2011年12月20日

テンポの錯覚

よくメトロノームで練習するのは音楽的でないといわれますが、
どうしても練習にメトロノームが必要ということはよくあることですよネ。
大切なことは拍子という律動を感じているということ。
それから、フレージングや呼吸を感じているということと思います。

でも、それを生徒さんに理解してもらうというのは、
とってもとっても難しいコト。
テンポが前のめりになる生徒さんがいたとします。
テンポの安定を求めるために拍子感へのアプローチをしながら、
メトロノームに合わせる練習方法を指導します。

しかし、どんなに拍子へのアプローチをしていたとしても、
そこから拍子という律動が失われてしまいがち。
拍子の重さと音量が一致しすぎてしまうのです。
強拍を強く弾き、裏拍が弱くなるため、
メロディがでこぼこに聞こえてしまいます。
たとえ左手の伴奏が律動と一致した音の強弱であったとしても、
メロディを奏でる右手は、大きなフレーズを感じる演奏でなければなりません。

また、生徒さんが前への推進力を感じて演奏したいと思っている場合。
これがさらに難しいんですよね。

推進力を感じる=テンポが前のめりで不自然

ということが起こってしまうからです。
しかし、本人は弾くのに夢中でそのことになかなか気づくことができません。
その上、メトロノームを正しく使えていないせいで、
メトロノームで練習すると、
推進力のない重たい演奏になってしまう。

安定した律動を感じながら、
流動的に演奏したり、
推進力を感じさせる演奏をするって、
一体どういうことなのでしょう?

そこで実験をしてみることにしました。
興味のある方は、是非聴き比べしてみてください♪

【古典派音楽での実験】

[動のない、拍子の重さの変化を感じていないもの。
 ただメトロノームに機械的に合わせてしまっている演奏。

⇔動のあるもの。拍子の重さの変化と音の強弱が一致。
 1拍目が大きく、2,3拍目が小さく・・・といった具合です。

N動のあるもの。拍子の重さの変化と音の強弱が不一致。
 メトロノームに合わせつつ、推進力を感じる演奏です。





【ロマン派での実験】
古典派の文章をそのままコピーして使用してしまったため、
3拍子と書いてありますが、8分の6拍子の間違いです。m(__)m

[動のない、拍子の重さの変化を感じていないもの。
 ただメトロノームに機械的に合わせてしまっている演奏。

⇔動のあるもの。拍子の重さの変化と音の強弱が一致。
 1拍目が大きく、2拍目が小さく・・・といった具合です。

N動のあるもの。拍子の重さの変化と音の強弱が不一致。
 メトロノームに合わせつつ、推進力を感じる演奏、その1。

の動のあるもの。拍子の重さの変化と音の強弱が不一致。
 メトロノームに合わせつつ、推進力を感じる演奏、その2。

ノ動のあるもの。左に動きをもたせた演奏。

Ε瓮肇蹈痢璽爐帽腓錣擦覆ら音楽的に演奏したもの。






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emksan at 22:06│TrackBack(0) ピアノ/How to | ピアノ/レッスン

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この記事へのコメント

1. Posted by 空美(solami)   2011年12月21日 23:06
演奏で比較するとわかりやすいですね!
こんな風に丁寧に指導したいです♪

「律動」という言葉をレッスンで使ったことが無かったのですが
「拍子の運動」という風にとらえたらいいでしょうか?
2. Posted by 中嶋   2011年12月22日 12:56
ありがとうございます〜♪ところで、律動という言葉ですネ。私は拍子に安定した一定の動きを感じるんです。この一定の重さの変化が、安定を生み出しているのだろうと。そう思うと「律動」という言葉がしっくりくるんですよね〜。

たとえば、60秒ぴったりを当てられるか?というゲームがありますよね。あれ、1,2,3,4・・・と数えていたんではなかなか当たらない。ところが、120のテンポで2拍子にすると、当たりやすくなるんですよ。1拍目が重く、2拍目が軽い、という律動が生まれることによって、テンポがぶれにくくなるんだと思います。私が思う「安定した律動」とは、そういうことと思います〜。
3. Posted by 空美(solami)   2011年12月22日 21:40
律動の解説ありがとうございました!
「安定した律動」という表現、わかりやすいです。

同じ重さでメトロノームに合わせても音楽的にはなりませんよね。
それを「固いテンポ」と表現するのもわかりやすいです。

早速レッスンに取り入れたいのですが、今年はもう終わり(笑)
来年からがんばりますヽ(^o^)丿
4. Posted by 中嶋   2011年12月23日 18:46
古典派の音楽の場合、
拍子の重さの変化と音量の変化が一致した固いテンポが、
私はかなり好きなんですが、
それ一辺倒ではないんですよね〜。
それ一辺倒だと動きも構成感もなくなっちゃう。
意識的に固いテンポ、推進力を感じた演奏、
流れを感じた演奏って、いろいろできるのが理想ですネ。