2012年01月12日

友達の刺激を受けて伸びる自閉症スペクトラムの女の子♪

レッスンでイヤイヤ虫がつきやすいタイプの女の子。
習い始めの頃は、イヤイヤ虫だらけで、
なかなかレッスンを前へ進めることができなかった子です。
ところが、お教室の行事に参加するたび成長してくれるのです。


【1年目発表会】

発表会でお友達の演奏を見て、
ピアノを弾く、ピアノを習うということがどういうことなのか理解してくれました。
そのことで、イヤイヤ虫が激減。


【2年目発表会】

1年目のときは、ドレスを着るのを頑として嫌がっていたはずなのに、
この年はピンクのかわいらしいドレスを着ていました。
前年お友達のドレスがうらやましかったようです。(笑)
他のお友達が2,3曲弾いていたのを見て、
「私も2曲弾く!」とやる気満々。


【3年目発表会】

頑として嫌がっていた連弾ですが、
他のお友達が連弾しているのを見て、
これまたうらやましかったようす。
「○○ちゃんと弾く!」と自らリクエストしてくれ、
お友達の自閉症の女の子との連弾が叶いました。
さすがに「練習しなきゃ」と思ってくれたようで、
連弾曲の仕上がりも早かった!

個人レッスンではイヤイヤ虫が出るような状況でも、
連弾のレッスンのときは一切そのような様子を見せずに、
緊張した面持ちながら、
楽しそうにレッスンを受けてくれたのが印象に残っています。


【3年目クリスマス会】

昨日は、クリスマス会後初のレッスンでした。
これまたぐんっ!と成長♪
私のお教室では「がんばったで賞」という賞を半年に1回あげています。
毎月目標をクリアするとゴールドシールがもらえます。
3枚以上ゴールドシールをためると”がんばったで賞”がもらえ、
6枚すべてためると”パーフェクト賞”がもらえるのです。

がんばったで賞にもパーフェクト賞にも賞品がつきます。
パーフェクト賞の子はがんばったで賞の賞品とパーフェクト賞の賞品、
合計2つの賞品がもらえるんです。
でね、パーフェクト賞がとてもうらやましかったらしくて。(笑)

普段家での練習がなかなかできない子で、
今は週に3日決まった曜日に練習しているのですが、
気分が乗らない週は1日しかできなかったり・・・という子なのです。
なので、冬休みは練習していないだろうな〜と思っていたんですヨ。

ところがところが、予定していた6日間しっかり練習していたのです。
「すごいじゃぁ〜ん!!」
と私が驚いていると、
「パーフェクトもらうから。この間もらえなかったから。」
とのこと。

どうやら何が何でもパーフェクト賞が欲しいらしい。(笑)
ようやく、この賞状と目標の意味をわかってくれたようで、
これからは毎月集めるゴールドシールが、
この子を上達へ導いてくれることと思います。

最近は弾きたい曲が出てきて、
もう小学5年生だし、教材曲だけじゃなくてもいいか・・・と、
この子が弾きたい曲の楽譜を探して、練習し始めています。
ポピュラーの楽譜って意外と難しいですよね。
バイエル中級くらいの子なので、
簡単にアレンジされていても、やっぱり難しい。

先日のレッスンで、
「これ難しいよぉ〜」と弱音をはいたので、
「自分で選んだ曲じゃん〜!
弾けるようになりたいんだったら、やるしかないヨ。」と私が笑いながら答えると、
一切イヤイヤ虫を見せることなく、
私の言葉に笑いながら、
「そうだよね〜」と答え、レッスンに挑戦してくれたのです。


以前のこの子であれば、
イヤイヤ虫がついちゃって、
やっぱりやめる・・・と、この曲への挑戦をあきらめていたところです。
なのに、今はもう挑戦できるんですよね。

先生の声かけなんてたいしたことないんだよなぁと、
この子の成長に出会うたび思います。
一番威力があるのは、
同じ年頃の子との付き合いだと思うからです。
うちのお教室には小学4年生の定型発達の女の子が2人いて、
この子はその子たちとすごく仲良くなったんです。
それがこの子を飛躍させてくれている気がします。

また、同じ自閉症の中学生の女の子との連弾の経験も、
この子にとっては大きな経験でした。
そういったいろんなお友達との出会いが、
この子を伸ばしてくれているんですよね。

この子に限らず、
障碍のあるなしにかかわらず、お友達の存在って大きい!
お教室の雰囲気作りも指導の一環と、
しみじみ思わされます。


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emksan at 15:15│TrackBack(0) ピアノ/レッスン | 障碍&幼児

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