2011年05月16日

幼児音楽研究会の例会

大学時代の恩師からの電話。
私が書いた本の土台に、
”幼児教育”が息づいているということに気づいてくださった先生の感想が、
とてもとても嬉しかった私。
改めて、私の土台は幼児教育にあるんだと認識させられたお電話でした。

この恩師、幼児音楽研究会の会長をなさっているのですが、
研究会の例会が年に4回あるとのことで、
来年3月に話してもらえないか、というお誘いをいただきました。


「学生さんに向けてお話するんですか?」


と私。


「いやいや、大学の先生とかですよ。」


え・・・絶句する私。(笑)
私、ただの街のピアノ講師なんですけど・・・いいんですか・・・?(^-^;
普段教えていただく側の私が、
そういう方々を前に講演するだなんて信じられないぃっ。

でも、こんな機会今後あるとも思えず。
せっかく恩師が与えてくださったチャンス。
自分を成長させるための貴重な機会と思って、
引き受けさせていただくことにしたのでした。

でもね、全く知らないところへ突然出向いてしゃべるだなんて、
私にはとてもとてもできそうにない・・・。
もともとノミの心臓ですから。


「今度例会があるんですよ。一度いらしてみませんか?」


という恩師のお誘い。早速昨日行って来ました。


「懇親会にも出ませんか?」


ということで懇親会へも参加。
懇親会会場までの道のり、誰も知っている人がいなくて、
おしゃべりする相手もおらず、
ドキドキしながら道を歩いた孤独な私。。。。
懇親会に参加だなんて、場違いじゃなかったのかしらん・・・。
不安ばかりがつのります。

ところがね、いざ懇親会が始まってみると、
話題が私好みの話題ばかり!
意外と緊張なく、話題にどんどんのめり込んでいく私がいたのでした。
とにかく楽しかった!
こんな風に”教育”というものについて語り合う機会、
ピアノ講師同士ではなかなか得られません。

あぁ、私って幼児教育育ちなんだよなぁ、を実感させられましたヨ。
私のピアノ教育は、土台に幼児教育があるんです。
幼児教育一色に染まった大学4年間。
この教育をピアノ教育に生かすにはどうしたらいいんだろう、
そう悩みながらの4年間でした。

そしてピアノ講師になり、その悩みは継続し続けます。
答えが見つからない。方法論が見えてこない。
自由保育は、子どもたちの自発性を引き出し自律を促すために、
子どもたちを観察し分析し、それに即した環境を作る。
でも、ピアノ教育には教えなければならないことがあるんですよね。
環境を整えるだけじゃ、何も身に付かない。
自由だけを追求してても、表現のための技術が身に付かない。
表現したいように表現するには技術が必要。
そのうえ、表現したいという幅を広げるには知識も必要。
何もない自由は、不自由でしかないのだということ。

それらがようやくわかってきたのが、
発達障碍児にレッスンするようになってからのことでした。
年齢という枠にとらわれず、
1人1人の発達段階を見極めるという視点からのレッスン。
発達障碍の子に出会って試行錯誤を繰り返した10年間。
この10年で、ようやく私が悩み続けてきたことへの答えが見つかったように思います。
幼児教育をピアノ教育に生かす、ということ。

本を出版し、こうして恩師と久々にやりとりするようになり、
これまで試行錯誤して得た私の視点を、
客観的に見つめ直すことができるようになってきました。
そして、昨日の懇親会だったのですヨ。
話題の楽しさに感動し、涙が出てきてしまいました。
こういう話でキャッチボールがしたかった!
嬉しくて嬉しくてたまらなくなりました。

ところで、昨日の例会の打楽器奏者三縄先生の講演。
プロの奏者でありながら、幼児と関わりを持つ先生の講演です。
打楽器って音色だったのね!
目から鱗でした。

ピアノでは音色を追求するタイプの私ですが、
打楽器も音色なんだ!と実感させられましたヨ。
持ち方も叩き方も、そんなの後付け。
重要なのは、その楽器からいかにいい音色を引き出すか!
ピアノも一緒ですよね。

懇親会で話題になったのは、
その楽器のプロが、実際に音を出してみせることの重要性でした。
「かっこいい!そういう音で叩きたい!」
そう子どもたちに思わせること。

ピアノもそうなんですよね。
先生がいかに美しい音色を聴かせることができるのか。
先生がいかに魅力的な演奏を聴かせられるのか。
「私もそんな風に弾いてみたい!」
そう思ってもらえるレッスン。

私は、指導法は”視点の持ち方”さえわかれば、
あとは人それぞれだと思っています。
視点がわかれば、指導の引き出しはいくらでも作れる。
でも、その引き出しの魅力や質の高さというのは、
先生の音楽的資質に比例しちゃうんですよね。
自分がどれだけの音楽性を持っているのか、
レッスンの良し悪しってそれ次第な気がしています。

だから、先生って職業についている人間は、
いつも生徒さんたちに追い立てられるように、
自分を育み続けなきゃいけないんですよね。
しかも楽しみながら!
演奏することに楽しみを見い出している人の演奏は魅力的!
自分の求める音楽があるということ。
追求することの快楽を知っているということ。

昨日例会でお話くださった三縄先生は、
本当にすばらしい打楽器奏者でした。
音が!音が音が音が!!!!
打楽器は、私にとってピアノの次に身近な楽器なのですが、
ずっとわからずにいたコンガの音。
教則本に書かれていたあの音は、この音のことだったのね!
もちろん真似しても私の手から、そんなすばらしい音は出てきません。
三縄先生がいかに音を追求してこられたか、ということですよね。
技術というのは、そんな単純なもんじゃない。

それにしても、なんて魅力的な音!
なんて魅力的な表現力!
こういう先生のもとで打楽器を習ったら、
そりゃぁいい耳といい感性が育まれるだろうと思ふ。
三縄先生の音に対するこだわり!

こだわりのある教師はすばらしい。
そういえば大学でも同じことを感じたなぁ。
大学で教鞭をとっている先生方の授業は、
すべてその先生の研究成果を展開する場でもあって、
その先生がこだわりを持って研究していることが伝わってくるので、
授業が楽しくてたまらなかったのを覚えています。
大学ってすごい!そう思ったものでした。

私もピアノにこだわりを持ち続けよう!
そのためには、私が楽しんで前進続けることが大切ですネ。
改めてそう思わされた一日だったのでした。
楽しかった〜♪


クリックで応援してネ♪
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ  Twitter「つぶやく」ボタン



emksan at 15:45│TrackBack(0) 本の出版 

トラックバックURL