2010年11月11日
ピアノを弾くための体作り
発達障害の子は、筋肉の弱い子が多いですネ。
自閉症のお子さんの中には、鉛筆が持てないほど握力がない子もいますし、
ダウン症のお子さんはもともと指の筋力が弱いため、
ダウン症の子用のリコーダーが開発されているほどです。
しかし、そんな子たちでも鍛えればピアノが弾けるようになります。
ということで、指はいいんですよ。うん。
私の中では解決済みなのデス。
そこで最近気になっているのが上半身の筋力。
指は出来上がってきているのに、姿勢が悪い。
この姿勢の悪さは成長するにしたがって顕著になっていくように感じています。
ある自閉症の女の子。
病院で上半身の筋力が、筋ジストロフィー並みだと言われてきました。
確かに前から気になってはいたのです。
でも、そこまでレッスンすべきなのか、悩みどころだったのですよ。
筋力が弱いために姿勢がまっすぐにならない子。
発達障害児に限らず、現代の子は多いですネ。
やはり健常児の場合も、成長するにしたがって顕著になってくる。
幼児の時はあんなに姿勢がよかったのに!なのデス。
でね、弾くのに夢中になっている子に向かって、
いくら背中を注意したところで、
腰は曲がっていくものなんですよね。
最初は意識のせいだろうと思っていたのですが、
最近は意識のせいではなく、もともとの筋力のせいだと思うようになりました。
というのも、私がそうだったので。(^_^;)
腰をひどく痛めた時期、
どんなにいい姿勢で弾こうにも背中がまっすぐにならない!
痛いとどうしようもありません。
でもね、腰の調子が良くなって痛くなくなっても、背中はまっすぐにならなかった。
ところが腹筋をつけたら、意識しなくても正しい姿勢で弾けるようになったのですヨ。
・・・・・私の場合、もともとの姿勢(骨のゆがみ)が悪かったので、
カイロプラクティックの助けもかなり大きかったですが。
なんだなんだ、普通に座るための筋力そのものがなかったんじゃないか!なのです。
弾いているときに、姿勢のことまで考えるなんて、
これはね、もう無理だと思います。
基本的な姿勢・・・という意味でですヨ。
意識しなくても正しい姿勢で弾けるようになれば、
フォルテもピアニシモもその時々に応じた効果的な姿勢や、
力の持っていき具合で演奏することができる。
腰が据わっていないとダメなんです。
でも、腰が据わっているためには基本的な筋力が必要なんですよね。
意識しなくても自然と支えてくれる筋力。
ということで、最近では筋力の弱い発達障害の生徒さんに限らず、
この子は!と思う子にはすべて筋力トレーニングを取り入れています。
とはいえ、最低限の筋力があればいい話なので、
負荷はかなり軽いです。
筋力の弱い人間が、
いきなり負荷の強いトレーニングをしたところで、体を痛めるだけ。
必要なだけの負荷でいい、と私は考えています。
その上、発達障害の子の場合は、
そこに意識が持っていきやすい・・・という点も考えなければならないので、
なるべく単純でやりやすいトレーニングが必要なのですヨ。
でわでわ、私お勧めのトレーニングをご紹介。
とってもラクチンで、苦にならない運動ばかりです。
【腹筋その1】
これは全く筋力のない子に使う、
一番負荷のかからないタイプのトレーニングです。
手でしっかりとイスを持ち、体を支えます。
あとは足先を上げてじっとしているだけ。
これがなかなか持ち上がらない。
昨日取り入れた子は、10秒がやっとでした。
一週間続ければ20秒できるようになるでしょう。
最終目標は30秒にしています。
【腹筋その2】
これは私自身が気に入っているトレーニング。
その1で筋力がついた子にもこれをやってもらうことにしています。
これもまた足がなかなか上げられないんですヨ。
慣れてくると、かなり上がるようになってきます。
これも足先を上げてじっとするだけ。
手で体を支えるのがコツですが、
手の指先が足の方を向くようにしてください。
こちらも10秒、15秒、20秒、30秒と、
少しずつ秒数を増やしていきます。
【体幹】
これまた私お気に入りの運動です。
自閉症の子にこの方法を教えたら、頭をぐいっと上げて、
お腹が床につくような感じ、腰が反ってしまいました。
正しい方法を身につけるのが少し難しいかもしれません。
頭は下げて、お腹は上げて・・・です。
とはいえ、お尻がぴょこんと上がってしまってはいけないので、
その辺の調整が難しいかもしれません。
この姿勢のままじっとするだけです。
これまた10秒、15秒、20秒、30秒・・・です。
大人であれば1分かな♪
1分、かなぁりきついですよ〜。
【腕立て】
自閉症のお子さんで、指が異常に弱かった子は、
腕も弱いなぁと思ったり。
腕に力が入らないので、脱力は身に付きやすいですが、
最低限の筋力がないため、体のコントロールが苦手なのでは?と思うことも。
楽曲が難しくなってきて、左右に大きく跳躍する曲に出会うと、
ぶれない安定した姿勢や腕のすばやい動きが要求されます。
腕立ては腕のすばやい動きに対応できるための筋力トレーニングです。
腕立て”伏せ”にしてしまうと、
これはね、もう負荷がかかりすぎて無理なんですよ。
ということで、床ではなく壁に向かって腕立てをやります。
曲げたらきちんと腕を伸ばすこと。
足先が壁から離れれば離れるほど負荷がかかります。
ピアノを弾く程度の筋力は、この程度の運動で十分!
と私は思っているんですヨ。
回数は10回くらいから始められると思います。
最高30回もやれば十分かな♪
【発達障害---Amazon】
発達障害のある子とお母さん・先生のための思いっきり支援ツール―ポジティブにいこう!
クチコミを見る
そうだったのか!発達障害 わざとじゃないモン―実録4コママンガ
クチコミを見る
発達障害の豊かな世界
クチコミを見る
私たち、発達障害と生きてます―出会い、そして再生へ
クチコミを見る
よくわかる発達障害―LD・ADHD・高機能自閉症・アスペルガー症候群 (やわらかアカデミズム・「わかる」シリーズ)
クチコミを見る
発達障がいを持つ子の「いいところ」応援計画
クチコミを見る