2010年11月04日

哀しみの糸杉

細く長く読み進めている『変身物語』。
かなり長期間に及んでいますが、
のぉんびりと読み進めています。


オウィディウス 変身物語〈上〉 (岩波文庫)オウィディウス 変身物語〈上〉 (岩波文庫)
著者:オウィディウス
岩波書店(1981-09-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


紀元前古代ローマの詩人オウィディウスが著者。
ギリシア・ローマの神話や伝説をまとめた一冊です。
ギリシャの神々は人間を様々に変身させているのですヨ。
花になったり岩になったり、島になったり鳥になったり。
また神々自身も変身して人間の前に姿を現わしたりします。

今日読んだ箇所は下巻の一部。
”王様の耳はロバの耳”のお話。
あの話ってギリシャの伝説がもとになっていたのですね。
そして、このブログ記事タイトル『糸杉』。
糸杉にこんな哀しい伝説があったなんて知りませんでした。


金色に輝く角をもった一頭の鹿。
そして他の誰よりもこの鹿をかわいがっていた美少年キュパリッソス。
ところが木陰で休んでいたこの愛しい鹿を、
キュパリッソスはあやまって投げ槍で刺し貫いてしまったのです。

少年を愛する神アポロンが、どんなに少年を慰めても、
美少年キュパリッソスは嘆くばかり。
神々への最後の願いとして、
いついつまでも嘆いていたいと言うのでした。

少年の体は緑色に変わりはじめ、
真っ白な額にかかっていた髪の毛は逆立ち、固くなり、
先細の梢となって星空を仰ぐようになりました。
アポロンはため息をつきながら悲しげにこう言いました。

「おまえへの哀悼は、わたしがするとしよう。
そのかわり、おまえは、
ほかのひとたちを悼み、
悲嘆にくれている者たちの友となるのだ。」


     本をそのまま写してはいません。
     オウィディウスの文章はもっと文学的です。(笑)
     ここでは簡単に物語の説明を書かせていただきました。



この箇所を読んで、ゴッホを思い出しました。
たくさんの糸杉を描いたゴッホ。
彼はこの伝説を知っていたのでしょうか?


ゴッホ糸杉


クリックで応援してネ♪
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ


【ギリシャ神話---Amazon
ギリシャ神話集 (講談社学術文庫)
クチコミを見る
面白いほどよくわかるギリシャ神話―天地創造からヘラクレスまで、壮大な神話世界のすべて (学校で教えない教科書)
クチコミを見る
ギリシア神話 (図解雑学)
クチコミを見る
ギリシャ神話とオリンポスの神々―世界中で語り継がれる神と英雄の壮大な物語
クチコミを見る
ギリシア神話 (岩波文庫)
クチコミを見る
図説 ギリシャ神話「神々の世界」篇 (ふくろうの本)
クチコミを見る
ギリシャ神話図鑑
クチコミを見る



emksan at 16:02│TrackBack(0) 読書 

トラックバックURL