2010年11月16日
一気にベートーヴェンを譜読みして学ぶこと
最近ベートーヴェンのソナタを弾いている私ですが、
こうして一気に学んでいくということの大切さを痛感しています。
そして、一気に学んでいることで、見えてきたことがある。
どういう演奏をしたら、自分に納得がいくのか、ということ。
楽曲に対するイメージも大切。
響きも大切。
そのための音のバランスやタッチも大切。
拍子感も大切。
楽曲全体の流れも大切。
そのための音の方向性も大切。
全体の構成感も大切。
フレージングも大切。
そのための呼吸も大切。
ひとつひとつ取り上げるだけならいい。
楽曲に対するイメージにだけ集中して弾くなら。
響きのことだけを考えて弾くなら。
全体の流れだけを意識して弾くなら・・・。
ひとつひとつのことだけを念頭に置いて弾くのはたやすい。
でも、それじゃいい演奏にならない。
すべてが一体化していないとだめ。
それが難しい。
特に昨日アップした悲愴第2楽章はこれが難しかった。
勢いで弾くわけにはいかない。
そういう曲はごまかしがきかない。
抑揚を付けて歌えばラクかもしれないけれど、
この曲はそういう曲じゃぁない。
だから難しい。
私が惹かれるピアニストはみな、
すべてが一体化していて、
だからこその集中力と、だからこその説得力ある演奏をします。
何年も前に彼が私に言ったこと。
「恵美子の演奏は、ブツブツしている。
本来音楽というのはひとつの絵巻物のようじゃないとだめだよね?」
素人の彼に、痛いところと突かれた私。
絵巻物・・・いい表現だと思う。
まるでリヒテルのような演奏。
鳥瞰図を眺めるような俯瞰した演奏。
ところが、一曲に夢中になって練習していると、
ひとつひとつのことにこだわってしまいがち。
そうすると一体化が手元から離れていってしまう。
ベートーヴェンに焦点をあてて、
初期の作品ばかりをドドドドッと譜読みしている今、
視野が以前より広がってきているのを感じます。一体化させるとはどういうことをいうのか?
結局こういうことは人からああだこうだと言われたところで、
わかり得ないことなのだと思う。
実感してみないことには。
そして、最近実感しつつある気がするのですよ。
道のりはまだまだ長い。
だけど、ちょっと入口に立てた気分。
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