩んでいた時期、
基礎テクニックと、表現テクニックに分けて考える、という思考が私の中に生まれました。
HP内にこれらをまとめた「ミューズクリニック」というカテゴリがあるのですが、
このページ下部にある”表現ピアノテクニック”を読んでいただければ、
音楽表現の自由とは?ということに対する私のスタンスと、
そこから見出したレッスンアプローチについてご理解いただけるかな〜と思います♪
http://www.terra.dti.ne.jp/~emikosan/technic.html
クリックで応援してネ♪
最近、音楽における自由な表現について、
丁度ブログ記事にしようと思っていたところだったので、
この先生へ返信したこのことについての記述を、
そのままここにコピーしようと思います♪
(メール前後はカットして、このことについての記述だけ抜粋しています。)
音で表現するとはどういうことなのか?
先日のセミナーでは、理解力・身体能力と技術的な分析の話ばかりでしたが、
実際は音で表現するってフォルテもあるしピアノもあるし、
優しいタッチもあれば、鋭いタッチもある。
温かな響きもあれば、冷たい響きもあって、
その上、ダンスのスタイルだったり、オケのスタイルだったり、歌のスタイルだったりする。
そこから今度は時代の様式感なんかも入ってきて、
もう、ほんっとうに、クラシックの音楽表現という領域はとても広いです。
ピアノを教えていて何が自由なのか?といつも悩んできました。
表現の自由とは一体なんなのか?
今は、引き出しを増やすことが、生徒さんの表現の自由を広げることと思っています。
材料の特性を知らず、その材料の使い方を知らずに、
自由に料理しなさいと言われたって、料理なんかできないですよね。
音楽もそれと同じと思います。
こういう雰囲気で弾きたい
↓
どう楽器を操作すればそういう響きに聞こえるのか
↓
そのように楽器を操作するためにはどのようなテクニックが必要なのか?
先立つものは確かに自由なイメージですが、
そこから先はテクニックだったりします。
このテクニックの引き出しがあるのとないのとでは大違い。
使えるテクニックの引き出しがないと不自由極まりないですよね。
また、こういう雰囲気で弾きたいと思うには、きっかけが必要とも思っています。
楽譜から何も感じない子は、本当に何も感じないからです。
大人の初心者の生徒さんでもそうですよね。
ただ指を動かすので精一杯になっちゃって、
「どう弾きたい?」と聞いても、首をひねるばかり。
「どう弾きたいか?」と思うには、動機が必要と思うんです。
その動機をどこに見るか?
私は、ピアノレッスンは生徒さんに気付きを与えることだと考えています。
「どう弾きたいか?」と思えるように、気付きへのアプローチをするんです。
それには楽譜の読み方がわからなきゃいけない。
楽曲にPと書いてあり、音符にスタカートが打たれていた場合。
いったいそこから何をイメージするのか?
どういうPで、どういうスタカートを想像するのか?
想像するにはきっかけが必要で、
楽譜からPやスタカートを見落としていたのでは、
どう弾きたいかなんて、想像することできないですよね。
楽譜を眺めた時に、それはなめらかな楽曲なのか、
それとも跳ねるように楽しげな楽曲なのか。
それが楽譜の模様から読み取れたら、イメージの世界はぐんっと広がり、
ああ弾こうか、こう弾こうか、想像が広がり楽しいことこの上ない!
でも、それが見えないと、指を動かすことだけに夢中になって、
練習も楽しくないし、苦しいだけ。
VTR紹介したSYOTAくん。
こういった気付きができるようになってからというもの、
作曲表現の幅がぐんっと広がりました。
自分で表情記号を楽譜に書き込んでくれます。
ところで、長調と短調の違い。
一番大きな違いは第3音の存在ですが、
その違いへの気付きがない人に、
なんとなく感じる雰囲気だけでアプローチしたのでは限界がありますよね。
第3音への気付きが得られただけで、第3音への意識が高まり、
それが自然に音に出てきてくれる。
発達障碍の子にここまで教えることはできないですが、
楽譜から音符が読みとれない図形の弱い子でも、
スラーやスタカート、ピアノやフォルテ、クレシェンドやデクレッシェンドといった
記号は読みとれるようになるんです。
それだけで十分イメージが広がります。
ある程度弾ける子には、さらに突っ込んで、
短調でピアノの音量のスタカートってどんな音?
などといったアプローチもします。
スタカートにはいろんな長さがあり、
長さによってイメージがガラリと変わります。
ここで欲しいスタカートはどういうスタカートなのか?
あと、基本的なのは、先日お話しした拍子打ちと歌、だと思っています。
音楽が横に流れず、ただただ音を追っているだけの演奏に聞こえる。
それは、音に方向性がないからですよね。
クラシック音楽における、音の方向性というのは、
まずは拍子という律動が基本にあるはずです。
そして、歌。
それから、ハーモニーによる重力の変化。
拍子打ちをしながら歌うと、こういったことを体で感じやすいんですヨ。
音楽は、まずは体感ですよネ♪
体感したことがなく、想像できない音楽を表現することなんて不可能と思います。
【追伸】
音楽における表現とはなんなのか?
そのことに悩んでいた時期、
基礎テクニックと、表現テクニックに分けて考える、という思考が私の中に生まれました。
HP内にこれらをまとめた「ミューズクリニック」というカテゴリがあるのですが、
このページ下部にある”表現ピアノテクニック”を読んでいただければ、
音楽表現の自由とは?ということに対する私のスタンスと、
そこから見出したレッスンアプローチについてご理解いただけるかな〜と思います♪
http://www.terra.dti.ne.jp/~emikosan/technic.html
クリックで応援してネ♪
emksan at 15:17│TrackBack(0)│
│ピアノ/レッスン